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『Inviolate / Steve Vai』 リスニング・パーティ・レポート的レビュー

1.Teeth Of The Hydra
アルバムのジャケット、『Young Guitar』2月号の表紙でも持っておられる「Hydra」という物凄い楽器を使って弾いてる、とのことですが、具体的に「オッ?!」と感じられるのは共鳴弦のジャラーンくらい?ベースとギターが同時に鳴ってる所は、さすがに同時に演奏してるわけじゃないよね?!

コードもスケールも一筋縄では行かない、恐らくは既存の音楽理論で説明するのが困難な独自の世界であるのは間違いない曲。7弦の使い方は非常に効果的で、自分でも出来たら良いな、と思うけど、僕がDigitech dropで下げたギター弾いても「ただ低いだけ」にしかならない現実 ← 7弦は持ってない

2.Zeus In Chains
1:40辺りからのギター・リフはラインの音も混ざってる?
Viaの音楽性の中では比較的ポップな方なのかな。インタビューでご本人は「不協和音」と仰ってる部分も、前後の流れからするとサラっと流れてる、と言えなくもない ← そこまで主張が強いわけではない、という意味

3.Little Pretty
クランチのカッティングから、調性不明のアルペジオ、その後、更に調性が見えないメロディはシタールとユニゾン。こういうのって、どういう順番で考えて行くんやろ?メロディ後付けで、コード進行が先な気がするけど、わりと普通のメロディに、敢えて不可思議なコードを付けたように感じられる所もある。

ソロ・パート?は「5・5・5・7」拍子ですか…コード進行も調性を完全に超越してるのに、ずっとスケール・アウトしてるようには聴こえない。凄いな。。。

4.Candlepower
先行公開されてた曲。クリーン・トーンの曲は初めてではないけど、確かに新機軸に感じられる所が多いし、どうやって弾いてるのかサッパリ分からない部分も多い。全編指弾きとのことやけど、コントロール度は物凄い。TAB譜載ってる『Young Guitar』買っといたら良かったかな。

3:23でコード弾く所、歪んで聴こえるのは僕の環境だけ?

5.Apollo In Color
いきなりのワーミー。こういう部分が自然に聴こえるのは、ベーシックの音作りがそういう風に作られてるから、か。個人的にはもうちょっとストレートな音の方が好みやけど、そうするとワーミーな部分に違和感が出ると思われ。調性云々に関しては、そろそろ麻痺して来てる感が。

3:30から、左chで「ジーッ」ていうノイズが聴こえるけど、これは何のノイズなんやろ?僕の環境だけ???

6.Avalancha
アップ・テンポでストレートな…じゃないな。コードの調性とメロディのモード感が一致してないというか、少なくともダイアトニックな世界観ではない。キメ・フレーズの難易度も高そう。

7.Greenish Blues
「今回の7曲目はブルースで…」って、ブルースではないやろ。

シングル・コイルっぽいニュアンスやら、極々自然に出て来るワーミーやら、相反する要素っぽいのが一つに繋がって聴こえるのは凄いなと感じる。取って付けたような印象はまるでない。「Tender Surrender」でも感じたけど、ギターのヴォリューム調整だけでここまでトーンというか歪みの印象を変えられるのか?!この音やと少々ヴォリュームいじっても大してクリーンにはならへん気がするけど。

8.Knappsack
動画が公開されたの、1年くらい前?「果たしてこんなことが可能なのか?」と思って、実際に自分でも左手だけで演奏する曲を考えてみたのも1年前ってことか。

インタビューでも通して弾いてるわけではないようなことを仰ってるし(<ミュートがどうのこうの)、左手だけでは物理的に不可能であろうと思われるトーンの変化(<ギター本体のヴォリューム調整か、エフェクターのパッチが変わってるのかは未知数)が感じられる部分もある。動画が公開された時に「当て振りやのに!」みたいな意見も見聞きしたけど、僕はそういう次元は完全に超越してると感じるし、「左手だけで」というアイデアをここまでの曲に仕上げられたのは本当に凄いと思う。

9.Sandman Could Mist
ここまで聴いて来ると普通の曲に聴こえてしまうけど、全然普通ではないし、インタビューでは「完全なインプロヴァイズ」って仰ってるけど、さすがにそれはないやろ、と感じるけど…人間、鍛えればこんな領域まで辿り付けるのか?!

いや、コードに対する音の選択だけでも大変やろうし、ニュアンスとかタイム感まで危なっかしい所がないのは驚異的。僕は「弾けるか?弾けないか?」という次元で時間が掛かることも多々あるので、比較するのもおこがましいけど、弾けてたとしてもタイム感が今イチで、シックリ来るまで何度も録り直さないといけないことが多いので、これを一発で録れてるだけで土下座レベルです。

10.Swamp Faireis
日本版ボーナス・トラック。これは一発録りっぽい。

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全編聴く前にインタビューを読んで、もっと『Alien Love Secrets』みたいな方向性なのかと思ってたけど、わりとダビングも多いし、少なくとも「3ピースで演奏している」ようには感じなかった。

それにしても御歳60を越えて、未だに変化 / 進化されてるのは大いに尊敬に値すると感じます。そういう部分は音楽性の好みを超越してるのでは?とすら感じます。

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