保険営業よもやま話「研修生はどこへゆく?前編 研修生制度の闇の部分を解説」
某損害保険会社の子会社で、研修生の育成の一部(研修初期の指導)を担当していたりします。
今日、9月末で研修生制度を卒業する研修生とばったりお会いして、今後についての話を聞いてきました。
一般の常識では考えられないような展開の話でしたので、今日は損害保険業界の闇の部分をさらけ出してやりたいと思います。
通常の研修生制度
2022年現在、代理店研修生制度は以下のような流れで運営されています。
①保険代理店に保険募集人として就職する
②研修生制度を利用して、①と(ほぼ)同時に保険会社に出向する
③保険会社の子会社に毎日出社して研修を受ける(入社から半年間)
④一定期間研修が終わると、保険会社に戻りOJT(=保険募集)
⑤損害保険、生命保険のノルマ(業界ではガイドラインと言います)をこなす
こんな感じです。
ノルマを達成したら?
⑥以降の話が重要です。
時期が来て、ノルマの締め切りと言うものがあります。私の所属する某保険会社の基準では、入社10か月末で損害保険300万円、生命保険200万円がノルマです。
このノルマを達成したら、2年目が始まり、雇用延長。
2年目のノルマ(損保700万、生保500万)が達成出来たら、晴れて代理店に戻って、いよいよ正規の保険営業人生がスタートします。
ここまでが、保険会社の開示している代理店研修生の流れです。
どこにも、「ノルマを達成しなかったら」という事には言及されていません。
ノルマ達成しなかった場合の処遇は?
代理店に紐づいて入社している現在の研修生制度です。
ノルマを達成できなかったからと言って、簡単に保険業界をクビになることはありません。
でも、「ノルマ達成できなかった場合」の明記がどこにもないので、代理店種と保険会社の担当社員(支社長も含めて)などは、「達成できなかったら代理店には帰さないぞ!」という圧力をかけてきます。
俗にいうパワハラです。
私も当然のように受けてきましたし、そのせいで相当メンタルをやられました。冗談ではなく、本当にあと一歩でうつ病になるところまで追いつめられるという経験をしました。
でもこれ、別に契約書を交わしているわけではないので、ただのパフォーマンスです。もしこれで本当にクビになったり、それに近い処遇を受けた場合は、労働基準監督署や労務関係に強い弁護士に相談したら、間違いなく勝てます。
研修生制度卒業後の現実
そして、無事にノルマを達成したとしても、現実は厳しいです。
過去にも書いた通り、ノルマを達成したからと言って、十分なお給料を受け取れるかと言えば、そんなことはありません。
損保で2000万~3000万(年間の保険料のことです)くらい契約の保有がないと、生活していくに十分な収入は得られません。
2年間の研修期間で、この数字をクリアするのはほぼ無理ゲーだったりします。
過去にも書いた通り、研修生を卒業して本気で保険業界で働くのであれば、保有を分けてもらえる(後継者として)代理店に戻るか、将来的に保有を増やせるために一定期間固定給にしてもらうか、あるいは副業を認めてもらって副収入を得ながら働く、などを考えておかなければいけません。
まとめ
そんなわけで、研修生制度を卒業しても厳しい現実が待っている!という事実をようやく理解した、卒業間近の研修生Aさん。
彼の今後について、めちゃくちゃなことを保険会社主導で行われていました。人の人生を何だと思っているんだ?と怒りすら覚えることでした。
詳細は、後編でお届けします。