【感想】『あえいうえおあお』第5回(佐久間みなみアナウンサー)
7月から全6回の期間限定で始まったフジテレビの深夜番組『あえいうえおあお』
本当にこういう番組だったらお笑い好き・バラエティ番組好きはそこまで食指が動くことはないだろう。
そう、本当にこういう番組ならば。
この番組の企画・演出は原田和実。
『ここにタイトルを入力』シリーズで俄然注目を集めた新進気鋭の若手ディレクター。
構成に竹村武司が入っている点も共通。
上記の記事中でも述べている通り自分は原田Dの作風を「テレビ番組制作というプランを進行中にどこかで折り、それをリカバリする過程を企画にしている」と思ってきた。
出演者のスケジュールの問題(バイきんぐ小峠の今夜はグダグダ気分、クイズ・ファイブセンス、真夜中のおしゃべり倶楽部)
撮影データの消失(フワちゃんの浅草のんびりツアー)
コンプライアンス抵触(バカリズムのキングオブイリュージョン)
予算不足(足りない世界で愛を描く)
もちろん『その恋、買い取ってもいいですか?』のようにこれに当てはまらないタイプの企画もありますが。
「今度はどんな手で来るんだろう?」と楽しみに見た初回(2022/7/8放送)
早速「宮司アナが街頭インタビューに出るも答えてくれる人が全然捕まらない」という形でプランが折れる。
ここまでは予想の範疇。
ところが、そこから展開されたのは「一旦リカバリ策を考えるため休憩して、そこから脱線してリカバリしないまま終了」という新境地w
ほぼ疑似デート動画w
第2回も第3回も同様w
深夜に偶然この番組を見てしまった人の中には困惑やそれを通り越してなぜか「公共の電波の無駄遣いだ!」と怒ってらっしゃる方もいたらしいが、ご愁傷様ですとしか言いようがない。
スタジオでVTRを見ている後藤も「ちゃんと取材しろ!」と激怒w
毎回ディレクターと女性アナウンサーがデートに発展してしまうため第4回では男性アナウンサーが登板。
取材相手と意気投合w
「テレビ番組制作というプランを進行中にどこかで折り、それをリカバリする過程を企画にする」から「折れたら折れたままにしておいて逃げる」という構造へ。
ただ、4回も続くとさすがに手の内はバレている。
後藤が毎回しっかりツッコんできたから尚更。
もちろん後藤のツッコミを「なぜそんなに取材に固執するのか?」というスタンスで際立たせてきた矢部の功績でもある。
そんなこんなで迎えた第5回。
今回取材に出るのは佐久間みなみアナウンサー。
落ち込んだ時に聴きたくなる曲を集めてオリジナルのプレイリスト作成を目指す。
序盤から積極的に声をかけてインタビューに成功していく佐久間アナ。
ところが
取材に真っ直ぐすぎる佐久間アナw
「何があっても絶対に当初のプランを折らない」という新パターン。
ここから「そんな人にインタビューするなよ!どんな人?」というシチュエーション大喜利に突入。
過去作の中では『フワちゃんの浅草のんびりツアー』でやった録画映像かき集め大喜利に近いか。
さらに取材中に後ろで通行人がぶつかりそうになっているというワンクッションを挟んで背景にも注目させ、新橋で遭遇したお調子者の男性が誘拐されているという縦軸まで発動w
これは後藤の「取材をしろ!」とはまた別のところから出てきた仕掛け。
過去4回で後藤に叱られ続けてきたフリが一気に回収されていて素晴らしかった。
シリーズ全体構成も綺麗。
ただ、てっきりそれは最終回でやるもんだとばかり思ってた。
こうなると最終回は何をやるんだろう?
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