shift innovation #52 (QUINTBRIDGE hack 3)
今回、QUINTBRIDGEで「アイディエーション❗️Vol.2「大阪らしさ」をパンで伝えるには❓」というイベントに参加しました。
【QUINTBRIDGE】
「社会を変えたい思いと思いが、出会う場所。」
世の中をもっと良くしたい、と考える企業・スタートアップ・学生・自治体などが、立場にとらわれず交流するオープンイノベーション施設。
志を持つ会員同士が自由に共創し、実社会での活用をめざします。アイデアや技術、知見や課題を持ち寄り、それぞれの個性を活かし、あなたの想いをみんなの思いにしていきましょう。
【アイディエーション❗️Vol.2】
アイディエーションのテーマは「『大阪らしさ』をパンで伝えるには❓」です。
QUINTBRIDGE会員で「I LAB.」ゼミ卒業生の内藤さん(AZU CURRY)がテーマオーナーです。
また、今回はゼミのコミュニティから内藤さんとつながりが生まれた1946年創業の大阪を中心に展開し、懐かしくも新たしいパン屋として日々挑戦されているベーカリー、株式会社ダイヤさんをゲストにお招きして参加者の皆さんとアイディエーションを行います❗️
【AZU CURRY】
内藤さん(AZU CURRY)は、食と健康をテーマに大阪カレーの特徴であるスパイスカレーを北新地で店舗を構えているようです。
スパイスは腸にも良く、便秘の方のお通じも良くなるようであり、また、大阪はアレンジすることが好きな気風があり、スパイスを調合しオリジナルカレーを開発し続けているようです。
【株式会社ダイヤ】
株式会社ダイヤさんは、日常に食してもらいたいパンを製造する「クックハウス」と百貨店でフルーツサンドウィチを販売する「ダイヤ製パン」があり、「ダイヤ製パン」はオシャレな店舗のようです。
「パンdeしあわせ」を企業理念とし、「大阪らしいパン」を大阪在住の人以外の方や海外の方に知ってもらい、全国区のパンにしたいという思いがあるようです。
【前回(shift innovation #51)】
イベント当日、導出した「ヘルシーでマイルドな味のクリーム・カレーサンドウィッチ」というアイデアは、「スパイスカレーは辛いものである」という固定観念が顕在化すると共にと固定観念から脱却することにより、「甘いクリームと辛いスパイスカレーが融合したマイルドな味」という新たな機会に基づくアイデアとなります。
そして、前回、導出した「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」という新たなアイデアは、「カレー(の味)を変える」という固定観念が顕在化すると共に固定観念から脱却することにより、「パン生地(の味)を変える」という新たな機会に基づくアイデアとなります。
【新たな「大阪らしいカレーパン」】
前回、「今までにない新たな仕組みによる大阪らしいカレーパンを考案する」というコンセプトに基づき、「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」という新たなアイデアを導出しました。
「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」という新たなアイデアは、事象を懐疑的思考により捉えると共に飛躍的思考により捉えることによって導出した新たなアイデアとなります。
今回は、前回、懐疑的思考や飛躍的思考により、自然に思考したプロセスに基づき導出したアイデアに関して、フレーム(「転移」「反転」「類推」)に基づき「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」の内容を確認することとします。
【フレーム「転移」・「反転」・「類推」】
今までとは異なる事象を今までとは異なる視点で捉えることにより、新たなアイデアを導出するためのフレームとして、事象に対して「転移」「反転」「類推」する方法があります。
【新たな「大阪らしいカレーパン」におけるフレームの活用】
はじめに、フレームの「転移」に基づき、「カレーパン」を空間軸で捉えると、「カレーパン」は「カレーのルー」「カレーの中の食材(肉・じゃがいも・玉ねぎなど)」「パン生地」という構造となり、関係する事象のうち「パン生地」に転移させました。
