2:02 am 布団の中で、葛藤していた。 ふう、年齢とともに眠りが浅くなる。いや、昔からそうだったかも。 目覚めるときは、いつも同じような時間だ。 手で首回りの汗を拭った。 昼間、職場で暴走したからだろうか。 「言葉」の暴走だ。思ったことを、言い切ってしまうことがたまにあるんだ。誰それかまわずに。 定期的に、ね。 この波を未だにつかめないでいる。情けないな。 いつ、この暴走ウィークがやってくるのか分からない。 言ってることは、別に過激なことじゃないんだ。普通の意見だ
久しぶりにnoteを開いた。 やあ、久しぶり。 なにしてたんだよ、だいぶご無沙汰だな。 退屈な毎日にやられて 自分に毒盛るような考えで頭を一杯にしてたら 本当に、調子崩したんだよ。 なんだよそれ。カッコ悪い。 自分にとって、「つまらない」というのは、 半端なくシンドイことなんだ。 心が震えるような、なにか。 忘れたくないと思うような、なにか。 ここに書きたくなるような、なにか。 そのなにかが、ずっとなかったんだ。 あったかもしれない、いや、間違いなくあったはずだ
馴染みのない街で、カフェを探していた。 待ち合わせに、早く着きすぎてしまったのだ。 「××電気店焙煎所」 Googleマップは、ここが一番近いカフェだと示す。 はて、電気店なのか?コーヒー屋なのか? 不思議に思いながら店に近づくと、若いカップルがちょうど入って行くところだった。 中をのぞいてみると、明るくて、感じがいい。 レジの前に、これでもかと、いろんな食べ物が並んでいるのが見える。 クッキーやチョコレートだけではなく、レジ前商品にしては、大きすぎる食パンまで。
三半規管が弱いのだろうか。 新幹線に乗ると、大概、耳がつまる。 子どものころは飛行機に乗ると、耳が痛くて、静かに泣いていた。 あめ玉とか唾を飲み込むとか、そんなもんじゃ効かないんだ、あれは。 東京駅を出発し、しばらくすると、だんだんと耳に圧を感じ始める。 ちょうど、そのあたりで、右手にカラフルな家が並ぶ様子が見えてくるんだ。 知ってる人もいるかな。 パステルカラーの黄色や水色の壁に、赤や緑色の屋根。高台にならぶ、色とりどりの家。 あの住宅街はいつ、どんな理由でできたの
まるで、他人が話しているのを、側から眺めているかのようだった。 自分の前に、漫画みたいな吹き出しすら見える。 …… 窓の外には、珍しくグレイの雲が低く垂れ込めるのが見えた。 久しぶりに雨が降るようだ。 オフィス街のショッピングモールにある、その和食レストランは、昼時を迎えてかなり混んでいた。 東京のど真ん中ならではの価格だが、ボリュームがあるし、料理のあしらいもきれいなので、人気がある店だ。 「本日の定食を二つください。お魚の方を。」 「私はお肉にします。」 よう
ジェリー・ロペス Gerry Lopez 名前は、聞いたことがあった。 あとは、サーファー界のレジェンドということは知っていたくらい。 YouTubeで、彼の半生を描いたフィルムが無料で公開されているよ、とにかく観てごらんよと言われて、めずらしく素直にその提案にのっかり、昨夜、観たところだ。 『The Yin and Yaing of Gerry Lopez ジェリー・ロペスの陰と陽』 パタゴニアフィルムズ 2022 このドキュメンタリー映画、気に入った。 久しぶり
長い休みに入った。 文字通りのゴールデンなウィークだ。 日本は、明日から休みなんだって? 祝日がたくさんあって、いいよね 海外からメッセージが飛んでくる。 おいおい、きみたちだって、つい最近までイースター休暇だったじゃない。 日本は、こんなにたくさんの祝日があるのに、なんでいつも忙しい感じがするんだろう。 腹が立つというより、純粋に、不思議だ。 祝日がある分、仕事が集中するからかな? いいや、違うだろう。 だって、自分は、そんなにたくさんの仕事をかかえているわけではな
なんにも確からしさのないこの世の中で、 確かなことって、なんだろうか? 自分だよ と言いたいけれど、まだそんな自信はないや。 小学生のときに、夢中になって読んだ本や、教室の窓の外に見えた椎の木や、講堂でみんなで見た映画や、初めて聴いたバッハの楽曲や、 今でも昨日のことのように思い出すことができるあの瞬間、私は、なにと繋がっていたんだろうと思う。一体なにを見ていたんだろう。 あの瞬間の私のほうが、未来みたいだ。 今、自分のアパートの窓からは、まあまあ大きくてきれいな
