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ツボ【1】請負・準委任は「勝ち取る」ものではない
最初のテーマは,請負・準委任です。システム開発の契約交渉や紛争処理では,請負・準委任論争が必ずといっていいほどテーマに上がります。
準委任原理主義ベンダからの話を聞いていると,「準委任だから責任は生じないですよね」「請負じゃないんだし」といった「準委任だから大丈夫」ということを前提にしているケースが非常に多いと感じます。法務担当よりは,むしろ営業や現場のPMにそういう傾向があります。ユーザの中に
システム開発法務のツボ・はじめます
弁護士の伊藤雅浩です。
新しい日記帳を買った気分で私は,すでに個人的に2つのブログを書いているのですが,年々,更新頻度が減ってきました。忙しいというのも理由ですが,前も今以上に忙しかったことを思うと,それは理由になりません。書きたいことはツイッター @redipsjp で随時書いているからなのかもしれませんが,やっぱりまとまって書くことは自分にとっても有意義です。
そこで,気まぐれに「またやろ
個人情報・パーソナルデータに関する話題(1)個人情報のキソ
最近,パーソナルデータ,個人情報に関する話題が多い。
法律雑誌の権威であるジュリストの3月号は「ビッグデータの利活用に向けた法的課題」という特集で,宇賀克也先生,森亮二先生,新保史生先生,鈴木正朝先生ら,この分野の一線級の豪華な論客が各テーマについて解説しており,この種の問題を取り扱う人にとっては必読であるといえる。
また,2月24日には「第1回プライバシーフリーク・カフェ」という対談イベント
法科大学院に入学したときのこと
note初投稿のテスト。
私はちょうど10年前の2004年4月に一橋大学法科大学院に入学しました。法科大学院制度が発足した一期生です。
今の法科大学院制度に対する評価は残念なことになっていますが,当時は,幅広い層から法曹を集め,7,8割が司法試験に合格する,と理想が語られ,まんまと私もそれに乗りました。法科大学院に入るための共通適性試験の受験者は4万人を超え,私が受験した一橋大学法科大学院・未