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生み出すヒトと批評家

イタリアンレストランを創業し25年以上経営していると、映画「シェフ」にあるように創作するヒトと批評するヒトに別れるコトに気が付きます。


厄介なのは創作したコトを生業としていない方の批評です。


全ての職業には、お金を出す人(オーナーや経営者)、生み出す人(シェフ)、売る人(営業)、サービス(サーブ)する人がいます。これが同じ人の場合も違う人の場合もあります。

社員にとって優秀な経営者とは優しいヒトではありません。いかにキチンと経営し例えば、このコロナ禍でも給料を払い賞与を支払えるべく運営できるように努力をし決算書も読めるのが経営者です。毎年、満額以上賞与を支払ってくれる経営者が社員にとっては実は幸せなわけです。

また優秀なシェフはいかにその素材を生かし美味しいモノを提供できるかにあります。

つまり、このコロナ禍など大変な状況では経営者は、素材の単価やバイトの時間を減らし売上が減少した分、一般管理費も削除し、運転資金を借り入れて生き延びるすべを24時間365日考え、またシェフは与えられたギリギリの素材をいかに生かしてその金額の範囲の中で美味しい料理を提供するかを日々模索するかにかかっているわけです。

それは、写真を撮る人と、見る人にも似ています。

写真を撮る人はその一瞬を撮るために朝の4時から山に登り、その一瞬を撮るために何時間でも粘り、暗室に入り何度も何度も焼き直し掲載しています。またデジタルの場合は何時間もかけてデジタル現像して掲載していますが、見る人はその課程を知りません。

自分は、グルメも写真もその撮影した人のそういうナラティブ(人生観やストーリー、そして課程)な事、サービスを提供している全ての時間と空間に想いを馳せて「あぁ、頑張っているな、美味しい。」と相手の立場を考えてSNSなどにアップしていきたいと思うのです。

批評家は、ただ食べて自分の意見を言うだけではダメです。されど批評家。本当に優秀な批評家は相手の立場を考え、時に自分で創り、自分でサーブしてみる。自分の職種に置き換えてみる。そういう気持ちが大切なんではないでしょうか?

そして、それは医療従事者に対しても同じです。コロナ禍、どんなに大変な思いをして戦っているか。常に相手の立場に立ち、その道のプロの知識と経験に感謝の気持ちを持って接したい。

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