いったいどんな人が、どんな理由で、 わざわざ休みの日の朝に、オープン前の百貨店に並ぶのだろうと、長い間、疑問に思っていた。 いや、しかし、 今日、ついに、自分の番が来てしまったんだ。 理由は、シンプルだった。 海外から遊びにきた友人が、ランチしようと声をかけてくれたのだ。 その指定されたお店が、新宿の百貨店にある小籠包が有名な店だった。 中華ならば、世界中にあるだろう、 とちょっと思ったけど。 しかも聞けばこの店は、オープンして何年も経つけど、未だに大人気で、並ぶの
自分は、所謂、本好きとまでは言えないけど、 やっぱりブックカルチャーには興味がある。 三つだけ、気に入ってる本屋の話しをしたい。 一つは、前住んでいた街にあった本屋で、 残念ながら、今はもうない。 店は狭いし、限られた本しかないんだけど、その品揃えがすごいんだ。 各コーナーに対して思い入れがあり、プロフェッショナルだった。 店員は、皆、アーチストや学芸員みたいな雰囲気で、服装からしてお洒落だった。グレーのベストに紫のタイをしたり、洒落たツイードのスーツだったり、個
今年は、秋が長いのだろうか。 そもそも、今は、秋なのだろうか。 秋は、なんていうか、もう少しキュンとする季節ではなかっただろうか。 なんだか、いろいろな意味で「鈍い」気がする。 駅前ロータリーの街路樹は、真っ赤に色付いた葉をここしばらくぶら下げている。なかなか落ちる気配もない。 気候だけじゃなくて、 私の感覚も、どこか、鈍いな なんて思いながら、駅前のスーパーに寄って、小魚の干物を買った。 これと、少しのお酒があれば、十分満足なディナーになる、とホクホクした。 お
相変わらずだ、この空の色 立ち止まって、空を見上げた。 建物と、空の境目が分からないような色合い。 このところ特に、だ。 灰色がかった水色、というのかな。 吸い込まれそうな青い空というけど、 こんな灰色の空の方が、本当に吸い込まれたら、果てしなく「無」なんじゃないだろうか。 この国の空は、いつも、 いろんなものを吸い込んでいるようだ。 前方からたくさんの人が歩いてくるけれど、 なんていうか、皆んな、風景に溶け込んでいる。 人がたくさんいるのに、圧がない。 何とな
二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し Mumは、紅茶を飲みながら、私に語りかける。 ここには、来たいときにいつでも来ていいのよ。 あと、家族に何でも好きなものを持って帰ってあげて。何でも。 さあ、選んできて。 と、促された。 全く迷うこともなく、私は、家族への贈り物を三つ目の前に揃えた。 父へは、古い素敵な置時計を、 母には、庭で友だちになった仔鹿を、 姉には、トマト色の木製のパズルを、 選んであげた。 私は満足していた。
二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し その白い木造の家は、中も白が基調だった。 床は濃いマホガニーで、落ち着いたよい色だ。 長い廊下に、えんじ色の絨毯が敷いてある。そのせいか、ますます、廊下が長くて見えた。廊下沿いの壁には、幾つか、感じのよい絵が飾られていた。 重くもなく、軽くもない、草花や人物の洒落たデッサンだった。 廊下の左側にあるリビングには、古いけど、焦茶のいい革のソファが置かれている。 テーブルには読みかけの本が何冊か積ま
二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し 「いつも同じ服着てるよな」 同じクラスの男の子が、私に向かって言ってきた。 言われてちょっとびっくりした。 そうだったんだ、私。同じ服着てるんだ、と。 確かに、セーターとスカートをいつも同じ組み合わせで、二、三セットを順番に着ていた。 ちゃんとした質のものだったには違わないが、他に着る服が無かったわけでもないのに。 そのころ、姉は、中学受験勉強の真っ只中だった。 姉が通う地元の小学校では、
二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し いつから、この感覚あったんだろうか。 落ち着かない、そして、閉塞感。 とりあえず、その暗い場所に、自分はじいっと座ってみた。 少しすると、 自分が、落ち着かないと感じていた感覚は、 なにか、黒い気体のように、映像として脳裏に浮かんできた。 そして、その黒い気体はボワボワと動きながら、名前を名乗ったんだ。 『どうも、ワタシが不安です。 中々気づいてくれないから、でてきましたよ。』 もちろん