AIの進化により、弁理士のアイデンティティが脅かされるかも問題
はじめに
こんにちは、商標登録サービス Toreru の宮崎です。
今日は、AIの進化により、弁理士のアイデンティティが脅かされるかも問題についてお話します。
AIの進化により、変わるもの・変わらないもの
変わるもの
AIの進化により、特許明細書、特許調査、意見書作成、商標調査など主要な権利化業務は効率化されます。
また、スピードだけではなく、一部のタスクでは人間の質を上回る可能性があります。
そうした中では、弁理士の仕事は作成業務ではなく、AIのアウトプットのチェック業務になります。
変わらないもの
一方で変わらないものもあります。それは、人対人のコミュニケーションです。リアルやウェブミーティングによる人の価値は変わらないでしょう。
また、「責任を負う」という点も重要な役割として残ります。
弁理士のアイデンティティはどうなるのか
しかし、今まで多くの時間を費やしていた権利化の作業は、AIが主役となります。
その時に、特許明細書の質、商標調査の質をアイデンティティ(誇り)とした弁理士はどうなるのでしょうか?(これは僕も含まれます)
一部の人は、アイデンティティが失われたように感じるでしょう。
対策
対策はいくつかあります。
知財の権利化を総合的にできるようにする
対面の知財相談、営業、講演などのコミュニケーションに特化する
経営コンサルティングなどを組み合わせる
AIを利用して権利化を行う(AIを使いこなすことが上手いというアイデンティティ)
何もしない
知財の権利化を総合的にできるようにする
知財の権利化を総合的にできるようになると、1つの権利化の時よりも価値は大幅に向上します。
総合的なアドバイスは、AIには中々難しいです。
対面の知財相談、営業、講演などのコミュニケーションに特化する
対面のコミュニケーションは、「人」だからこそ意味があります。そのため、対面での知財相談などは、今後も求められていくでしょう。これが、メールやチャットなど文字を通したコミュニケーションになるとAIの可能性が高まり価値が下がっていくと思います。
経営コンサルティングなどを組み合わせる
知財から離れて経営コンサルティングに進出するのも価値が高いです。しかし、全く異なる専門性なので知識と経験を得ることが難しいです。
AIを利用して権利化を行う(AIを使いこなすことが上手いというアイデンティティ)
若手の弁理士はAIを積極的に使うことになるでしょう。その時は、「明細書作成がうまい」というよりは「AIを使った明細書作成がうまい」というアイデンティティに変わると思います。
何もしない
そもそも、仕事にアイデンティティを求めないことも有効です。少し寂しい感じもしますが。。
さいごに
この問題は、時代の流れが早い今だからこその問題です。
少しずつ今の業務から目を広げて、本当に重要な価値はどこにあるのかを考えていくと事前にこの問題に対処できます。
最後までお読みいただきありがとうございました!