スウェーデン子育て・保育・教育ワークショップ Part1
Hej!!
(スウェーデン語でこんにちは)
この挨拶から始まった本ワークショップ。
スウェーデン在住で保育士である巽朝菜氏をオンラインでお招きしました。
「スウェーデンの子どもたちの日々の暮らし」と題して、参加者が、スウェーデンの子どもたちの日々の暮らしを知ることで、日々の子育てや保育、教育の現場で実践する際のヒントをもらい、行動を得られることを目的に行いました。
スウェーデンの子育て・保育・教育の土台には、「子どもの権利条約」があります。「子どもたちのベストを考える」という社会が長い歴史とともに築かれ続けています。
スウェーデンでは、子どもたちのベストを考えるために、子どもをどのように捉えるかという「子ども観」と「対話」を大切にしています。今回のワークショップも、参加者同士で「対話」を深めながら、子ども観について考えていきました。
自分のものさしを知る ~木の棒で自己紹介~
参加者に事前にお願いした「肩から指先までの長さで、自分らしい棒」を使って自己紹介をしました。
参加者皆さん、それぞれの棒にストーリーがありました!
形、太さ、長さ、色を自分の性格や特徴と照らし合わせて説明する人や選んだ時の自分の様子を話す人など、物語があって、言葉だけで話すより棒を使うことでその人らしさを感じることができました!
自分を棒に投影することで、自分を客観的に見ることができ、自分のものさしを知るきっかけにできそうです。
朝菜さん:私の保育園でも、子どもたちに棒を拾ってきてもらうことがあります。2~3人組で探しに行きます。その時に、もし見つからない仲間がいたら、その仲間を助けてあげましょうと伝え、「みんなが拾ってくること」を目標にしています。一人で拾ってくると競争になります。スウェーデンでは「競争する」ことを徹底的に排除します。「競争ではなく協働」を大切にしています。
「競争ではなく協働」
この言葉は、「人との関わり」が希薄化した今の社会に必要なメッセージだと感じました。
子育てにおいても、「○○ちゃんはできるのに、うちの子は・・・」なんて会話を聞くことがあります。(本音かどうかは別として)これも競争の意識があるように思えます。
私たちも自分の視点ばかりに囚われて、先入観で子育てをしている事が多くあるのではないでしょうか?
自分のものさしを客観的に観察し、価値観を拡げる・崩すことが大切だと感じました。
多様な違いを認める ~違いを見つける~
参加者みんなで集めてきた棒を観察しました。五感を使って観察したり、図鑑や虫眼鏡を使って観察をし、感じたことを皆さんで共有しました。
朝菜さん:棒を観察してわかるのは、まったく同じ棒はないことがわかります。人も一緒で、「違いを見つける」ことは、多様な違いを認めることにつながります。しかし、同じものを見つけようとするのが今の教育であり、そこが弱点です。大人や指導者は、「違い」を肯定的にみて伝えていくことが大切です。
棒のように同じ種類でも、同じ形の棒は存在しません。そう考えると自然は違うものだらけだと言えます。同じものを追うこと自体が愚かなように思えてきます。
違いを見つけて、ポジティブに伝えることは、子どもたちのアイデンティティの形成につながると感じました。子どもたちの周りの環境の中にそんな面白い大人がいたら素敵だろうなと思います。
棒からいろんな価値観を教えてもらえそうです。お散歩しているときや公園で遊んでいるときに、棒を落ちていたら拾って観察してみてください。もしかしたら、「自分らしい棒」とお会いできるかもしれません。
Part2へつづく・・・Tack!(スウェーデン語でありがとう)