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shift innovation #51 (QUINTBRIDGE hack 2)

今回、QUINTBRIDGEで「アイディエーション❗️Vol.2「大阪らしさ」をパンで伝えるには❓」というイベントに参加しました。


【QUINTBRIDGE】

「社会を変えたい思いと思いが、出会う場所。」

世の中をもっと良くしたい、と考える企業・スタートアップ・学生・自治体などが、立場にとらわれず交流するオープンイノベーション施設。

志を持つ会員同士が自由に共創し、実社会での活用をめざします。アイデアや技術、知見や課題を持ち寄り、それぞれの個性を活かし、あなたの想いをみんなの思いにしていきましょう。


【アイディエーション❗️Vol.2】

アイディエーションのテーマは「『大阪らしさ』をパンで伝えるには❓ 」です。

QUINTBRIDGE会員で「I LAB.」ゼミ卒業生の内藤さん(AZU CURRY)がテーマオーナーです。

また、今回はゼミのコミュニティから内藤さんとつながりが生まれた1946年創業の大阪を中心に展開し、懐かしくも新たしいパン屋として日々挑戦されているベーカリー、株式会社ダイヤさんをゲストにお招きして参加者の皆さんとアイディエーションを行います❗️


【AZU CURRY】

AZU CURRYの内藤さんは、食と健康をテーマに大阪のスパイスカレーの店舗を北新地に構えているようです。

スパイスは腸にも良く、便秘の方のお通じも良くなるようであり、また、大阪はアレンジすることが好きな気風があり、スパイスを調合しオリジナルカレーを開発し続けているようです。


【株式会社ダイヤ】

株式会社ダイヤさんは、日常に食してもらいたいパンを製造する「クックハウス」と百貨店でフルーツサンドウィチを販売する「ダイヤ製パン」があり、「ダイヤ製パン」はオシャレな雰囲気のようです。

「パンdeしあわせ」を企業理念とし、「大阪らしいパン」を大阪在住の人以外の方や海外の方に知ってもらい、全国区のパンにしたいという思いがあるようです。


【前回(shift innovation #50)】

前回、導出した「クリーム・カレーサンドウィッチ」は、「スパイスカレーは辛いものである」という固定観念(期待)に対して、固定観念(期待)とは異なる「甘いクリーム」と「辛いスパイスカレー」が融合したマイルドな味による「意外性」により「クセになる美味しさ」というアイデアとなります。

アイディエーションにおいて、固定観念を顕在化させ、そして、固定観念から脱却することにより、「意外性」による新たな機会を発見することによって、今までとは異なる新たなアイデアを導出することができるのではないかと考えます。


【前回「大阪らしいカレーパン」における固定観念の顕在化】

「スパイスカレーは辛いものである」ということは周知の事実であるものの、いつも意識しているものではありませんので、固定観念として顕在化するものではありません

ここで、「フルーツサンドウィッチ」のクリームは「甘い」ものであることを意識したことにより、意識していたスパイスカレーは、「甘い」の対極にある「辛い」ものであることから、「スパイスカレーは辛いものである」ということを想起できたことによって、固定観念が顕在化したものです。

ここでは、スパイスカレーを意識している中で、偶然「辛い」の対極にある「甘い」クリームという情報を入手したことにより、「スパイスカレーは辛いものである」という固定観念が顕在化しましたが、「甘い」クリームという情報が入手できなかった場合、「スパイスカレーは辛いものである」という固定観念が顕在化することはなかったのではないかと考えられます。


【新たな「大阪らしいカレーパン」】

今回は、固定観念(「スパイスカレーは辛いものである」)の対極となる情報がない場合、どのようにすれば、固定観念を顕在化させることができるのか、新たな「大阪らしいカレーパン」を検討する中で確認することとします。


