人混みのなかで。
「人身事故発生のため、ダイヤ乱れが発生しています」
そんなアナウンスが何度も繰り返される。車両内は隙間を見つけるのが難しいくらい人で詰まっている。
これを逃したら次の電車をどれだけ待つのか。
今、この車両にいる人は皆んな同じ考えでこの乗っているのだろう。僕もそのひとりではある。
こんな状況でも次々とこの電車を逃さまいと飛び乗って来る。その度に押し寄せる人の波。
僕の横には、塾帰りだろう小学生が大人に埋もれながらも電車に乗れたことを親に電話をしている。
手すりを掴む必要がないほど詰まりに詰まった状態でもう15分は経っただろうか。だが不思議とこうしてスマホは打てる余裕だけはある。
暖房と人の熱気で車内はサウナのようだ。厚手のコートが鬱陶しく思いながら一向に発車する希望は持てないでいる。
あと、どれだけ待つのだろう。
更に打ち寄せる人の波。
もうこれ以上スマホをいじれそうにないので、このあたりで終わりにしよ。