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「Toreru特許」をリリースしました:その特徴と、生成AIで変わる特許業務の未来
はじめに
こんにちは、Toreruの宮崎です。今日は、新しいサービス「Toreru特許」についてご紹介します。普段「Toreru商標登録」で商標登録に関わるサービスを提供していますが、今回は特許の分野へと拡大した「Toreru特許」をリリースしました。生成AIの進化が特許業界にもたらす影響、そして今後の特許業界の未来についてもお話しさせていただきます。
Toreru特許とは?
Toreru特許は、日本初のクラウドベースで、生成AIを活用して大幅な効率化を実現した特許サービスです。これにより、特許業務が今まで以上にスムーズで効率的に進められるようになりました。以下、その特徴をご紹介します。
特徴1:クラウド上で特許を申し込み、管理ができる
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特許明細書や請求書がいつでもどこでも確認可能
複数の特許案件を抱えていても、進捗状況が一目で把握できる
クラウドベースのシステムにより、特許管理の煩雑さを大幅に軽減しました。簡単に申し込めたり、管理できるので、今までよりも特許出願のプロセスが非常にスムーズになります。
特徴2:充実した発明提案書が無料
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AIによる事前の発明ヒアリング
AIのヒアリング結果を踏まえた、弁理士による詳細なヒアリング
上記2段階のヒアリングに基づいた発明提案書を無料で作成
AIと弁理士の専門知識を組み合わせ、効率的かつ質の高い発明提案書を作成しています。発明を整理することは誰にとっても大変な作業ですが、より手軽に自社の資産を見える化できるようサポートしています。
特徴3:弁理士が生成AIを活用して効率化
生成AIを使用した明細書作成プロセスの効率化
品質、スピード、コストの3つの面で大幅な改善を実現
生成AIを取り入れることで、弁理士の作業効率が向上しました。コストパフォーマンスが高まり、企業の知財競争力を強化することが可能となります。
なぜ、今特許サービス?
「Toreru特許」をリリースした背景には、技術の進化があります。
特に生成AIが急速に進化し、現実的に特許の明細書作成のサポートが可能になったことが大きな理由です。今までディープラーニング技術で何度か特許業務について検証しましたが、なかなか難しかったです。
特に最近リリースされたOpenAI o1 pro modeは、弁理士に近いレベルに来ているなと感じます。
下の画像はモデルによる請求項の書き方の違いです。ドローンに傘を持たせた発明のお題です。
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o1 pro modeでは請求項の記載内容が相当改善されています。たった2年でここまで進化するのは驚きです。
さらに上位概念化について理解しているように見えました。特に「ユーザー」という記載ではなく、動物や機器も権利範囲に入る「被保護対象」にした方が良いとの指摘には本当に驚きました。まるで弁理士。
生成AIを実際の業務に適用する難しさ
生成AIの技術が追いついてきても、特許明細書のような複雑でステップが多い業務を実際に効率化するのはとても難しかったです。
単純なプロンプト(命令文)では、うまくいかず何度も試行錯誤が必要になりました。
その結果、1年以上の検証と数万字のプロンプトになりました。
プロンプトが多いと本当に大変だったので、正直もうやりたくないです・・・
特許業務の未来
生成AI時代には、特許業務について相当変わります。
AIと協働
生成AIの導入により、特許業務は「AIと協働する」ことが基本となります。
5年後くらいには生成AIは現在のWordのように誰もが使う基本的なツールになると思います。
経済産業省の資料を見ると、世界では日本に先駆けて生成AIを利用する動きが進んでいることがわかります。世界では「AIスキルのない人材は採用しない」が66%もありますが、この動きはもっと加速することでしょう。
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今年から、社内でも特許弁理士向けの研修を行い、生成AIを使った業務効率化の方法を共有しました。
企業への影響
「AIと協働する」ことで、企業の知財競争力は大幅に向上します。
コストの削減
AIの活用により、特許のコストが例えば半額に抑えられ、より多くの出願が可能になります。
スピードの向上
従来1ヶ月かかっていた納期が1週間、さらには翌日対応が可能となり、迅速な出願で競争優位性が高まります。
品質の向上
AIによるチェックを活用することで、誤字脱字などの基本的なミスを防止。さらに、権利化の方向性をAIと協議しながら進めることで、自分の盲点をカバーできます。
また、AIから学ぶことで、マーケティング、ブランディング、経営など多角的な知識を取り入れることができ、特許明細書の考慮する項目が増え、より効果的な権利を生み出すことができます。
脳のエネルギーの使い方も変わります。従来は特許明細書を書くことに多くのエネルギーを費やしていましたが、生成AIの導入でその負担が大幅に軽減されます。これにより、弁理士は考えたりチェックしたりすることに集中できるようになり、書き作業から戦略的な思考へと役割がシフトしていきます。
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10年後の未来の話
さらに進んで10年後にはどうなるでしょうか。
1. 発明が創作物から選択物になる
ChatGPT を開発している OpenAI社のAIの目標として、レベル4に「発明できること」とされています。
Level 1: Conversational AI
Level 2: Reasoners
Level 3: Agents
Level 4: Innovators
Level 5: Organizations
個人的な考えですが、実は、発明は無限にあるわけではなく、膨大ではあるものの有限の数なのではと思っています。そして、その多くをAIが探索可能になる日が来るでしょう。
その結果、発明は0から1を生み出す行為ではなく、AIが提案する数多くの選択肢から人間が最も適したものを選ぶ「選択物」になる可能性があります。
2. 弁理士の役割の変化
発明が創作物から選択物になっていく結果、弁理士の役割も変わります。
AIを使って発明を探索する
特許権を得られる発明が簡単に見つけられる状態になり、それを見つけて活用する作業に変わっていきます。
実際に孫正義さんもAIを利用して発明をブラッシュアップを行い、複数の特許出願を行っています。
経営など他の分野に注力する
権利化作業が効率化されることで、経営、マーケティング、開発など他の分野にも注力しやすくなります。これにより、知財と他分野の知識を組み合わせて高度な戦略を立てることが可能になります。
まとめ
今回はToreru特許と、特許業務の未来についてご紹介させていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました!