農園がコワーキング化して、人生の豊かさや可能性が高まったというお話。
今年活動をスタートして3年目となる「うちやまコミュニティ農園@長野県佐久市」。なんだか久しぶりの投稿になってしまいましたが、今年もぼちぼちやっています。
発信がなかなかできていなかったのは、皆さまご存知の通り新型コロナの影響で、外に向けたイベントが打ちにくく、半クローズドな2021年となっています。
◆うちやまコミュニティ農園の近況
そんな、うちやまコミュニティ農園ですが、先週末今年も無事、稲刈りが終わりました。今年はメンバーが増えたので、1枚だった田んぼも2枚に増やし、今年はもち米も作ってみました。思ったよりも生育が良くて!?用意したハゼ掛け棒の支柱が足りないというアクシデントでちょっと時間押しましたが、その辺にある鉄の棒やら竹やらハゼかけ棒を切って支柱にしてなんとか終了しました。
でも、最後はちょっとだけスペースが足りなくて、一部3段がけになったりと普通の農家さんならばやらないこと(通常は2段)ですが、ここはコミュニティ農園ということで、多めに見てもらうということで笑
なかなかアートなハゼかけになりました笑
稲刈り後は、これもコロナでなかなかできなかったわけですが、久々に近くの地産地消を大切にするマルカフェさんのお弁当をテイクアウトさせてもらってみんなで美味しくいただきました。やっぱり、作業後みんなでご飯食べるのは大切ですね。とても楽しい時間でした。
ランチ後は、希望者でさつまいもを収穫したり、葉物を収穫したり、コミュニティスペースでゆっくりしたり雑談したり。そんな感じで今年も自由なみんなの居場所としても機能しています。
来年は、外向けのイベントも打てたらいいなと思っています。
◆農園がコワーキング化してきた
さて、3年目のコミュニティ農園ですが、今年はメンバーが一気に20名増えて、昨年の二倍になりました。佐久地域に主に首都圏から30〜40代・家族での移住が増えているのが後押ししているのもありますが、ちょうどその境遇の世代の農に関わりたいというニーズにマッチしているんだと思います。(セカンドラフイフ移住や農的暮らしを望んでいる層には物足りないかも)
もともと多様な人がメンバーになっているコミュニティ農園なわけですが、今年は移住してきた皆さんも、世代的にまだまだ働き盛りであったり、リモートワークで仕事ができるようなクリエイティブな技術をもっている人も多く、より面白い人が増えました。
3年前、うちやまコミュニティ農園をつくるとき、農園がコワーキングになったら面白いなと思っていたわけですが、まさしくコワーキングの芽が出てきていると感じます。
例えば
コミュニティ農園で育てたコリアンダーを地元酒蔵さんがクラフトジンの試作で使ってくれたり
農家にとっては邪魔な存在でしかない雑草「あかざ」を育てて、とあるアーティストがスティックにしたり
一緒に運営している磯村さんの本業は農業(つながり自然農園)ですが、今年は繁忙期にコミュニティ農園のメンバーが手伝いに行ったり
プログラマーの一面をもつメンバーは、来年はもう少し本格的に農業を学ぼうとしていて複業化の方向性が見えてきたり
昨年東京から移住したばかりのメンバーが、コミュニティ農園周辺の休耕地からインスピレーションを得て「自分の食べる分くらいのお米が自給できたらいいな」という発言をして、それを受け今年は隣の田んぼを借りて「農業複業化プロジェクト」と銘打って、とりあえずお米を自分で作ってみたいと思っている人が集まり、本格的なお米作りを開始したり
など、ただの農園はなくなってきました。これまさしくコワーキングです。「え?コワーキングって働く場所じゃないの?」と思われている方は、こちらを参照してください。
◆農園がコワーキング化したり、農が切り口の複業化の効果
ちなみに、僕は佐久市のコワーキングスペース「ワークテラス佐久」を運営している顔も持ちますが、ちょうど今年から「地域複業」をテーマにしています。
コワーケーションなどで、佐久に首都圏などからリモートワーカーが来てくれるのですが、その後も継続的に地域に関わってもらえるように「地域複業」を見える化する仕掛けを始めてみました。
大きく二つの切り口で実施していて
①行政や地域企業と連携して複業案件を見える化させてマッチングする
②長い目で見た地域課題解決型プロジェクトを立ち上げる
①については、こちらのマッチングサイト「YoBoZe!」を立ち上げ、今年は地域企業1社に協力していただき、実証実験をスタートしています。
②については、先ほど少し紹介した「農業複業化プロジェクト【米編】」をプロトタイプとしてスタートを切ってみました。こちらのプロジェクトには8名が参加してくれて、半分は首都圏在住だったり、首都圏⇔佐久地域の2拠点生活をされている方です。業種も様々で会社経営、コンサルタント、マーケティングなどなどクリエイティブな方々ばかりです。
お米を自給する安心感もそうですが、それ以上に、普段都市でデスクワーク中心のメンバーであるからこそ、土に触れ、農に触れることによって、例えば雑草を抜く作業をしながら内省したり、時折メンバーと雑談する中で、すごくよい気づきを得られる瞬間があります。本当に自分の人生にとって、お米自給する安心感+αの良い効果をもたらしてくれているようです。実際僕自身もデスクワーカーですが、非常にそれを感じています。ですので都市でデスクワークをするようなクリエイティブ層が、農を複業にすることは、相乗効果をもたらし、人生がより素晴らしいものになると感じています。
このプロジェクトも先日稲刈りを終えまして、来年を考える時期に差し掛かってきています。とりあえず今年は米を作ってみましたが、来年より複業化をが狙えるアイデアがちらほら出てきています。まさしく、農園がコワーキング化するよい効果だと思っていて、面白い活動に昇華していきそうです。
来年の今頃、どうなっているのか、本当に楽しみです。
◆うちやまコミュニティ農園2021年備忘録
と、コワーキングやら複業やらに話がいってしまいましたが、こちらは「うちやまコミュニティ農園マガジン」にも掲載する予定なので、今年の春からの様子を、備忘録的に写真中心に綴っておきます。
<3月味噌づくり>昨年育てた大豆を使って味噌づくり。今年大豆が採れるころにはおいしい味噌になっているはず。
<4月夏野菜&ジャガイモ植え>新メンバーがなんと20名増えて、50名規模に。
人がたくさん・・・笑
ちなみに昨年のジャガイモ&夏野菜植えはこんな感じ。だいぶ盛り上がってきました。
<5月草取り&夏野菜定植第二弾>緑がどんどん増えてきます。
<5月田植え>この時期が一番好きかも。
<6月大豆まきと田んぼの除草>来春も味噌づくりができるようにしっかり育ってね!
<7月ジャガイモ掘り&その場で蒸かして食べる>やっぱ外で食べるって最高です。
<8月夏の農園の花たち>癒されます、ほんと癒されます。
<9月秋野菜種まき&枝豆ご飯>今年はニンニクも植えてみました。
そして、先週末の稲刈りでした。今月末にはいよいよお米の脱穀です。新米をみんなでいただきたいと思います、楽しみです。
暮らしの中にちょっとだけ農が入り込むってのは、本当に人生より素晴らしいものにしてくれますね。
暮らしの中の農も楽しみながら、コワーキング続けていきたいと思います。