何の為に
新潟に住み始めてもう何年になるだろう。
私が地元の福井を離れ、新潟で暮らし始めて、途中3年程地元に戻ったが、トータルすると27年くらいは経つだろうか?
その間私は何度も職を変え、妻に苦労をかけ続けてきた。
そのせいで、妻には愛想をつかされ、今では全く相手にされていない。
子供達は2人とも大学生となり、それぞれ、東京と新潟で頑張っている。
概ね幸せだと言っても良いのだが、やはり私のズボラな性格と好き勝手やってしまう性分で、妻から嫌われてしまっているのが辛いのだ。
何とか元のように仲良くなりたいと、自分なりに家のことなどやっているつもりなのだが、世の男性の多くがそうであるように、女性からみると、全くちゃんとできていないのだろう。
ご飯なども作るのだが、どうしても自分の好みで食材を選んでしまい、子供や妻の好みになかなか合わせられない事は日常茶飯事だ。
妻から言わせると、「あなたは自分の事しか考えていない」らしく、趣味のギターを弾いたり、音楽を聴くのも、イライラの種のようだ。
確かに、自分の全く興味のない音楽を大きな音で弾いたり、鳴らされたら地獄であろう。
わかってはいるのだが、自分で自分を止められない。妻から言わせると、私はアスペルガー症候群の特徴を持っているらしいのだが、そう言われても、うーん…どうしよう?
思い返せば、自分は若い時から自分勝手で、周りの人に迷惑をかけ続けてきたところがある。
昨年亡くなった父にはいつまでも依存し、お金の無心をした事も何度もある。
自分の堪え性がないことを他の要因のせいにして、仕事を転々と変えてきた。
子供達に対しても、愛情は注いできたつもりだが、自分の趣味を優先してしまう時もあった。
反省ばかりの人生だ。
今は、たどり着いた福祉関係の仕事でなんとか
10年頑張っているが、私は元々工学部の出身だ。
製造業を10年以上経験したが、結局仕事のハードさや、単調な作業に嫌気がさしてドロップアウトしてしまった。
息子に言わせれば、「お父さんは前は鉄板を切ってるかっこいいお父さんだったのに、今は老人の排泄物をさわってるカッコ悪い人になってしまった」
これは、一般的に考えれば、そうではないと言えるのだが、小学生の男子にとっては、普通に考えて耐えられない事だったのだろう。
色々考えて今の仕事を選んだはずなのだが、多くの人にとって理解し難い転職を私は選び、今でもやり続けている。
何が正解かはわからないが、私は妻をうんざりさせるに足る事をしてきたのだ。
好きな音楽やギター演奏をやめる事はできそうもないが、私なりに家族の為に一生懸命できる事をやる。
それが今の私にできる唯一の事だ。
今日もメルカリで購入したアコースティックギターが配達される予定だが、妻はそれを見てどういうだろう。
ため息が聞こえてくるようだが、「これでしか出せない音があるんや」「そんなに高くないし」
言い訳してあきれられるだろうか。
でも、あなたの事が大好きです。