なぜTop Tier Venture CapitalはTop Tierであり続けられるのか?
前回のNoteでは「Top Tier VCがどのようなスタートアップに投資しているかを観察することで、次のユニコーン・IPO企業となり世界を変革するであろうスタートアップが見えてくるのではないだろうか」と締めくくった。
Top Tier VCの顔ぶれって変わらないの?
という疑問が湧いた方も多いかもしれません。
答えは「Top Tier VCの顔ぶれは変わらない」です。
(もちろん例外はあります)
実際の投資パフォーマンスでも証明されてますが、自身の肌感をうまく説明している記事を引用します。
YALE INSIGHTS:
For Top Venture Capital Firms, Success Breeds Success
( 成功が成功を生むトップ・ベンチャーキャピタル)
イェール大学SOMのオラフ・ソーレンソン教授の解説の要点は以下の通りです。
スタートアップ投資の成功の鍵は、成功する可能性の高いスタートアップのディールにアクセスできること
成功する可能性のあるスタートアップに出会うことがあるが、問題はほとんどのVCが実際に投資ができないこと
そのようなスタートアップの創業者は非常に高い評判があるVCからの投資を求めているから
Top Tier VCは有望なスタートアップに投資し続けることができるので、Top Tier VCがTop Tier VCでい続けられる
実際にベンチャーキャピタル(VC/CVC)で投資をやっていた人であれば強く共感されるでしょう。有望なスタートアップの資金調達ラウンドの情報すら回ってこないし、情報を手に入れたとしても投資枠があてがわれることは殆どない。
実績も評判もないVC/CVC、しかもシリコンバレーの外者の日本人が割り込む余地はほぼありません。
10の投資のうち、1つ、2つが成功するぐらいの確率のベンチャーキャピタル業界で、成功する可能性が高い有望なスタートアップに投資する機会がないのは死活問題です。
これはよく議論される話題です。
しかし、実際はTop Tier VCは低リスクで不透明性が低くなるよう
シンジケートを組んで良いディールを回し合う
既に成長したスタートアップ(Later Stage)に大きな金額も投資する
から、成功確率が高いとも言われます。
良いディールにアクセスできることで持続性が生まれているわけです。
では、なぜTop Tier VCは非常に高い評判を獲得できたのでしょうか?
答えは、いくつかの大成功した投資を実行したことで評判を得られたからです。有望なスタートアップに投資する機会は得られない場合、結局は非常にリスクの高いディールに投資して成功し、評判を得るしかないのです。
それを実際に体現したのが今のTop Tier VCであるため、やはり「Top Tier VCがどのようなスタートアップに投資しているかを観察することで、次のユニコーン・IPO企業となり世界を変革するであろうスタートアップが見えてくるのではないだろうか」というのは確率的にも論理的にもアプローチとしては正しい打ち手だということが理解頂けたのではないでしょうか
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