オーディオビジュアル環境の話②
下図にまとめた筆者のオーディオビジュアル環境を紹介します。
⑥USB DAC:2022年12月:4万
CREATIVE社の据置型ヘッドフォンアンプ兼USB DAC、Sound BLASTER X5です。Logicool Astro MixAmpのようなゲーミングアンプをガチめのヘッドフォンアンプ構成で作り、さらにBluetooth送信やマイク入力などの付加機能を盛っているためやれることが非常に多いです。私はゲーム音声とチャット音声のミックス、イコライザー、4.4mmバランス出力、後述のワイヤレスアダプターを利用したBluetooth送信を多用しています。
まず電源も兼ねてPCとUSB接続されており、専用アプリを通じて主に音の調整を行えます。PS5とSwitchはテレビからの光端子接続しており、PCの音もゲーム機からの音も調整できるようにしています。
ここから有線ヘッドフォン・サウンドバーに直接出力できるほか、Bluetoothアダプターを通じてワイヤレスヘッドフォン・イヤホンに出力できます。
単純な音楽鑑賞、友人と通話しながらのゲーム、ラジオの野球中継を流しながらの家事等々、自宅内の全てのシチュエーションに最適な視聴環境を構築できるめちゃめちゃ有能なデバイスですが、結構クセもあり、ネット上の評判は微妙です。
特にRCA入出力(昔のゲーム機の赤と白の線みたいなやつ)の動作が不安定なようで、RCA接続でPCスピーカー等に接続しながらヘッドフォン端子を使用したり、光接続でテレビ用のサウンドバーに接続したりすると音が消えたり割れたりします。再起動等で改善するのですが、接続によっては既存デバイスと食い合わせが悪く、思った通りの挙動ができない可能性があります。私もサウンドバーにRCA接続した際の挙動が安定せず、光端子出力に切り替えました。また専用アプリも全体的にモッサリしており、別のアプリやプログラムの起動等で再起動し始めたりフリーズしたりします。
あとは外部電源ではないため、USB-Cの接続先(PCorコンソール)が起動していないと動かないのも人によってはネックになるでしょう。
上記のように万人にオススメはできないのですが、現状筆者の環境には欠かせないデバイスなのは確か。アンプのくせに驚くほど発熱せず、クセさえ把握すれば特にストレスも感じずに使用できるので、RCA接続を使わなければ一考の余地ありです。
⑦Bluetoothアダプター:2022年2月:(イヤホンセット4万)
Senheiser MOMENTUM True Wiress 3というワイヤレスイヤホンとセットで購入したBluetoothアダプターBTD600です。USB typeA または typeC 接続できaptX adaptiveという低遅延・高音質コーデックでの送信を可能にします。
正直ニッチなデバイスで、イヤホン側とセットで運用することで、ワイヤレスで音質にこだわりたい層、特にAAC接続しかできないiPad、Macbookユーザーならさらに刺さる、のかなぁ、という代物。高音質コーデックでいえばXperiaのほかちょいちょいAndroidスマホに採用されているLDACの方がメジャーな気がするし、低遅延も専用ドングルを備えたゲーミング系のイヤホンがあるし、そもそも音質とか遅延とかは有線でやったほうが費用対効果が高い世界。実質タダみたいなもんでなければ買っていなかったデバイスです。
しかし前述のSound Blaster X5が、Bluetoothについてはあまり品質のよくないSBC接続しかできないところ、背面USBポートからBTD600でaptX adaptive出力できたため、音ゲーやFPSでなければワイヤレスでも全然OKな環境になりました。ただLE audioなどBluetooth環境はちょうど過渡期に来ていると思いますし、ヘッドフォンやイヤホン等の受信側の対応具合次第でもあるため、やはり現状オススメできるデバイスではありません。
⑧サウンドバー(PC用):2023年6月:0.9万円
Amazonにありがちな謎のメーカー、Funlogy社のFunlogy Sound 3。私はテレビとモニターが直角に配置されており、メインとなるスピーカーシステムはテレビを正面として配置しています。そのためPC作業をしながらスピーカーでBGM等を流すとめちゃめちゃ右側から聴こえる状態になっていました。有線ヘッドフォンやワイヤレスイヤホンで代替することは可能ですが、まあ何も耳に付けないのが一番楽ではあるので、PC作業用の簡易なスピーカーを検討し1万円を切る本製品を購入しました。
