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星野リゾートの競争戦略に感動した話
こんにちわ、事業を創る仕組みを創る会社OPT Incubateの齋藤です。
先ほど、星野さんの講演にて、競争戦略とは何か?星野流戦略とは何か?を拝見しとても学びが多く、以下を考えている方の参考になるのではと思い必死にタイピングしてます!
こんな方へ
・来期の戦略を考えている方へ
・競争優位性はあるのか?と問われている方へ
・模倣されることの本質を知りたい方へ
・星野リゾートの強さを知りたい方へ
はじめに、
”星野流”戦略の3STEP
生産性のフロンティアを達成する
トレードオフを伴う活動こそが競争優位の源泉になる
活動間にフィット感を生み出すことで強い競争優位性を生み出す
1.生産性のフロンティアを達成する
生産性のフロンティアとは何か?
星野さん「最低限のやるべきことをやる事、スタートラインに立つこと」
つまり、十分条件ではないが必要条件であるという。
生産性のフロンティアを達成しても持続的な競争優位性にはならない。
(星野リゾートの生産性フロンティア)
・青森では1年の間でホテルが圧倒的に足りない日がある
・ねぶた祭りの時である
・毎日ねぶたをすることを決めて伸びていった
・今では、青森の他のホテルでもねぶたが行われている
ねぶたを毎日やる事は競争優位性になっていたかというとNO。
生産性のフロンティアを見つけたと言える。
(OPT Incubateの生産性のフロンティア)
・新規事業立ち上げにおいて、アイディアには価値がなく、「実行」が重要であると考えている。
・企業内(特に大きな会社であればあるほど)での新規事業は「実行」が行えず苦戦している
・背景に、100億円を目指せるか?などの問いの中で、大きな絵がなければ通らず、絵を書くものの、
→最初の一歩、N=1をみつけられない
→また見つけたとしても小さいマーケットと判断され進めない
→進んでも小さく試せない(試すのにも時間がかかりすぎる)
→試すとやめられない、変えられない(変えるのも時間かかる)
というジレンマがあるように感じる
・また、上記領域を支援をしているコンサルティング会社や制作会社は、単独では「実行」を行いきれない。両方のアセットが必要であるが分断されている。人月商売をしているので、期間を延ばす、開発工数を増やす事で収益を高める事ができる業界であり、「実行」からかけ離れてしまう
・そこで我々は、アイディアがあればリーンにトライする立ち上げ手法を駆使し、従来の長期化する仮説検証支援を短期で実行し試行錯誤するプランに変更することで、事業立ち上げの成功確度を最大化することに挑戦をしている
・我々の生産性のフロンティアは「アイディアを具体化する、仮説設計をするを素早くまとめられる仕組みと、プロダクトのプロトタイプを素早く構築できるPocone(開発の仕組み)」を保有していることである。
2.トレードオフを伴う活動こそが競争優位の源泉になる
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トレードオフを伴わない活動は真似されやすい。
良いアイディアでもすぐに模倣され、
業績は単にコスト削減によってのみ決定されることになる。
星野リゾートのトレードオフ
運営特化 ⇔ 所有&運営
サービスチーム ⇔ 分業型チーム
ブランディング ⇔ 独立型ブランド
日本旅館メソッド ⇔ 西洋ホテルメソッド
フラットな組織 ⇔ 伝統的な組織
OPT Incubateのトレードオフ
オープン ⇔ ブラックボックス
共創 ⇔ 自社完結
価値に対する対価 ⇔ 人月に対する対価
‐成果(事業成功) ⇔ アウトプット/工数
‐成果(試行錯誤数) ⇔ アウトプット/工数
‐成果(事業化) ⇔ アウトプット/工数
商品・ソリューション ⇔ 課題解決
仕組化・タスク化 ⇔ 属人化
フラットな組織 ⇔ 階層のある組織
フルスタック人財 ⇔ 領域特化
サービス特化 ⇔ 業界特化
3.活動間にフィット感を生み出すことで強い競争優位性を生み出す(完全に真似るか完全に真逆をいかないと生存できない)
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運営特化する=成長のスピード=ブランディングに貢献する
お互いがお互いを補完する状態を創る事で、競合が星野リゾートをマネするなら全部をマネしないと同じ効果がでない環境を創る事こそ競争の源泉に
星野さんは、教科書を徹底的に実行すると話されている。
・マイケルポーターの競争戦略
・ケンブランチャードの1分間エンパワーメント
新規事業立ち上げにおいて、競争優位性はあるのか?という問いがある。大抵の場合(大企業での新規事業の場合)、ブランド(信頼・安心)や顧客、取引先となるケースが多く、技術や特許があれば嬉しいし創りたい。
強い競争優位性は、「1つの要素から成立させる」という考えから、トレードオフを要する要素にフォーカスし、互いに補完する状態をすることで、強い競争優位性を構築できる
と私は理解した。
”星野流”組織文化の形成
”星野流”フラットな組織文化の形成
経営者に求められることが変わってきた
昔は、やる気は社員が作るものであり社員の責任
今は、やる気がない社員がいるのは経営者の責任
経営者はエンパワーメントを最大化することであると
その中で、如何にフラットな組織を創るか?を重要視し、
その一つの施策として、経営情報・議論の公開をしているとのこと
フラットであるからこそ、社長室はなく、飛行機もエコノミークラス、
ビジネスクラスにしたい人は20%を実費で払うというルールに
また、社員教育についての考えが以下であった。
個人の新たな能力を開発することを辞め、
個人の能力を最大限発揮する、継続することにフォーカスする
新たな能力をつけたい社員には機会を提供する
「会社は学校じゃない」教育機関ではないとも捉えられる一方、
仏教の世界を会社に当てはめた際、「修行の場」とする考えもある。
会社は社会に貢献し利益を出す事が求められている。
社会に貢献するために、自身の強み、チームの強み、会社の強みを最大限活かし、最大出力で成し遂げていきたい。
一人一人強みが異なり、誰一人同じ人はおらず、その人にはその人の良さがある。
もちろん、過去の経験によるスキルの差はあるにしろ、その人の強みが最大限活きる環境を提供し、自立した人間の集合体でいたいと思う。その点では、星野さんの社員教育に対する考え方は近いものを感じた。