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音の高さを感知する驚くべき仕組み〜脳だけじゃない、耳の中の精巧な世界

今回は、音の高さを感知する驚くべき仕組みについてお話しします。実は、この過程は脳だけで行われているわけではないんです。私たちの耳の中には、想像を超える精巧な仕組みが隠されています。さあ、一緒にこの不思議な世界を探検してみましょう。


音の高さの基本:周波数という物理的特徴

まずは、音の高さについて簡単に復習してみましょう。音の高さは、周波数という物理的な特徴によって決まります。周波数が高ければ高い音、低ければ低い音として私たちに認識されます。例えば、ピアノの音を聴いてみましょう。ドの音から始めて、1オクターブ下がると、より低い音に聞こえますよね。逆に1オクターブ、2オクターブと上がっていくと、どんどん高い音になっていきます。この違いを、私たちは瞬時に感知することができます。でも、ここで疑問が生まれます。この複雑な音の高さの識別を、本当に脳だけで行っているのでしょうか?

驚きの事実〜音の高さを最初に感知するのは耳の中

実は、音の高さを最初に感知しているのは、脳ではなく耳の中なんです。具体的には、蝸牛(カギュウ)という、カタツムリの殻のような形をした器官が重要な役割を果たしています。蝸牛の中には、有毛細胞という特殊な細胞が並んでいます。これらの細胞は、音の高さによって異なる場所で反応するんです。高い音は蝸牛の入り口に近い部分で、低い音は奥の方で感知されます。つまり、蝸牛の中で音の高さの大まかな仕分けが行われているわけです。

驚異の精密さ〜1ナノメートルの動きを感知する

さらに驚くべきは、この音の感知の精密さです。蝸牛の中にある感覚上皮体という部位が、音の振動を感知しています。この振動の大きさがどれくらいか想像できますか?なんと、1ナノメートルという信じられないほど小さな動きなんです。1ナノメートルって、どれくらい小さいのでしょうか。1ミリメートルの100万分の1です。これは顕微鏡でも見ることができないほどの微小な動きなんです。私たちの耳は、この信じられないほど小さな振動を感知して、音の高さを識別しているんです。

脳への伝達〜聴覚神経の役割

感覚上皮体で感知された音の情報は、次に聴覚神経を通じて脳に伝えられます。つまり、脳が音の高さを認識する前に、耳の中でかなり複雑な処理が行われているんです。この仕組みを知ると、私たちの体の精巧さに改めて驚かされますね。1ナノメートルという微小な動きを感知できる器官を持っているなんて、本当に驚異的です。

耳を大切にする重要性

ここまで音の高さを感知する仕組みについてお話ししてきましたが、最後に重要なメッセージをお伝えしたいと思います。それは、耳を大切にすることの重要性です。私たちの耳の構造がこれほど繊細で精密であることを考えると、耳を守ることの大切さが分かりますよね。大きな音に長時間さらされると、有毛細胞や感覚上皮体が損傷を受ける可能性があります。ですから、音楽を聴くときや、日常生活の中で、適切な音量を心がけることが大切です。

耳を守ることは、私たちの豊かな聴覚体験を長く楽しむための重要な習慣なんです。今回のお話を通じて、皆さんが音の世界の奥深さと、自分の耳の素晴らしさを再認識していただけたら嬉しいです。音楽を作る側の人間として、聴く側の皆さんの耳の健康を気遣うことも大切だと考えています。これからも、音や音楽を通じて、皆さんの人生がより豊かになることを願っています。

あなたの耳が感じる微妙な音の違いに、少し意識を向けてみてはいかがでしょうか。きっと、今まで気づかなかった音の世界が広がっていることでしょう。

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小松正史
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