転職する気がなくても「面談」してみましょう!の思惑と罠
転職エージェントや求人広告以外に
ビ◯リーチを始めとする、ひと昔前にはなかった転職関連のサービスが目を見張るスピードで量産されています。
使われている方で「面談」「選考意思がなくても構いません」というスカウトを受け取って、面談してみたらなんか転職前提だったんですけど…(モヤモヤ)という経験をされた方、いらっしゃいませんか?
私はあります。笑
そして、そういったスカウトを送る側でもあります。笑
どうして、事前の触れ込みと、実体験が異なるのか。
登録ユーザーと利用企業との考えから見える乖離と、対策としての心持ちを整理してみました。
◯登録ユーザー
転職したい人もいるが、今すぐ転職しなくてもいい人や、転職活動終了後もアカウントを残している人、
スカウトが来ることで自分がイケてると確認したい(市場価値)意図で登録している人も多い。←私はこのタイプ。
つまり、転職サービスに登録している=ガチの転職希望者という構図が崩れていると言えます。
以下はちょっと古いですが、21年時の転職希望者と、実際の転職者の比率を出したものです。
転職希望者は自称なので、「良い所があればね」「今の会社も不便はないよ」という人ももちろん当てはまります。実際に転職のアクションを起こすのはここ20年、比率がほぼ変わってない。
つまりユーザー数は増えてるけど、本当に転職したい人(自分から選考応募する)はそんなに増えておらず、スカウトメールを受け取ったときに「まぁ話だけ聞いてみるか」と思う人は多い。
個人見解ですが、やはり、著名な会社・提示年収が高い・CEOなどの上位者からのスカウト・工夫のある文面には返信したくなる。
何故ならスカウトへの返信や面談は、就業先を探すという自分ごとではなく、「話題作りに聞いてみるかー」「なんでスカウト来たんだろう?」みたいな面白イベントの意識があるから。
◯利用企業
対して利用企業は、とにかく今すぐ人が欲しい。
増員とか欠員補充とか理由は様々ですが、人を早く採用したい企業しか使っていません。
企業がサービスを利用するにはお金が掛かっていますし、人の市場価値確認のためにボランティアで忙しい業務の中でスカウトを打ったり、面談したりはしない。どの仕事もそうですが、そんな暇じゃない。笑
全ては良い人材を速やかに自社に採用するためにやっています。
ダイレクトリクルーティングサービスが「転職意思がなくても大丈夫!」と銘打っているのは、単にユーザーを増やしたり、面談実施率をあげたいからであって、企業としては、ぶっちゃけ面談くるってことは転職意志あるよね?くらいの気持ちの会社も多い。
採用する側としてはダイレクトリクルーティングサービスを導入して運用していくのは正直とてもコスパが悪い…。
何故ならこのサービスの売りは「転職意欲がない人」に「個別の柔軟な対応」と「長期サポート」だからです。
ここを理解して、そのとおりに対応する企業がどれだけいるかなぁと思います。(だってそんなに暇じゃ…以下略)
ちなみに何年待っても、いくら出しても欲しい!くらいのスーパー人材が現れたら、全力で柔軟な長期的サポートをして、転職意欲を持ってもらえるようにがんばりますよ。
そして、ユーザーが興ざめするのは
選考意志なくてもいいよと書いてるくせに、面談したら選考(のようなもの)をされたり、応募意思があるように扱われた時。
企業が興ざめするのは、転職希望者だと思ったら単にイベント参加で来てると途中でわかった時。
これは、ユーザーと企業側、両方のスキル不足だと思います。
1,ユーザーの意識を面談やスカウトメールですり合わせしていない。
企業はスカウトメールや面談の冒頭で転職への熱度を確認するべき。
2,ユーザーが企業の思惑を理解していない
企業は人を採用したいからやっていて、楽しいイベントじゃない。
転職へ誘導したり、ジャッジ目線が滲んでしまうのは一定仕方ないと認識する。
3,しっかり意思表示をする
ユーザーも企業も、どう思うかをお互い明確に表現する。
業務が自分には合わないと思ったとか、
半年以内に転職を希望されている方をまず優先したいとか、
はっきり言って後腐れ無く面談を終える。
(そうすると数年後にふと思い出したとき、双方候補としても考えやすいよ。気まずく終わるとお互いチャンスを潰します。笑)
企業側はダイレクトリクルーティングサービスの「転職意欲低い」にようやく慣れてきています。
なので、思ったことははっきり伝えてみてください。
(言い方を図々しくしろ、ということじゃないよ。丁寧に対応しようね、お互いいい大人なんだからさ)
転職希望じゃないけど、スカウトに返信してみようかな、という方。
スカウトや面談が無駄だと思う採用担当の方。
ちょっと目線がずれてきているなと思う現在の転職市場。
お互いの気持ちを踏まえた上で、取り組む姿勢や気持ちを整理できたらいいなと思います。
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