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経営課題のプライオリティー

ある企業に「企業理念の浸透」と「コールセンター機能の構築」という異なるレイヤーの経営課題がある時、どちらを喫緊の課題として着手するか、ほとんどの企業は後者を選ぶだろう。理由は簡単だ。しかるべきソリューションを持つコンサルに依頼ししかるべき手順に沿ってプロジェクトを進めていけば必ず立ち上げまでは完遂することができるからだ。「企業理念」など額縁に入れた飾りでありホームページを彩るパーツであって、費用対効果がよくわからないふわっとしたものだからだ。背に腹は代えられない、今出血しているところを止血する方が先だということだろう。でも想像してみてほしい。コールセンターで受けた事案がマーケティングやセールスに引き継がれなかったとしたら、受けた部署が問題意識をもって対処しなかったとしたら、社長に報告が上がらなかったとしたら、コールセンターは機能したといえるだろうか。組織は単独ではなく全体の連携によってはじめて機能する。すべての従業員が同じ想いのもと、それぞれの役割を全うしたとき、組織は初めて成果を上げることができるのだ。

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