購入1台目が左反面から全く音がしない不良品だったので、インドのコールセンターを覚悟しながらメーカーサポートに連絡したところ、日本人に丁寧に対応され、3-4日で無事不良のない交換品が届きました。
デフォルト・映画・音楽の3つのEQがあり、うち2つは全く話にならない音質(音が二重になりすんごいガシャガシャする)だったのですが、「音楽」だけは普通に使えるものでした。他にいくらでも良い環境が手元にあるため、これで音楽や動画を楽しもうとはなりませんが、1万円以下なので全然満足しています。多分、ラジオの野球実況かゆっくり解説で再生ソースの99%を占めているはずです。
数多くのインフルエンサーが行っているように、モニターの左右にaudioengineなどのオシャレなPCスピーカーを設置したい欲求はあります。しかしモニターアームを動かす際に邪魔だろうし、デスクスペース的にもコンパクトなサウンドバーにしたのは我ながら賢明な判断だったと思います。
⑨有線ヘッドフォン:2021年2月:2.0万円
SenheiserのHD599 SEは2016年に発売されたHD599のamazonカラー(ブラック)バージョンです。4.4mmバランス接続ケーブルを別途購入し、USB-DACに繋いで運用しています。本機は開放型ヘッドフォンの入門機として本当に各所で紹介されきっており、定番デバイスと言って差し支えないと思います。音質は低音もズンズンしないし、高音もそこまでクッキリしていない印象ですが、だからこそ耳が疲れたり頭が痛くなったりしません。さらに250gと軽量かつ側圧(左右からの締め付け感)も緩いので、文字通りずっと着けていられるヘッドフォンだと思います。FPSで足音を聞くにも不自由なく、何より長時間使用に向いた設計であるためヘッドフォン派のゲーマーにもおすすめです。定価は2.8万ですが、Amazonセールの度に1.5-1.8万円になっています。
⑩ワイヤレススピーカーセット:2021年11月:9.9万円
ONKYOがクラウドファンディングで受注生産したワイヤレススピーカーセット、SOUND SPHERE(サウンドスフィア)5.1chです。音楽鑑賞より映画・ドラマ・ゲームの方が圧倒的に多い筆者のメインオーディオ環境になります。スピーカー5台にウーファー1台(+ワイヤレス送信機1台)で10万円は格安の廉価グレードと言って差し支えありません。とはいえサラウンド環境において基本的に「戦いは数」です。多くのサウンドバーが壁や天井の反響を利用したバーチャルサラウンド機能を付与していますが、スピーカー実体に勝るものはないでしょう。
本機の特長はリアルサラウンド環境の弱点である「配線」問題を解消している点にあります。「WiSA(ワイサ)」とかいう聞いたことのないオーディオ規格を用いて通信しており、スピーカー間やAVアンプへの有線接続がなくなります。送信機をテレビにHDMI接続し、各スピーカー及びアンプは電源さえ繋げば良いという非常にお手軽な一品です。Dolby Atmosという現状恐らく最もメジャーなサラウンド音響規格に対応しているため、NetflixやAmzonプライムのオリジナル作品群からDisney PlusのMARVEL・STAR WARSをサラウンドで楽しめます。XウイングとTIEファイターのドッグファイトやアッセンブルを「体感」できるわけです。利便性も高く、Bluetooth接続したスマホやタブレットから音量・イコライザーの調整や、非サラウンド音源の疑似空間オーディオ化まで行うことができます。いわゆるサラウンド環境入門機としてめちゃめちゃオススメしたいパッケージですが、残念ながら絶版状態となっています。クラウドファンディングから一般販売に切り替えようというタイミングで、メーカーであるオンキヨーホームエンターテイメントが自己破産してしまいました(オンキヨーは元々オンキヨーホームエンターテイメントの子会社として独立し現存)。本機の「リアルスピーカーをワイヤレスで接続させてサラウンド環境を作る」コンセプトはかなりトレンド感があり、実際SONY・JBL・SONOSなども取り入れているうえ、少なくともチャンネル数でみた場合のコストパフォーマンスは非常に良いため「消えた天才」のような感があります。メーカーサポートがないどころかメーカー自体がないパッケージとなってしまいましたが、壊れるまで使い倒す所存です。
今回はここまで、さよなら~