今回、インフォバーンとコンセントが共催する「変化する時代の『組織の力』を育む〜「デザイン態度」の考えと、BtoB企業におけるデザインマネジメント実践事例から学ぶ〜」のセミナーにオンライン参加しました。
【変化する時代の『組織の力』を育む】
変化に富む先行き不透明な事業環境においては、それを乗り越えてなお成長をし続ける、柔軟でしなやかな組織のありようがますます求められることでしょう。
それらを乗り越えるアプローチとして昨今注目を集めているのが、デザイン的な考えや方法論です。そこで、今回のセミナーでは「デザイン」をキーワードとして、組織を変革する具体的な考え方や実践のあり方を皆さんとともに考えていきます。
【デザイン人材に必要な「アブダクション」】
セミナーの冒頭に、前回の共催セミナーで、不確実な環境においては、ロジックと合理的整合性だけでは解決できないことがあり、未知の世界を解決することができるデザイン人材とは、仮説があるから進めるのではなく、仮説を自ら形成する人材であり、その手法として「アブダクション」という仮説を推論する視点が必要であるとありました。
そこで、今回のセミナーでは、「組織の力」を育む上で、デザイン人材に必要となる「アブダクション」について、登壇された井登氏、長谷川氏の解説も踏まえ説明することとします。
(「組織の力」という本論から少し離れたものとなります。)
【「アブダクション」に関する質疑】
今回、セミナー終了後、質問を受け付けていただく機会があり、私が質問した内容に対して、丁寧な回答をいただくことができました。
質問
回答
【「アブダクション」に関する解釈】
回答において参照となる論文を提示いただきましたので、論文の内容を踏まえ、「アブダクション」に関して学んだことを返答させていただきました。
返答
【まとめ】
「アブダクション」により新たな解決策を導く上で、はじめに、事象に対して、「結論」や「仮説」に気付く(閃く)のではなく、今までとは異なる「法則」に気付く(閃く)ことが重要となります。
例えば、「商品が倉庫に入り切らない」という事象の場合、「倉庫を大きくする」「新たな倉庫を借りる」という「結論」に気付く(閃く)のではなく、「受注生産により完成品在庫をなくす」という仮説を導くための「倉庫を使用しない」という今までとは異なる「法則」に気付く(閃く)必要があります。
この「倉庫を使用しない」という「法則」に気付く(閃く)ためには、「倉庫の賃借料が高騰している」「資金調達が困難である」「ニーズの予測が困難である」など、経営の視点、財務の視点、マーケティングの視点などにより、現場における解決が困難な様々な課題を五感(身体性)に基づき理解する必要があります。
そして、現場における解決が困難な様々な課題を五感(身体性)に基づき理解した結果、解決が困難な現状(固定観念)に対して、懐疑的に捉えることにより、「受注生産により完成品在庫をなくす」という「DELLの受注生産」のケースを類推することによって、「倉庫を使用しない」という今までとは異なる「法則」に気付く(閃く)ことができることとなります。
これらのように、「アブダクション」により今までとは異なる「法則」に気付く(閃く)ためには、五感(身体性)と思考(言語性)が共に機能する必要があり、特に、固定観念から脱却するためには、多様性に基づく様々な情報を取得し、思考を繰り返すことにより、「アブダクション」において重要となる今までとは異なる「法則」に気付く(閃く)ことができるのではないかと考えます。