自然は悪。アマゾンは緑の地獄。ブラジル人(西洋人)の自然観に驚愕。
ブラジルには蝶、トンボ、という語彙はありますが、何々蝶や何々トンボとまでは区別しません。
日本人であればモンシロチョウ アゲハ蝶とか、赤とんぼ 糸とんぼ 鬼やんま……ぐらいは誰でも知っていると思いますが、ほとんどのブラジル人は自然には無関心です。
驚きますよね。
私は養蜂が専門だったので、よく人に質問されますが、卵が孵化(うか)して幼虫のウジになり、蛹(さなぎ)になるとき繭(まゆ)を作ると説明しても、ブラジル人には通じません。
だいたいブラジル人は自然に対してマイナスのイメージがありまして、この前までは密林を“緑の地獄”、などと言っていましたし、今でもアマゾンの森林の伐採が続いていますが、切った後は牛の放牧地にするので森には戻りません。
熱帯では、土壌中の有機質がすぐに分解されるので、砂か小石しか残らないのが常です。木を切るとそこの土は乾燥して次第に砂漠化へ向かいます。
しかし、稲作の日本ならば、木を切った土地は田畑にして水の循環を考えながら再度植林を試みるでしょう。
また、自然と親しむ日本人は虫の声を文字化しますが(前回お話しました)、鳥の声はさらに漢字化しました。
有名なのはウグイスの法々華経。
ホホジロは一筆啓上ツカマツリ候。
尾の長い三光鳥はツキ・ヒ・ホシ・ホイホイホイ、「月日星」の三光。
ホトトギスは特許・許可局。
ウズラの仲間のコジュケイはチョット来イ、チョット来イ。
つばめは虫食ッテ虫食ッテ渋ブーイ。
フクロウは五郎助奉公。
メジロは長兵衛忠兵衛長忠兵衛。
センダイムシクイが焼酎一杯グイーッ。
そのほかカラスが孝々、スズメは忠々……と聞きなすのだそうです。
欧米人からすると自然と交流するような人種は“野蛮な未開人”などと思われるようですが、レヴィ・ストロース(フランスの社会人類学者、民族学者。ユダヤ人。親日家。)は北米のナバホ族は500種の植物の知識を持っているから我々より理知的だ、と述べています。
今年開催された広島サミットでは、自然から離れすぎて頭が狂ってしまったG7の首脳たちが、戦争継続の相談をして、日本は軍用の自衛隊車両百台をウクライナに提供することになったとか。
【今日の名言】
「嘘は言わない。悪口は言わない。欲はかかない。 みな自分の出来ない事ばかり。」
by 相田みつお
※編集協力
和の国チャンネル