自給自足カレッジ15
今日は生物の進化過程において、如何に細菌が果たした役割が大きかったのかというお話をしたいと思います。
昔から生物の授業で人間の細胞構成要素として、ミトコンドリアというものがあると習った事を覚えておられる方も多いと思います。
ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを産生する役割を担っていると言われており、細胞内でもかなり重要な役割を担っています。
実はこのミトコンドリアは、昔細菌として存在していて、その機能を取り込みたい生物細胞がその細菌ごと取り込んだのがミトコンドリアらしいのです。
また、植物が光合成を行う葉緑体も、元々細菌として存在していたものを植物がその機能を取り込みたい為に細胞ごと取り込んだものだという事だそうです。
シンビオジェネシスと呼ばれるこの現象は、ダーウィン進化論に対するアンチテーゼとして、生態学者には受け入れられている理論だそうです。
ダーウィン進化論では、突然変異は1つの個体に発生し、その変異が個体の適応性に有利であった場合に広まっていくとされています。そこでは「競争原理」が基本的な考え方になっていますが、シンビオジェネシスが進化を推進する力となっていると主張したリン・マーギュリスは、「競争原理」とは逆に「協力関係」が進化の過程で重要や役割を担っているとの立場をとっています。
ミトコンドリアや葉緑体のような有用な機能を持つ細菌を自己の細胞に取り込み、環境適応力を高める。
このような細菌類との協力関係や共生関係が、個体の生存能力に直結する。
現代文明では、パスツール以降、病気の原因は敵である細菌やウイルスとする対立軸の中で学門構築をしてきていますが、その方向性では解決がつかない問題が残ってしまっています。
そろそろ、対立軸からの発想を抜けて、ウィルスや細菌類との協力関係にフォーカスした形での、学問構築や文明の発展を模索した方が良いのではないかと思っています。
抗生物質や農薬、添加剤、抗菌剤、石鹸やシャンプー、消毒薬といった細菌類を殺傷するようなものに頼るのでなく、如何に細菌類と協力関係を結んで生存能力を高めるのか、といった方向性に舵を切った方が良いように思います。
私は15年以上石鹸やシャンプーを使わない生活をしていますし、極力薬に頼らないようにしています。
また、化学調味料や合成甘味料や添加剤等が使われていないものを口にするようにし、腸内細菌叢や常在菌を大事にしています。
犬や猫をペットとしている人はそれらの動物と共生関係を結んで精神的な安定性を確保しているのだと思いますが、本当は自分の細胞の10倍にも及ぶ細菌類と人間の体は共生関係を結んでいるはずなのに、人間はその味方である細菌類を常に殺そうと考えている。
今後、人類が地球との共生を考えていく上では、ウィルスや細菌類との共生関係を解明し、その仕組みを理解していくことが大事になってくるものと思います。
自給自足カレッジでは、無農薬無肥料で野菜やお米を育てる技が学べます。
自分の体に優しく地球環境にも優しい生き方を、是非学んでみて下さい。
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自給自足カレッジ
小柴正浩