無駄だと思う中学校の課題
以前中学生向けの塾講師をしておりました。
その関係でいろいろな中学校の先生が出す課題についても知ることができました。その中で「これ、無駄じゃね?」と思うものを挙げていきたいと思います。
あくまでも受験に限定した場合に「無駄」だと思われるものです。
受験だけが勉強の結果じゃない!というご意見もあると思います。
しかし、受験こそが中学校3年間の勉強の結果なのです。
そこをターゲットにしないで、一体何のための3年間なのでしょうか。
✅単語10回書きなさい
英語の宿題の常連です。
これね、優秀生には時間の無駄です。
英語嫌いな生徒にも時間の無駄です。
▶まず優秀生から
彼らは書かなくても覚える手段をいくつも持っています。
ほとんどの単語は塾で先に覚えています。
学校の教科書に登場したころには完全に書ける状態です。
▶次に英語嫌いな生徒
彼らは「書くこと」しか考えていません。
つまり覚える気はさらさらありません。
10回書いている間は、落書きをしているのと同じ状態です。
だいたい入試問題では筆記の配点は非常に低いです。
最近の傾向を踏まえてリスニングを重視した方が良いと思います。
✅ノートをまとめなさい
全部教科書に書いてあります。
そして受験には教科書以外からは出題されません。
教科書に完璧にまとめて書いてあります。
どうしてわざわざノートにまとめる必要があるのでしょうか。
まとめている間は、写しているだけですよ。
教科書を読み返してインプット回数を増やしたり、問題集をひたすらやってアウトプットを増やす方が効率的です。
✅先生が作ったプリントをやりなさい
通称「白プリ」ですね。
完璧にまとまった教科書が手元にあります。
そしてお金を出して買わせている副教材、問題集があります。
それ以外に何をやらせる必要があるのでしょうか。
白プリ内の先生オリジナル問題は受験には出ません。
✅時事問題
定期テストによくあるやつですね。
新聞やニュースなどから出題されるものです。
教師側からすると、日々の世の中の動きに関心を持ってほしいとの思いかもしれません。
しかし教科書に載っていないのだから入試問題には採用されません。
✅古文の暗記
悲しい定番です。
教科書に掲載されている古文をいくら暗記したところで入試には100%出題されません。
暗記が無駄だといっているのではありません。むしろ有効です。
どうせやらせるなら、教科書以外の古文を暗記させてください。
✅定期テスト前の課題
大切なのは日々の積み重ねです。
普段から宿題としてコツコツとやらせて、テスト前には一気に復習をさせるような課題を出してください。
勉強嫌いな生徒は、課題が決まるまで問題集が真っ白ですよ。
逆に優秀生にとっては害悪でしかありません。本来突っ込んで深く勉強したいはずなのに、課題という名の単純作業をやらなければなりません。
✅考察
背景には二点が潜んでいると考察しています。
▶ひとつは先生側の都合
先生側の「やってる感」アピールなのではないかと思っています。
保護者と上司に対して「私はきちんと課題を出して、やらせていますよ」アピールとエビデンス作り。私、ねじ曲がってますかね?
真に生徒の学力向上を考えて、課題の出し方や内容を考えてほしいものです。
▶もう一つは平常点創出
学校の成績は定期テストだけで決めればいいと思います。
平常点なんていうものを作るから、それを算出するための無駄な課題が増えるのです。
上に挙げた課題のほとんどは平常点に算入されます。
そして平常点は学力との関連は非常に小さいです。
文科省の評価方針がそのような形だから、先生たちも仕方なくやっている側面も多分にあるのでしょう。
ある意味、先生たちも被害者なのかもしれません。