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【感想】ソウドリ特別企画『解体新笑』

同じTBSの『ラヴィット!』が大々的に1周年を祝う中、月曜深夜の『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ〜SOUDORI〜』もひっそり1周年記念の特別企画を開催していた。

平成ノブシコブシ徳井を聞き手に迎え、普段はドン・アリタとして出演している有田が素顔でお笑いを語るという企画。

有田の一人喋りといえばAmazonプライムやYouTubeで実証済み。

プロレスの歴史を分かりやすく整理して伝えるトーク構成スキルが本当にとんでもない。

上記のプロレス番組ではチュートリアル福田が“プロの聞き手”として大活躍しているが、今回の聞き手はノブコブ徳井。
もちろん現役のお笑い芸人でありながら、近年はお笑いウォッチャーとしてもメキメキと頭角を表している。

有言実行と言えなくもないかw

著書も3月に出版されたばかり。

ちょうどこのタイミングで読めました。

僕はMBSラジオ『俺たちゴチャ・まぜっ!』のリスナーだったので、実は徳井に対して「売れてない」とか「じゃない方芸人」みたいなイメージはあまり抱いてないのだけど(極楽とんぼ加藤やよゐこ有野らめちゃイケ出演者と毎週ラジオしてるのを聴いてたので)世間的にはやはり『ゴッドタン』の腐り芸人のイメージかなと思う。

ちなみに自分のツイートで徳井の分析眼に言及してたもので一番古いのは8年前の2014年3月。

この時点で「今回」と言ってるということは当時からテレビでその片鱗は見せてたのかな?
正直あまり記憶に無いw

そんな徳井の魅力は純粋に分析眼が優れているという点以上に、自らも芸人として傍で見てきたからこそ対象の芸人の魅力を何とかして伝えたいという熱量。
客観性を多少犠牲にしてでも自身の経験も交えた目線で語ってくれるから他のライターや自分も含めた素人お笑いファンとは一線を画したものになっている。
今回の書籍だとコウテイと霜降り明星の文章に宿った熱が出色。
あれはもはや個人的なラブレターを通り越して普遍的な文学だ。

この書籍では同世代や後輩の話が多く、くりぃむしちゅーをはじめとするボキャブラ芸人への言及はほぼ無い。
なので徳井にとっても有田という芸人の歴史は興味津々だったんじゃないだろうか。

自分の記憶が確かならこの回のアメトーークで最後の最後に『全力!脱力タイムズ』のアンタッチャブル復活回の話題を出したの徳井だったと思う。
それを受けてメインで喋ったのが出川という流れだったような。
(記憶違いだったらすみません)

序盤、ソウドリの見どころは結果発表前のひと絡みだと切り出す徳井。
そこからあの光景を見ると若手芸人だった頃を思い出すという話題にスムーズに移行し、当時のエピソードに。
有田の若手時代は団体芸を誰もやらなかったw
まぁ団体芸といえば関東芸人よりは吉本のお家芸だが、そう考えると『伝説の一日』の翌日にこれが放送されているという文脈がまた面白い。

この辺りから「プロレス落語」とも呼ばれた「まるで昨日その現場にいた」かのように当時の様子を鮮明に語る有田の話芸にどんどんエンジンがかかってくる。
若い頃のくりぃむしちゅーはとにかく尖っていた。

徳井「いつ変わるんですか?スイッチ」
https://tver.jp/episodes/epoqw38m9p

しっかりパスを出す徳井。
ここから萩本欽一が意外な形で有田の芸人人生に影響を及ぼしていたというテレビ初出しエピソード!
当時の様子を再現していく有田のトークにどんどん引き込まれる。
ほぼ口を挟まず要所でのみリアクションする徳井も完璧な仕事ぶり。

この話を聞いて思い出したのが徳井の著書のニューヨークの章。

褒められたり、お客さんにウケたり、お金が手に入ったり、モテたり…おそらくいろんな理由があると思うのだけれど、共通しているのは、面白いと言われている人たちは、ある日を境に突然売れ始めるということだ。その日というのはきっと、「売れるためにシフトをチェンジする日」なんだと思う。そうでないと、売れることはかなり難しいはずだ。
徳井健太・著『敗北からの芸人論』,新潮社,P.123

恐らくこの理論がベースにあったから、ある意味答え合わせのような姿勢になって変に口を挟んだりまどろっこしい質問をしたりせずにあの会話が成立したんじゃないかなと。

ちなみに有田のトークのオチは

有田「それ(欽ちゃんのアドバイス)を倍にしてキャラクター化したのがザキヤマ」www
https://tver.jp/episodes/epoqw38m9p

個人的には徳井の芸人分析は今回書籍が出版されて1つ形になったかなと思うので、次はテレビ番組やその作り手についても語ってほしいなと思ったりもする。
(書籍に佐久間Pの章はありましたね)
うーん、でもそれだと芸人であるという徳井の強みがあまり活きないだろうか?🤔

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