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プロジェクトXのホテルニュージャパン事件をみて

プロジェクトXは新プロジェクトXという形で最近リニューアルされ、非常に興味深い番組で最近ハマっている。私が視聴した回はホテルニュージャパン事件で旧プロジェクトXのコンテンツだったが考えさせられるものだった。

ホテルニュージャパン事件は最悪の火災事件と言われている。多数の死者が出た。

直接の原因はイギリス人客のタバコの不始末だったが、ここまで被害が大きくなったのは横井社長の杜撰な管理によるものだ。

普通の高層ビルは耐火性素材を利用しており火が部屋だけにとどまるケースが多い一方ニュージャパンは、部屋間に穴に空いたブロックがあり火が伝達しやすい。また加湿器を止めており非常に部屋が乾燥している。

そしてスプリンクラーは機能しなかった。東京消防庁が事件の2ヶ月前に点検をしているがスプリンクラーが取り付けられておらず、改善命令を出した。横井はスプリンクラーを取り付けたのだがハリボテだった。

またホテルが迷路状となっており非常に脱出しにくい構造であることも加担した。

何より横井の考え方が金中心であり異常であると感じた。火災発生時に連絡を受けた際、まず高価な家具を外に出せと命令したそうだ。一日に何千という命を預かっている身として常軌を逸した考え方だ。

東京消防庁はあまりの火の燃え広がりに第四出場の命令を出した。第四出場とは東京23区の消防車を全て出すということだ。あまりに酷い被害だということがわかる。

番組の主役となる東京消防庁の救助精鋭部隊メンバーは梯子車で近づけない燃え盛る部屋に屋上からアプローチし飛び込んだ。

その中で救出に入るには危険だが、部屋の奥に取り残されている人がいると連絡を受けた。フラッシュオーバー(小爆発)が起こる可能性が高いが、隊長はここで助けないと一生悔いが残ると判断し飛び込んだ。

フラッシュオーバーが発生し窓を突き破る。大火傷を負ったものの何とか救助者を助けた。

隊長はこう語る。火災現場は極限の状態で、心から信頼できるメンバーでないと命と引き換えになるロープを預けられない。

結果的に66名救助されたが33名が亡くなった。

メンバーは隊長が入院する病院にきたが隊長はすぐに家に帰って身体を休めろ。自分だけこんなところにいて申し訳ないと。何と心意気で仲間思いで自己犠牲のできる熱いリーダーなのだろうか。信頼を集める理由が分かった。

彼らはこう語る。チームで組まないと大きな災害には向かっていけない。亡くなった方の死を無駄にしないように日々準備をする。

私がここから学んだことは、リーダーとは周りに信頼できる人間がいるからこそ成り立つものだ。そうなるためには、リーダーがまず周りを信頼する必要がある。そして信頼されるためにも努力や時には自己犠牲を惜しんではならないと思う。ハードワークが大事だ。

最後に横井の禁錮3年は短すぎるだろう。実際問題彼の考え方が多くの尊い命を奪ったのにもかかわらず、罪状の程度が低すぎる。

人間は過ちを繰り返すものだし歴史は繰り返すものだ。何とかこの事件が後世に生かされていて欲しいと感じた。

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