【感想】私のバカせまい史『クイズ番組 芸人の苦悩史』
いつからかクイズ番組は「ボケ不要」という空気になっている。
伊集院がこの番組で以前言っていたことに端を発する今回の調査。
素人考えでは「そりゃフジテレビの『ヘキサゴン』のおバカブーム以降じゃないの?」と思いながら見始める。
2005年にターニングポイントがあったとする調査報告。
あれ?おバカブームはもう少し後だったような…?
テレ朝のクイズ番組まで調査!
さすがこの番組らしい本腰の入れ方。
しかし、品川のこの発言はあくまでボケ。
当時の映像をよく見ると周囲も笑っており、ツッコミも入っている。
現場にいた伊集院も「あれはギャグだった」と証言。
つまり
するとスタジオの伊集院が当該人物を覚えているとして実名を出すか逡巡しながら補足。
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この番組はこういう風にVTRとスタジオがスイングする回は特に面白い。
そして話題はやっぱり『クイズ!ヘキサゴンⅡ』へ。
まぁこれはクイズ番組史どころかバラエティ番組史という視点でも避けては通れない歴史だよな。
奇しくも番組開始はこれまた2005年。
かなり強引だが、品川にはおしゃクソ事変で、そして島田紳助とは共感・同感vs.批評眼(素敵やんvs.あだ名)という真逆の芸風という点で有吉弘行を思い浮かべていた。
そんな有吉が解答ではなく出題がボケになっている冠番組『有吉クイズ』を持っているのも数奇な巡り合わせを感じる(もちろんこれも超強引なこじつけ)
ちょうど昨年12月に令和ロマンが麒麟・川島のラジオに出た際に『ヘキサゴン』の話題が出ていた。
ケムリは見ていて、くるまは見てなかったそう。
ネタにされる形という意味では、同じく麒麟・川島のラジオで川島が考えた台詞をニッポンの社長・ケツが言う形で
これ今回のVTRでも最終解答者が「ヘキサゴン!」って言ってるシーンが何回も映るから笑ってしまったw
同じ週のIPPONグランプリでもロングコートダディ堂前が大喜利回答のネタに。
お題は「アホなフリして芸能界のことを聞いちゃってください」
確かにバカせまい史の中で流れたVTRもちょくちょくモザイク処理されてる人いたな…w
この後はクイズ番組の環境変化に適応する形で台頭したロザン宇治原やカズレーザーに触れつつ、別の形で生き残ってきたノンスタ井上が品川と同様に裏側やテクニック論を語るも何か受け入れられないまま終了w
と思ったらスタジオに伊集院を呼んだ真の理由が明らかにされる大オチが待っていた。
ナンシー関の文章とかもそうだけど、今の価値観・感覚で読むと辛口批評を通り越して誹謗中傷に見えなくもないw
書いてある内容は別に著者の主観ではなくて客観的な出来事なんだけど(まぁ「白けきった」は多少主観込みの評価ではあるが)
すげぇ!
てかスタッフよくこんな本まで調べたな…
ところでさらに最後の最後に伊集院が
最近は東大出身のクイズに答えるプロが出てきた
彼らのプロフィール欄は「クイズプレーヤー」
タレントの草野球大会だった所にメジャーリーガー
確かに謎解きブームやクイズの競技化も芸人のボケ解答が廃れた一因かもしれないよな。
この競技クイズを深掘りしてミステリーに昇華したのが小川哲の小説『君のクイズ』
2022年10月に発売し、佐久間Pの帯コメントや『アメトーーク』の読書芸人で紹介されたことでスマッシュヒットした一冊。
国内ミステリー小説賞レースでも結構良い結果を残している。
あらすじはこんな感じ↓
ゼロ文字正解の謎が興味を引くし、クイズって勉強や知識量だけではないスキルを要するスポーツなんだなと新たな世界を知れる傑作。
本といえば、前半のカニカマ超進化史での企業間の競争エピソードは稲田豊史の『ポテトチップスと日本人』を思い出した。
この本も面白かったなー
湖池屋とカルビーを中心とする企業間のイノベーション合戦ドラマ。
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