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私の本棚、読書遍歴②(March,10)

よっぽど片付けをするのが嫌なのか、本を手にとっては読み、手にとっては読みを繰り返しています(早く片付けろよ)。

引き続き読書遍歴についてつづっていきたいと思います。

第二弾は、歴史小説についてです。

ミステリーを手に取ったきっかけが、アニメ「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」だったことはお話ししましたが、歴史小説との出会いもテレビがきっかけでした。

三谷 幸喜脚本、SMAPの香取 慎吾主演の大河ドラマ『新選組!』です。

大河ドラマらしく豪華なキャストが魅力的で、中でも副長土方 歳三を演じた山本 耕史がはまり役でした。

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土方 歳三と言えば、「鬼の副長」と恐れられたことで有名ですが、一方で

梅の花 一輪咲いても 梅は梅
知れば迷い しなければ迷わぬ 恋の道

といった、故郷の日野の豊かな自然や眼前に広がる風景、自らの思いの丈をありのままに切り取った、のびやかかつ繊細な句を詠む人間でもあります。

この冷徹さと繊細さを上手く両居させる、山本さんの演技に魅せられました。

土方 歳三は、あの激動の時代にあって最後まで「武士」としての誇りを貫き通した男です。価値観が大きく変わっていく中にあって、「百姓風情」とさげすまれながらも、自らの理想と誇りのために命を賭した男の生き様に強く惹かれました。

土方を描いた作品として有名なのは、司馬 遼太郎『燃えよ剣』北方 謙三『黒龍の棺』です。

土方は、鳥羽伏見の戦いから会津戦争、函館五稜郭の戦いまで戊辰戦争を戦い抜き、北海道の地で敵の銃弾に斃れますが、『黒龍の棺』では、そこにあっと驚く仕掛けが施されています。

また、『燃えよ剣』は、今年5月に映画化されることが決まっています。主演はV6の岡田くん(ひらパーでまたいじられるんでしょうね。)

こうして、土方 歳三を通して司馬 遼太郎と出会いました。

司馬遼太郎の著作論じるにあたっては、しばしば「司馬史観」という言葉がでてきます。

学徒出陣によって大東亜戦争に従軍し満州に渡り、本土防衛のために栃木で終戦を迎えた司馬の戦争経験が、彼の歴史の見方に大きな影響を及ぼしていいます。

戦時下にあって、その不合理さや人間の愚かさを目の当たりにした彼は、「合理主義」を是とするようになりました。具体的には、「明治」と「昭和」を対置して、従来の封建制度を短期間のうちに近代国家に作り替えた明治維新を高く評価する一方で、敗戦に至るまでの昭和を日本の暗黒時代として描いています。

登場人物については、土方 歳三もそうであるように、合理的で明晰な思考を持った人物たちを主人公とし、幕末~明治という時代を明るく活力のあった時代として描いています。

戦後の日本は、「戦前の否定」を出発点にしています。その意味でも、彼の作品が遍く世の中に受け入れられたのは、必然的だったのかもしれません。

ちなみに、彼の小説では「余談だが…」という言葉とともに、膨大な歴史資料から抽出してきた情報がやや脱線気味に語られ、それが楽しみの一つでもありますが、私の文章がしばしば脱線するのも、彼の作品の愛好者であることに起因しているような気がします。

司馬遼太郎の作品では、『竜馬がゆく』『坂の上の雲』も有名ですね。

新選組から読み始めたこともあり、幕末から明治が舞台の作品を中心に手に取っていきました。

新選組についての本では、浅田 次郎『壬生義士伝』も何度も読みました。

”人斬り貫一”と呼ばれ維新志士に恐れられた新選組隊士、吉村貫一郎

貧しさから南部藩を脱藩し、妻子への仕送りのため”守銭奴”と罵られながらも、儀を見失わずに生きた男の物語。

非業の死を遂げた一人の武士の生涯を通じて、普遍的な家族愛や激動の時代でも変わらない人間の姿を活写した浅田文学の最高傑作と呼ばれる作品です。

中井貴一、佐藤浩市主演で映画化もされています。Amazon Primeで観ることができるので、こちらもおすすめです。


以上、非常に偏った読書遍歴ですが、いずれの作品も私の人生において重要な指針となるような作品ばかりです。

気になった作品があれば、ぜひお手に取っていただきたいです。

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