次に、転移することにより捉えた「パン生地」に対して、フレームの「反転」に基づき、カレーパンは「辛い」という意味を「甘い」に反転させました。
そして、反転することにより捉えた「甘い」に対して、フレームの「類推」に基づき、「甘い」から「フルーツ」を類推し、そして、「大阪らしい」に対して、大阪らしい「フルーツ」である「イチヂク」「温州みかん」「ブドウ」を類推しました。
さらに、「新たな仕組み」として、フレームの「類推」に基づき、「シュークリーム風、クリーム後入れクリームパン」の仕組みである「中身(食材)を入れ替える」から「パン生地に練り込む食材を入れ替える」を類推しました。
これらの結果、「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」(イチヂク味・温州みかん味・ブドウ味など)というアイデアを導出することとなりました。
事象に対して「転移」「反転」「類推」することにより、今までとは異なる事象を今までとは異なる視点で捉えることによって、「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」(イチヂク味・温州みかん味・ブドウ味など)というアイデアを導出することができました。
【転移における空間軸の捉え方】
「カレーパン」を空間軸で捉えると、「カレーパン」は「カレーのルー」「カレーの中の食材(肉・じゃがいも・玉ねぎなど)」「パン生地」という構造となりますが、さらには、「食べる人」「作るお店」「食材の納品業者」など、関係する事象が想定されます。
イベント当日、導出した「ヘルシーでマイルドな味のクリーム・カレーサンドウィッチ」というアイデアは、「カレーのルー」は「カレー」から「クリーム」に変わったものの、「カレーのルー」自体からは転移しませんでした。
一方で、前回、導出した「大阪らしい食材を練り込んだパン生地のスパイスカレーサンドウィッチ」(イチヂク味・温州みかん味・ブドウ味など)というアイデアは、「パン生地」が一般的な「カレーパン」である「揚げたパン」から「サンドウィッチの食パン」、そして、「イチヂク・温州みかんなどの食材を練り込んだパン生地」に変わるなど、「カレーのルー」から「パン生地」へ転移しました。
これらのように、関係する事象が拡大する、つまりは「転移」する幅が大きくなればなるほど、今までにない新たなアイデアを導出できることとなります。
【空間軸の幅の違いによるアイデアの遷移】
別の事例として、「新しい『水筒』」を検討する場合、「水筒」を空間軸で捉えると、「水筒」「水筒の中の水」「水筒の水を飲む人」となります。
そこで、「水筒」自体に着目すると、「折り畳み水筒」「蛇腹の水筒」など、よくあるアイデアとなりますが、水筒の中の「水」に着目すると、「水を圧縮できる水筒」(実現不可能)というアイデアとなり、水を飲む「人」に着目すると、「水を濾過し循環できる人工臓器」というアイデアとなります。
これは、目的の抽象度が上がることにより、着目する視点が変わることとなり、「水筒で大量の水を運ぶ」という目的である場合、「水筒」や「水」に着目することによって、「蛇腹の水筒」や「水を圧縮できる水筒」(実現不可能)というアイデアとなりますが、「水筒で大量の水を運ぶ」の上位の目的となる「体に水を補給する」という目的である場合、「体」に着目することによって、「水を濾過し循環できる人工臓器」というアイデアとなります。
これらのように、目的の抽象度が「水筒で大量の水を運ぶ」から「体に水を補給する」へと上がり、水筒に関係する事象が「水筒」「水筒の中の水」「水筒の水を飲む人」へ拡大するなど、「水筒」から転移する幅が大きくなればなるほど、「蛇腹の水筒」「水を圧縮できる水筒」(実現不可能)「水を濾過し循環できる人工臓器」というように、今までにない新たなアイデアになるものと考えられます。
【まとめ】
今までとは異なる事象を今までとは異なる視点で捉えることにより、新たなアイデアを導出するためのフレームとして、事象に対して「転移」「反転」「類推」する方法があります。
そして、空間軸・時間軸に基づき、「転移」する幅が大きくなればなるほど、今までにない新たなアイデアを導出できることとなります。
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