(飲食店向け)ユーザビリティチェック
コロナによる外出制限で、飲食店の方は大変な日々を過ごしていると思います。制限とはいえ、お店を掃除したり、この機会に今何かできることはないか色々と考えている方も多いと思います。
そんな方に向けて、大掃除とあわせて私からのご提案。ホームページや広告、実店舗での案内などをこの機会に見直してみませんか?飲食店における「ユーザビリティチェック」10項目ほどをご紹介します。
※ここでいうユーザビリティとはwebの世界でさかんに使われている用法ではなく、もっと本来の意味「使いやすさ」という意味で(個人的には「分かりやすさの意味も含めて)昔から使っています。
**
【広告表現的、ユーザビリティ(分かりやすさ/使いやすさ)チェック】
<webサイトにおける表記チェック>
1)電話番号/URLは「半角英数」になっていますか?(全角はコピペしてもヒットしません。クリックしても電話かかりません)
2)店名の表記は統一されていますか?(掲載するサイト、媒体によって名前が漢字だったりひらがなだったり、英語が大文字だったり小文字だったり、スペースが半角か全角で揺れていたりすると、違う店舗として扱われているかもしれません) 検索件数やアクセス数も分散すると勿体ないです。
3)珍しい店名で、読み方を間違えられたことがあるならば、振り仮名をふってありますか?(併記するのが難しい場合は、なるべくページの先頭に表記しておきましょう。)
4)「住所」は郵便番号も一緒に表記していますか?(何か発送してくれるお客さんに、わざわざ郵便番号を調べさせていませんか?)
5)ブログなどであなたの街のことを書く時に「●●県(〇〇市)」を省略していないですか?(県外の人、観光客の人にとってその地名をはじめて聞くかもしれません)
ひとくちにwebサイトといっても、自社のホームページもあれば、食べログ、Google Mapなど他社のサイトで紹介されることも多いと思います。表現が統一されていないことで惜しい取りこぼしをしているかもしれません。
次に、<リアル店舗でのユーザビリティチェック>
6)店の外から「営業時間」が分かるようになっていますか?(せっかく深夜まで営業してるのに「もう閉店してる」と思われていませんか?)
7)テーブル周りに店名(ロゴ)の書かれたモノが置いてありますか?(撮影してインスタに載せるために探しているかもしれません)意外とお店の中には店名の書かれたものが無いお店って多いですね。
8)テーブルのメニューにも「住所」「電話番号」「営業時間(ラストオーダー)」「定休日」が書かれていますか?
(道に迷ってる友達にすぐ住所を教えることができます。タクシーを呼ぶ時にも便利です。ラストオーダーの時間で驚かせてしまう回数が減ります。遅くまで営業していることが分かれば次回から飲み会の候補店になるかも。日曜も営業していることを初めて知ってもらえるかも)
9)オーダー後もメニューは下げずに置いてありますか?(料理を待っている間にメニューを見ながら、もう次回来たときに食べたいものを探してくれるかもしれません。オーダーしていなかったデザートを追加注文してくれるかもしれまません。)
10)「本日のおすすめ」は小さな黒板だけじゃなく、テーブルに置くメニューにも書いてありますか?(すべてのお客さんが店内をキョロキョロ見渡して黒板に気づいてくれるとは限りません。レジ脇に貼った「冷やし中華はじめました」のポスターに気づいてもらえず、熱いラーメン注文させてませんか?)
以上、主な10項目をざっと挙げてみました。必ずしも全てのお店にとって正解ではありませんが「自分がお客さんのとき、同じこと思ったことある!」というのがあるかもしれません。お客さんの動線設計を見直す機会になってくれればと思います。
※私はふだん広告デザインを主にやっていますが、特に気にしているのがこうした「分かりやすさ/使いやすさ」です。「ユーザビリティ」とはwebサイト用語に聞こえるかもしれませんが、私はもっと大きな意味で使っています。「誰でも分かる表現か?」「違う意味に取る人いないか?」「解説書がなくても使えるか?」という自問自答を一日何十回とやりながら表現方法を考えています。日常的に飲食店やサービスを利用した際に気づいたこと、こうすればいいのに!というアイデアを趣味のように書き溜めています。今回はその中からいくつかご紹介してみました。
今後は飲食業界に限らず、さまざまサービスにおいて広告表現やサイン、接客応対のユーザビリティ改善の仕事をたくさんやっていきたいと思っています。そしてユーザビリティ視点の普及によって、社会がもっと優しく変わっていけばいいなと思っています。
ご興味あればぜひメッセージください。はやく平穏な日々が訪れて飲食業界に活気が戻りますように。