【新たな「大阪らしいカレーパン」のコンセプト】

株式会社ダイヤさんにおいては、「大阪らしいカレーパンを開発したい」「株式会社ダリヤのパンを全国区のパンにしたい」というニーズがある中で、株式会社ダイヤさんは、全国初である「シュークリーム風、クリーム後入れクリームパン」を考案したように、「今までにない仕組みによるパンを考案したい」ということをインサイトとして捉えることとします。(勝手に・・・)

そこで、「シュークリーム風、クリーム後入れクリームパン」のように、「今までにない新たな仕組みによる大阪らしいカレーパンを考案する」というコンセプトを設定することとします。


【固定観念の顕在化・脱却における転移・反転・類推】

はじめに、「今までにない新たな仕組みによる大阪らしいカレーパンを考案する」というコンセプトに対して、「大阪らしい」とは、「大阪らしい食材を使用する」「大阪らしい笑えるような形や食材を使用する」と捉えることとしました。

そこで、「大阪らしい笑えるような形や食材を使用する」から「普通、カレーには入れないような食材を入れる」と捉えることにより、「普通入れるもの」から「普通入れないもの」へ反転することとなりました。

そして、「普通入れないもの」として、「コーラ」を想起したことにより、「食材」から「飲み物」へ転移することとなりました。

継続し検討する中で、「コーラ」から「お茶」、そして、「お茶の葉」を類推することにより、「お茶の葉」を「カレー」ではなく「パンの生地」に練り込むなど、「カレー」から「パンの生地」へ転移することとなりました。

これらの結果、「カレーを変える」という固定観念が顕在化すると共に固定観念から脱却することにより、「パン生地を変える」という新たな機会を想起することができました。


【固定観念顕在化・脱却における懐疑的思考・飛躍的思考】

はじめに、「大阪らしい笑えるような形や食材を使用する」から「普通、カレーには入れないような食材を入れる」と捉えたことにより、「普通入れるもの」から「普通入れないもの」へ反転したことによって、手詰まりの状態になりやすくなったのではないかと想定されます。

そして、「お茶」を連想したことにより、「カレー」と「お茶」の相性が良くないのではないかと思ったことによって、手詰まりの状態になったと想定されます。

その結果、「(本当に)カレーとお茶は相性が良いのか」と懐疑的思考となることにより、「カレー」と「お茶」は相性が良くないのではないかと思いました。

一方で、「パン生地」と「お茶」であれば相性が良いのではないかと思ったことから、飛躍的思考となることにより、「お茶の葉をカレーではなく、(一層のこと)、パンの生地に練り込む」というように、「カレー」から「パン生地」に転移することとなりました。

これらの結果、「カレーを変える」という固定観念が顕在化すると共に固定観念から脱却することにより、「パン生地を変える」という新たな機会を想起することができました。


【今までにない新たな仕組み】

「今までにない新たな仕組みによる大阪らしいカレーパンを考案する」というコンセプトにおける「新たな仕組み」として、「シュークリーム風、クリーム後入れクリームパン」の場合、例えば、抹茶クリーム、イチゴクリーム、チョコレートクリームなどをパンの中身を入れ替えることができる仕組みとして捉えることができます。(実際、そんな仕組みあるのかな・・・)

一方で、新たな大阪らしいカレーパンに関しては、「大阪らしい食材を練り込んだパン生地を使用したスパイスカレーパン」とすることにより、例えば、大阪らしい食材である「イチヂク」「温州みかん」「ブドウ」などを練り込んだパン生地で、サンドウィッチのようにスパイスカレーを挟みます

この仕組みであれば、パン生地に練り込む食材により、さまざまなバリエーションを作ることができ、お茶バージョンであれば、「抹茶」「ほうじ茶」「緑茶」などをパン生地に練り込むことができることとなります。


【まとめ】

今までと同じ事象を今までと同じ視点で捉えていては、今までと同じアイデアしか導出することができません。

例えば、カレーパンの「カレー」という今までと同じ事象を、今までと同じ「スパイス」の「辛さ」で捉えていては、「大阪らしいスパイスカレーパン」という今までと同じアイデアを導出することとなります。

