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shift innovation #62 (Design Science × RCSC hack)



今回、立命館大学×武蔵野美術大学 学術交流協定フォーラム(第2回)「砦―野武士クリエイター的デザインマネジメントのプロセス」に参加してきました。




【はじめに】

はじめに、前回(第1回)のフォーラムにおいて定義付けられた野武士クリエイターとは、「自身の信念や価値観に基づき社会変革を起こす人」であるようです。

野武士クリエイターの行動原理とは、「困難な課題に立ち向かい、その課題を乗り越え、さらに新たな課題に立ち向かうなど、はじめは見えていなかった課題に繰り返し立ち向かうことにより、課題の解像度を高め解決していく」となります。

そして、これらのプロセスを仕組み化し、地域や企業において、継続させることができる人を野武士クリエイターというようです。

(要注意❗️大いに意訳あり❗️)


【セッション1】

「琵琶湖の最北でひとりの人間と大企業が相見え、長年眠っていた5万平米の場が動き出した話」


琵琶湖の最北部に位置する長浜市は、平成の大合併で大きな一つの街ができたものの、北部と南部とは、経済や文化など、大きく異なるようです。

特に滋賀県では、長浜市も含め、「南高北低」と言われており、北部においては、特に人口減少が激しく経済も低迷しているようです。

このような状況において、野武士クリエイターは、どうして滋賀県の最北部にある長浜市に、それも、長浜市の北部に位置する旧伊香郡で活動しているのかというと、野武士クリエイターの地元であったことはあるものの、以前は盛んに行われていた「祭り」などが今は寂しい状態であり、街で楽しむことができる仕組みができていないと感じたからのようです。

街の子供達からは大人からの刷り込みもあってのことか、「何もない街」という認識をする子供達が多くいたことから、「何もない」ということは、逆に「何でもできる」というように、街のアセットは変わらないものの、視点を変えることにより、既存の街のアセットを新たな価値に転換できるとポジティブに捉えたようです。

そこで、始めたこととは、「ゲリラ炊飯」、出来立てのおにぎりを無料で振る舞うという超過激派❗️❓。

これは、滋賀県のお米のおいしさを伝えたいという思いから始まった企画であり、北部における生存戦略の一つとして取り組んでおり、他の地域においても取り組みをしているようです。

そして、長浜市にUターン後、8年をかけて進めてきた「ヤンマーディーゼル」の永原工場跡地の再利用の交渉がようやく実ったようであり、この永原工場は、農村工場と言われており、農業の閑散期には、冬の寒い中でも地元で収入を得ることができ、農業の繁忙期には、工場の仕事を休み農業をしても良いというように、この街に欠かせない存在であったこともあり、この工場跡地を有効活用することが生存戦略であるようです。

この永原工場跡地は、人を動かす「砦」であり、工場跡地には施設のみですが、何もないからこそ、新たな価値を創造できる野武士クリエイターのような人々にとってはやりがい、いや、生きがいとなる場所であり、この「砦」である工場跡地を磨く、つまりは、既存の街のアセットを新たな価値に転換するという取り組みが、街の人々を動かし、街を楽しむことができる仕組みとなるのではないかと思われます。

(「まるで〜、何でもかんでもできちゃう〜、エコシステムや〜❗️」っていうか、なんか最後のあたり、勝手に作文してない❓そんなこと言ってたっけ❗️)


【セッション2】

「大手企業組織内のしがらみを突破するためのデザインマネジメント」


リクルートとダイハツの野武士クリエイターの方々から組織内での野武士クリエイターの振る舞いについての説明がありました。


(リクルート)

はじめに、リクルートは、個人のライフイベント・ライフスタイルをサポートする事業と企業の業務や経営をサポートする事業に分かれており、これらの複数の事業を横断するマトリクス組織として、デザインマネジメント部門があり、フィロソフィを動かすデザインをしているようです。

はじめは、企業側においては、デザインが経営に役立つのかというように、疑問視されることがあったようであり、個人的にデザインの位置付けを高めるための取り組みをはじめたようです。

デザインの位置付けを高めるための同志を募り、月一回懇親会を開くなど、草の根活動的なことからはじめ、最終的には、クリエイターに適した組織を作り上げることができたようです。

クリエイターに適した組織を作り上げるためには、クリエイターにとって心理的安全性が担保されていること、主体性をサポートできること、主体性のある人材を採用することなど、一人だけではできず、人を動かすことができるトリガーが必要であり、その中でもコミュニケーションが重要となるようです。


