【感想】ここにタイトルを入力『フワちゃんの浅草のんびりツアー』
昨年11・12月に水曜NEXT!枠で2週連続放送されて話題になった『ここにタイトルを入力』
この度6週限定でレギュラー化(と呼んでいいのか?)
レギュラー初回(通算では第3回)はマヂカルラブリー村上がMCの『クイズ・ファイブセンス』
もちろんこの番組がそんな普通のことをやるわけはなく、バイきんぐ小峠が誤ってダブルブッキングされてしまっており体の左右半分ずつ同時に2つの収録に参加するという企画w
そしてレギュラー第2回の企画は『フワちゃんの浅草のんびりツアー』
もはや恒例となりつつある原田和実ディレクターからの相談の画で幕開け。
そんなこんなで番組はスタート。
監視カメラの映像で代用www
テレ東の『ハイパーハードボイルドグルメリポート』で知られる上出遼平プロデューサーが手がけた『蓋』を彷彿とさせる幕開け。
一瞬「いや、でもこれ最初の驚きがピークの出オチ企画にならないか?」と心配になるも、ここから怒涛の“映り込み大喜利”が幕を開ける。
感想ツイートには一応わかる人にだけ伝わるように略記で1つネタバレを書いたが、あれ以外にも手を替え品を替え色んな映像を繋ぎ合わせてVTRが作られている。
これを書いている時点ではまだ無料見逃し配信期間なので是非ともその目で。
ちなみに手法自体は映画(特にホラー)ではちょくちょく使われてきたものではある。
(もちろん主流ではない)
ツイートでは『とんぼの眼』を挙げましたが、より多くの人に薦められるエンタメ映画ならやはり『search/サーチ』でしょうね。
映画全編がPC画面上で展開されるアイデア勝負な1本。
ちなみに監督のアニーシュ・チャガンティは次作の『RUN/ラン』ではアイデア勝負を封印してヒッチコックばりの王道サイコスリラーを正々堂々と撮っているのが凄い。
話を戻しましょう。
ちょっとだけ出演しているナイツがラジオで舞台裏を喋ってくれていた。
貴重な証言!
やっぱり業界内には比較的小規模な深夜番組でも届くんだな。
空港で4時間ぐらい暇を持て余した塙www
ところで、この番組を手がけている原田和実ディレクターは劇団を主宰していたそう。
個人的に原田Dの企画はこの演劇経験というか作劇のノウハウが活かされているように思う。
ここで三宅隆太監督がとても分かりやすく解説してくれているTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の2021/5/3(月)放送回を引用する。
(9:35頃から「サスペンス、ミステリー、スリラー、ホラーの定義ってそれぞれ何?」というリスナーからの質問に対しての回答)
原田Dが手がけてきた4本の企画
バイきんぐ小峠の今夜もグダグダ気分
バカリズムの恋のお悩み解決TV
クイズ・ファイブセンス
フワちゃんの浅草のんびりツアー
この中で2は完全にスリラーである。
別室で収録を見ている視聴者代表の声がリアルタイムで番組に反映されていき、まさに理不尽・不条理な事態に巻き込まれる出演者たちw
さらに残り3本も厳密にはスリラーではないものの(小峠もフワちゃんもなぜこんな目に遭っているのか一応説明を受けている)テレビ番組制作の過程そのものを三宅監督の言う「プラン」と捉えればどこかでそれを折っている企画である。
1と3は収録前(キャスティングの段階で出演者のスケジュール上の問題が発覚してプランが折れる)
4は撮影後(編集の段階でデータ消失によりプランが折れる)
折れたプランをどうリカバリするか?という発想から企画が生まれているように自分には感じられる。
意識・無意識に関わらずこういう自身の色のある演出家は応援したくなります。
あとはさすがにこういった画期的アイデアを1人で生み出し続けるのは大変だと思うので放送作家との出会いか、と思っていたら…
既に心配無用かもしれない。
さて、次回企画は『バカリズムMCキングオブイリュージョン』
HARAさんってあの『ラヴィット!』でAyaさんという視聴者の「ドイツ」というツイートを大バズりさせた人かな?
今度はスタジオ収録中にプランを折るのか、はたまた全く異なる手を見せてくれるのか。
楽しみ。