一方で、今までと異なる事象を今までと異なる視点で捉えることにより、今までとは異なるアイデアを導出することができます。

例えば、カレーパンの「パン生地」という今までとは異なる事象を、今までとは異なる「フルーツ」の「甘さ」で捉えることにより、「大阪らしい食材を練り込んだパン生地で挟んだスパイスカレーサンドウィッチ」という今までとは異なるアイデアを導出することができます。


そこで、今までと異なる事象を今までとは異なる視点で捉えるためには、今まで捉えていた「カレー」という事象を「本当に」と懐疑的に捉えた(懐疑的思考)上で、「一層のこと」と飛躍的に捉える(飛躍的思考)ことにより、「パン生地」に大阪らしい食材を練り込むという、今までとは異なる視点で捉えることができることとなります。

そして、今まで捉えていた「カレー」という事象を「本当に」と懐疑的に捉える(懐疑的思考)ためには、「普通入れるもの」と「普通入れないもの」、「カレー」と「お茶」を比較するなど、二項が対立することにより、手詰まりの状態となることによって、「(本当に)カレーとお茶は相性が良いのか」というように、懐疑的に捉えることができると考えられます。

これらの結果、これらの結果、「カレーを変える」という固定観念が顕在化すると共に固定観念から脱却することにより、「パン生地を変える」という新たな機会を想起することができることとなります。


「思考プロセス」
⚫︎「『新たな仕組みによる大阪らしいカレーパン』とはどのようなカレーパンであるのか」
⚫︎「『新たな仕組み』『大阪らしい』『カレーパン』の定義が必要である」
⚫︎「大阪らしいとは、大阪産の食材を使用する」
⚫︎「笑えるような形や食材を使用する」
⚫︎「笑えるような食材とはどのような食材であるのか」
⚫︎「普通、カレーには入れないような食材を入れる」 反転 
⚫︎「例えば、どのような食材であるのか」

⚫︎「食材ではなくコーラというのはどうか」 転移
⚫︎「コーラを入れても違和感がない」
⚫︎「お茶を入れるというのはどうか」
⚫︎「お茶ではなくお茶の葉というのはどうか」 転移

⚫︎「(本当に)、お茶とカレーは相性が良いのか」 懐疑的思考
⚫︎「お茶の葉をカレーではなく、パンの生地に練り込むとどうなるのか」 転移
⚫︎「カレーを変えるのではなく、(一層のこと)、パンの生地を変えるというのはどうか」 飛躍的思考

⚫︎「パンの生地にお茶を練り込む、チョコレートを練り込む、みかんを練り込むなど」
⚫︎「フルーツシリーズというのはどうか」 類推
⚫︎「みかん・リンゴ・イチゴ・いちぢく・梨・レモン・桃など」
⚫︎「お茶シリーズというのはどうか」 類推 
⚫︎「抹茶・紅茶・緑茶・ほうじ茶など」
⚫︎「大阪らしいフルーツとしてイチヂク・温州みかん・ブドウなど、パンの生地に練り込む」 類推
⚫︎「イチヂク・温州みかん・ブドウなど、パンの生地に練り込んだパンの生地でサンドウィッチのようにスパイスカレーを挟む」

「飛躍的思考」「懐疑的思考」
懐疑的思考 「(本当に)、お茶とカレーは相性が良いのか」
飛躍的思考 「カレーを変えるのではなく、(一層のこと)、パン生地を変える」

「転移」「反転」「類推」
反転 「普通カレーに入れる食材」→「普通カレーに入れない食材」
転移 「食材(野菜)」→「飲み物(お茶)」
転移 「飲み物(お茶)」→「食材(お茶の葉)」
転移 「カレーを変える」→「パン生地を変える」
類推 「みかんの生地」→「フルーツの生地(みかん・リンゴ・イチゴなど)」
類推 「フルーツの生地」→「お茶の生地(抹茶・紅茶・緑茶など)」
類推 「全国」→「大阪(イチヂク・温州みかん・ブドウなど)」

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