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国防費を増やす前に「国防意識の正常化」を

日本人の得意な「護送船団方式」というのは、簡単にいえば「群れる」ということでもありますが、アフリカのサバンナには色々な動物の群れが棲んでいます。

まず、大型草食動物は、群れ全体の何百の眼によって、外敵の接近を警戒しながら草を食んでいます。
一方、その群れを狙う肉食獣は、数十頭の小さな群れで獲物に最短距離まで近づこうと、身を伏せながら接近を試みます。
ヒョウや山猫やアジアのトラなどの森の肉食獣は、単独行動の待ち伏せ型ですが、アフリカの見通しの良いサバンナの、ハイエナやジャカルなどは、数十頭ほどの小さな群れで追跡型の狩りをします。
水牛などの大型獣を単独では倒せませんが、仲間でかかれば可能なのです。

肉食獣は、獲物の分配の関係で大集団は作れませんが、草食獣なら周囲に餌が豊富にあるため、尾黒ヌーなどは何万頭という大集団を作ることができます。
鳥類も猛禽類のワシタカ類は群れを作れませんが、植物食の鳩やムクドリは大群を作れます。
魚類も食物連鎖の頂点にいるマグロやサメなどは個体数が少なく、プランクトンを食べる小魚は数も多く、群れで行動します。

同じ理屈で、人類も肉食民は少数派です。
南アジアは単位面積当たり、麦の約二倍の人数を養える米作地帯ですので、ここに世界の人口が集中しているといわれています。

しかし、「夏が寒いと野山の草木の種は不作になり、野ネズミや野兎や鹿が減ると、それを餌にしているキツネやピューマも減った」といった研究があるように、食物連鎖の上に行くほど環境の変化には弱いそうです。

その点、純農耕民の日本人は幾多の飢饉を乗り越えたDNAを持っていますから、いざとなったらワラビやクズの根や彼岸花の球根からでん粉を取って、イナゴや海藻を食べる超雑食能力で最後まで生き延びることでしょう。

日本人の集団的な“群れ”の能力を甘くみてはいけません。

しかし戦後70年、日本も飽食だグルメだと過ごしているうちに、日本の富も周囲の肉食民族からすっかり食い尽くされてしまい、また、日本人自身も肉食民になってしまいました。
経済は30年間も止まったまま、今では発展途上国に転落しつつあります。

国防費の話題が急に出てきましたが、今から大人しい稲作民が、突然核保有の議論を始めたとしても、すでに日本の解体工作は、日本人がボーとしている間に完了してしまっています。

国防費を増やす前に、【国防意識の正常化】がまずは大前提となることでしょう。

「柔和な人たちは幸いである、彼らは地を受け継ぐであろう」
マタイ五章5節


【今日の名言】
「国防はつねに富より優先すべき」
アダム・スミス「国富論」

【名言をもうひとつ】
「金を失っても、何も失わない。誇りを失うと多くを失うが、勇気を失ったら全てを失う」
ユダヤ教のタルムードより


※編集協力
和の国チャンネル:https://wanokuni.me/

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田附正甫 from ブラジル「地球の裏側から見た日本」
お読みになって頂きありがとうございます。宜しくお願い申し上げます。