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割れた茶碗を金継ぎする〜欠けを埋める〜

さてくっつけの大仕事が終わると、地味作業に次ぐ地味作業となります。茶色の日々。テキストを書くにも地味すぎて何を書いたら良いのか、中だるみってこれだよね。

今回、たくさんの欠片をくっつけた後の足りなかった部分を埋めるので、半月型の立体をまるっと造形します(図1)。欠けた器を直す方はこの工程からのスタートとなります。欠けた器を直す場合は釉薬+αが剥がれたような状態が多いだろうと思います(図2)。図が酷すぎてすみません。お絵かきは苦手です。

図1

欠けイラスト1

図2

欠けイラスト2

絵がひどいことはヒラに謝りつつ、それは一旦置いといて。図1と2では作業の大変さが違いますね。背後に背もたれがあるのとないのとの違い。今回、動画で実演しているのは図1の方です。で、これを埋め立てようとすると1回2回では無理で、5〜6回はかかるかなと読んでます。ということは、漆の最速ルート”1日1工程”で進めたとしても週1更新の動画には間に合わないということでして。つまり、今回は動画ありません。すみません(何度謝るのか)。

というわけで。次回の動画予告(ネタバレあり!)として、図1のような大きな欠損を埋める場合の一つの考え方について書いてみようかなと思います。

地の粉イラスト

これは”次に公開する動画でやってる作業を私はどう理解しているか”を絵にしたものです。教室の生徒さんでも、あまりに大きな欠けに対して「地の粉サビ使ってみましょか」という提案をしたことのある方もおられますね。多分みなさん「なんかわからんけどまーいいか」という感じだったと思うんですが(笑)、地の粉サビを芯とか核にしているわけです。

問題提起:芯であれば、埋め作業の1回目から地の粉サビにしても良いのではないか。

そこは一応私なりに理由はあって、欠けた茶碗の断面にある細かい凸凹をきちんと埋める素地作りの役目は、キメの細かい砥の粉サビの方が適してると考えるので、

●埋め作業の1回目、2回目は砥粉サビで足場を作る。
●3回目ぐらいに地の粉サビで芯を固める。
●それ以降は前面背面両方から砥粉サビで埋めながら表面のキメを整えていく。

という感じです。「芯を作る」のは、完成後の強度も考慮に入れてのことです。砥粉サビをミルフィーユ状の層に重ねていくだけでは少々脆いかなと心配なので。そういう意味で、芯の部分は地の粉サビ以外では木、樹脂、ボール紙などでも代用できます。

上記のイメージを理解するのが難しいなと感じる方は、ここはあんまり深く考えなくて大丈夫です。どちらかいうと、全体像が掴めないと前に進みにくい方向けに説明しました。なんにせよ、手を動かしてれば前に進みます。

今回は動画がない分、座学の趣きが強く出てしまいました。たまには勉強もいいですね。ではまた来週。

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京都の金継ぎ教室 まさこの漆
http://urushi.ojaru.jp
まさこの漆のnoteは毎週金曜更新!
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