音楽と金
私がスマホでTwitterを始めてもう8年位になるだろうか?
私の趣味は音楽なので、タイムラインに流れてくるツイートは、アーティストのライブのお知らせや、新曲の発表と予約、出演するラジオやTVの告知…などでほとんど占められている現状だ。
そういった告知を眺めていて、ふと私は大きな違和感を持った。 ほとんどのツイートがアーティストのメンバー個人個人と所属する事務所?のツイートなのだが、ほぼ同じ内容を何個も見てしまうのだ。
所属事務所がライブや新曲の告知を熱心にするのはあたりまえだと思うのだ。なぜなら、彼らはそれを収入源として会社を営業しているのだから、お客が商品を買ったり、ライブのチケットを購入してくれないと死活問題だからだ。
対して、個々のアーティストも、もちろん曲がうれなかったり、ライブにお客さんが来なければ収入が減ってしまうだろう。
だから積極的に宣伝する必要があるのはわかるのだが、なぜか、アーティストの発信するメッセージからは悲壮感というか、ギリギリの瀬戸際感が伝わってくる時がある。
「○月○日、□□でライブイベントやります!絶対来てね!」「○月○日、新曲出ます!必ず予約してね!」など、もちろんアーティストもお金で生活している人間だから宣伝が大事なのはわかるのだ。
わかるのだが、その裏に、「もしあなたが来てくれないと、私たちは本当に立ち行かなくなる😰😰😰
「誰も私たちの曲を聴いてくれないと、次の曲をつくるお金がないんだよ」
というような悲しい情念のような物が見えてしまうのだ。
それは、良い悪いではなく、恐らくそうせざるを得ないほど、まだ知名度がないアーティストはぎりぎりのところで活動しているのだろうと思う。
しかし、私は、なぜここまでアーティストが必死に自分達のことを売り込まなければならないのか、なんだか切なくなってくるのだ。
アーティストは、自分達の中にある感性や習得した演奏技術や、表現したい感情や想いがあって、自らアーティストという職業?を選んだのだと思うが、最初から自分達のことを積極的に売り込むセールスマンであったはずはないと思う。
私が知っている日本のアーティストは、皆一様にTwitterや InstagramやFacebookで宣伝を発信しており、それに対してファンはいいねを押し、自分達も彼らの宣伝をしたいと拡散に励むのだと思う。
だが、しかし、私はアーティストがこのような宣伝活動をしている時間が全く無駄なのではないかと考えてしまうのだ。
全てのアーティストが宣伝が大好きなはずはないし、嫌々ツイートしているアーティストも中には必ずいると思う。そもそも、音楽が好きでやっている人たちが、不特定多数の人間に自分達を売り込むことは大変なストレスだろうと察する。
どんな仕事も好きでやっている人ばかりではないのだが、少なくとも、音楽を嫌々やっている人などいるのだろうか?
0ではないだろうが、そんな人たちはごく少数だろう。恐らく彼、彼女らは自分の好きな音楽に全身全霊で取り組みたいだろうし、それ以外のことに興味がない人のほうが、どちらかといえば私は好きだ。
だから、彼らが気が進まないけどしょうがなくやっている?Twitterでの宣伝をみるとなんだか、辛い気持ちになってしまう。
では、まだそんなに知名度が無いアーティストがどうやったら自分達を売り込めるか?考えてみた。
SNSは安価に使えて、非常に効果的なツールだと思うが、情報を伝えたい相手を絞り込むのが難しい。
あるアーティストのことを全く知らない、興味のない人たちへも流れていき、そのまま素通りして情報の墓場?というか大海へはきだされる。
音楽に興味があり、常に新しい物へのアンテナを張っている人たちが最も重要なターゲットだと考える。
なぜなら、もうすでにアーティストの熱心なファンである人々は、恐らく無条件にCDや音楽データを購入するだろうし、ライブへも、アーティストのHPなどで自ら調べて開催日程も把握するだろう。
肝心なのは、音楽に興味はあるが、まだそのアーティストの曲を聴いたことがなく、名前も知らないという不特定な人たちだ。
20年位前までは、まだ、スマホも普及しておらず、音楽雑誌などで新しくアーティストを知る人がほとんどではなかっただろうか?
本屋さんで音楽雑事を手に取る人は、もうすでに音楽に興味がある人である。つまり、アーティストの新しいファンになり得る人である。
私は、このネットの世界で、そこに行けばあらゆるアーティストの情報が閲覧でき、かれらの音楽活動全般について詳しく調べられる総合サイト(アプリ)が出来れば、より効率良くアーティストも活動出来、なおかつファン側もそれまで知らなかった、優れたアーティストを発見する場になりうるのではないかと思う。
もしかしたら、私が知らないだけで、もうすでにそういう物があるのかもしれないが、私が現時点でそれを知らないということは、私の世界では存在していないのといっしょなのだ。
そういうサイトを創設するのは、もちろんお金がかかるだろうし、運営も大変だろう。だが、一度それを作ってしまえば、世界中の音楽好きは絶滅することなく脈々と繋がっていけるのではないかと思う。
spotifyやApple musicがあるじゃん。という意見もあるかもしれないが、私がイメージするのは、同人誌的な、本当に音楽が好きなだけの熱量を持ったサイトである。
といっているだけで、具体的にどうやったらそういう物が作れるのかは皆目見当がつかないが、少なくとも、今のように、アーティスト自身が悲壮感漂うツイートを連発しなくても済むのではないだろうか。
そんな無責任な事をぼーっと考えている私は、暇人なのだろう。
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