(ダイハツ)

一方で、ダイハツの野武士クリエイターの方のミッションは、「未来の車をつくる」であり、先行デザインをしていたようですが、はじめは、任された組織において、クリエイターが自由に活動できるよう、ビジョンをつくることはせず、業務を進めていたようです。

そこでは、車をつくるつもりが、車ではなくなることもあり、「実用」よりも「好き」「ワクワク」を目指した超右脳集団であったようです。

しかし、クリエイターが多くなると、統制が取れなくなり、「クリエイターの能力やモチベーションを上げる」と「チームとして統制するためマネジメントをする」というトレードオフが生じるなど、組織をどのようにデザインするかが重要となったようです。

(こんな感じだったかな❓野武士クリエイターの方の濃いキャラクター「俺がコンペに出ると一人勝ちするので、他のクリエイターが育たない的な〜」というおもしろ話❓が頭にこびりつき、記憶が定かでは・・・。タントタントタントタント〜❗️タントもいいけど、タフトもね❗️)


【セッション3】

「多方面での野武士の台頭を支える、「砦」という鍵概念とは❓」


「砦」の概念を捉える上で、「城(本丸)」との関係性で捉えると、「砦」が良いところは、「砦」は「城(本丸)」を守る必要があるものの、「城(本丸)」のような規定に基づく仕事だけではなく、好きな仕事もできるということのようです。

「砦」は、野武士クリエイターにとって、仕事がしやすい環境であるものの、組織内で好きな仕事ができる環境をつくるためには、様々な仕事を一つ一つこなすことにより、デファクト化することが必要であるようです。

これをエフェクチュエーションの文脈で捉えると、自身が保有する手段(アセット)をもとに、損失が許容される範囲から取り組み始め、共感できるパートナーと連携することにより、イノベーションが創発されるというように、できることから一つ一つこなすことにより、デファクト化することで、共感する人々が集まることによって、新たな価値転換ができるなど、企業はもちろんのこと、地方においても共通して言える仕組みのようです。

一方で、これらの仕組みが標準化される、つまりはマネジメントされると、クリエイターの属人性が消されることにより、クリエイターにおける予測不可能性も消されることによって、イノベーションが創発されにくくなるようです。

クリエイターに必要である予測不可能性とは、今までとは異なるものを捉える、つまりは、問題発見することができる能力であり、一方で、組織において標準化されると、問題発見ではなく、組織の規定に基づき、問題解決することが重視されることとなるようです。

そして、「企業」でも「地域」でも「砦」をつくることはできますが、時間軸が異なることとなり、個人が重視される地域に対して、チームが重視される企業では、「砦」をつくるための時間を多く要することになる一方で、地域で「砦」をつくる上で、地域独自の文化や風習があるため、「砦」の仕組みを水平展開することは困難であるようです。

なお、「砦」はあくまでも「城(本丸)」とは異なり避難場所であり、安住する場所ではなく、入りやすく出やすいというような、流動性が許容される環境が「砦」であり、そのような環境が、野武士クリエイターをより活躍させるようです。

(セッションの内容をまとめていると、"言ってた"、"言ってなかった"、何が何かもうさっぱり・・・。でも、何となくそれっぽい感じになったよね❗️これって、私見超てんこ盛り❓)


【まとめ】

野武士クリエイターとは、「自身の信念や価値観に基づき社会変革を起こすことができる人」であり、ネガティブな状況であっても。ポジティブに転換できるマインドが必要となります。

地域における「砦」には、何もない場合であっても、新たな価値を創造できる野武士クリエイターが集まり、対話できる環境が整っていれば、街の人々が共感し、街の人々が動き、そして、街を楽しむことができる仕組みを創出することができます。

組織における「砦」には、クリエイターにおいて、心理的安全性が担保され、主体性をサポートできる体制が必要であるものの、組織化されることにより、マネジメントが必要となった場合、トレードオフが生じることとなるため、より一層積極的にコミュニケーションをする必要があります。

特に、組織における「砦」に関しては、小さな仕事であっても、一つ一つ業務をこなすなど、事実上の組織とすることができるよう、自ら「砦」となる環境を作る必要があり、「砦」は「城(本丸)」とは異なり、クリエイターが出入りしやすく流動性が担保された環境を作る必要があります。

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