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今日と明日のはざま

1日の中で一番好きな時間がある。

それは、今日と明日の間の時間だ。
と言っても、日付が変わる時間というわけではなく、大体1時から3時くらいの時間がとても好きだ。

朝が来るのが早い季節は、もうこの時間から朝に近づく気配がする。
空気の香り、澄み方、月の輝き方、虫達の鳴き方、植物の気配。

その全てが、新しい1日を迎えるために準備をしている気がする。
そんな時間がとても好きだから、ついつい夜更かしをしてしまう。

朝焼けの時間も好きなんだけど、その時間に起きていると、寝不足が確定してしまうので、とても辛いことがその時点で分かってしまうからあまり好きではないのだ。

よく考えると、僕は「間」が好きだ。
好きな色は紺色だし、甘辛い食べ物が好きだし、音楽も間がある曲が好きだったりするし。
単純作業よりも、マルチタスクをこなしている方が、満足度も高い。
人間だって「間」って字が入ってる。
はっきりしたものよりも、ちょっとまどろんでるというか、どっちつかずくらいの方が好きだったりする。

世の中は陰と陽があるように、その境目は必ずある。
多分、その境目が好きなんだと思う。
それぞれを補完しているからこそ、バランスが取れるんだと思う。

車の運転は一番ブレーキに神経を注ぐ。
ブレーキは一度で止まろうと思うと体に負荷が掛かる。
綺麗にスッと止まるためには、ある程度ブレーキを小出しに踏んで、完全に止まるための準備が必要なのだ。

感情だってそうだ。
相反する感情があるからこそ、感情の波が出来る。
ずっと幸せだったら、幸せの波は緩くなる。
悲しい事や辛い事があるからこそ、嬉しさの波が高くなる。
つまり、それぞれの境目、間のようなものがあるからこそ、人間は人生に飽きずに生きていけるのではないかと思う。

僕が香水が好きなのも、それに起因している気がする。
最近読んだ小説に「香りは再起動のスイッチ」と書いてあった。

出かける前に香水をつけ、好きな香りを身に纏うと、スイッチが入る気がする。
さあ出かけようという気分になる。
反対に寝る前にいい香りのハンドクリームを塗ると、さあ寝る合図だよという感じで、とても良い眠りにつける気がする。

今年から、毎年何か一つは新しいチャレンジをしようと決めた。
今年は春先からピラティスに通っている。
チャレンジすることは、新しい自分に出会うチャンスだと思う。
同時に、昔の自分を再発見する機会にもなる。

ピラティスは主に呼吸を意識しながら、マシーンで体幹を鍛えていく。
自分の体の変化を実感しながら、今までの歪んだ体を治していく。
その過程で、そういえば昔から身体のこの部分が固かったなとか、ここをよく怪我していたとかそんな感じで、思いがけず過去の自分を再発見できたりする。
新しい自分に出会うのと同時に、過去の自分と向き合える事は何だか二重の得をした気分になる。

毎年秋から冬は寒くなるにつれて何だか少し寂しくなる。
でも、何だか今年はワクワクしている自分がいる。寒くなり、日没も早くなるけど、反対に朝は早く来るし、寒いとコーヒーもきっと美味しいだろう。
特に寒いと深煎りがとても美味しい。
新しいニットも買おう。肌触りの良いやつを。

四季を感じながら、表面だけではなく、反対側も見ながら、切り替わる「間」の時間を楽しみながら、これからの季節を楽しんでいきたいと思う。

今日もいい1日になりますように。
感謝を込めて。

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