阿泉雅昭 / NANAIRO COFFEE BREWERS

横浜市都筑区すみれが丘でスペシャルティコーヒーショップの店主をしております。どうぞよろ…

阿泉雅昭 / NANAIRO COFFEE BREWERS

横浜市都筑区すみれが丘でスペシャルティコーヒーショップの店主をしております。どうぞよろしくお願いします。

最近の記事

ジェンダーギャップ問題(BRUTUS編集部への要望書の件)

コーヒー業界としても古くから存在する表題の問題に、先日、問題提起がなされました。 2024年9月2日付発売のBRUTUS No.1015に、この十余年にわたってスペシャルティコーヒーシーンをリードしてきた業界の有名人が“キーパーソン”と銘打たれて紹介されているのですが、この人たちが全員男性だったというのが話の起点になっています(この段落ではぼくが乱暴に省略して書いていますから、この件について考えたい方は要望書のdraftにて必ず正確な趣旨をご確認ください)。仕方のない面が多

    • エスプレッソマシンのガスケット交換

      こんにちは。 さて今回はエスプレッソマシン、当店で使用しているLINEA-MINIのガスケットを交換したお話です。本稿では、エスプレッソマシンを使った経験があってぼくと同じお悩みがある人を想定読者として書いていますからベーシックな部分の説明はあまり入れません。 過去に書いたお話はこちらで → LINEA-MINIの抽出圧力低下とスチーム系不具合の対応 リンク先の記事ではエスプレッソマシンの基礎的なこともかるめに書きましたので、必要のある方は参照なさってください。 ・

      • コーヒーチェリーがやってきた。

        謝辞:ご自身が大切に育てられているコーヒーの木に実ったコーヒーチェリーを譲ってくださいましたSG様に、最上級の感謝の意を表明いたします。 ---------------- コーヒーの木コーヒー豆は、コーヒーの木という植物から収穫される農作物です。日本にいてコーヒー豆というと、いつもの茶褐色のコーヒー豆を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、あの姿になる前は・・・というと知らない方が多いと思います。今回は「コーヒーチェリー」と呼ばれるコーヒーの実を手に入れることができました

        • LINEA-MINIボイラー周りの不具合対応

          こんにちは。 さて今回は、みなさん興味津々エスプレッソマシン、当店で使用しているLINEA-MINIの機械系の話で、とくにボイラーの話題です。本稿では、エスプレッソマシンを使った経験があって、ぼくと同じお悩みがある人を想定読者として書いていますからベーシックな部分の説明はあまり入れません。 過去に書いた機械系のお話はこちらで ⤵︎ LINEA-MINIの抽出圧力低下とスチーム系不具合の対応 リンク先の記事ではエスプレッソマシンの基礎的なこともかるめに書きましたので、必

        ジェンダーギャップ問題(BRUTUS編集部への要望書の件)

          新型コロナウイルス感染症対策をしての、営業。

          新型コロナウイルス感染症。2020年はこの感染症の対応に明け暮れた1年になりました。個人的にも、店としてもこのことばかり考えている状況ですし、もちろんぼくのみならず日本も、そして世界も。こんなにも世界が一つのことに注目し、実際の生活にも長い期間影響が及んだ出来事は戦争以来のことでは。 今回は、当店での新型コロナ対応を記録としてまとめておくために書きました。 ・ ・ ・ 最初に「これは普通じゃないぞ」とアンテナを立てたのは2020年2月のこと。2月3日に横浜港に入港したク

          新型コロナウイルス感染症対策をしての、営業。

          焙煎度合い別の重さくらべ

          こんにちは。 ふと、コーヒー屋っぽいことを書いていないなあと思いましたので、そんな内容のお話を投稿します。 今回の内容は、すでに当店のSNSで2018年9月14日に投稿したものですが、こういう見せ方はなかなか目にしないとお客様から声を頂戴しますし、ぼく自身としても見かけませんので、コーヒー屋っぽいそしてユニークかなと思うコンテンツを note にも載せておくことにしました。 ・ ・ ・ さて本題です。最初にお伝えしたいことを書きますと、コーヒー豆は計りで計量しましょう

          焙煎度合い別の重さくらべ

          事を興すにも、続けるにも、根拠たるビジョンがほしい

          この店を丸3年続けてきて最近思うことは、「どういう価値を提供する店にするのか」を最初に決めておいてよかったな、ということです。 店をかまえるのにぼくが望んだ立地は住宅街でしたので、想定したお客様像は界隈にいらっしゃる方々。町に住むその方々に「あのコーヒー屋さんへ行こう」と思っていただかなければ現実に店に来てはくださいませんから、お客様がそう思える価値をつくる必要があります。 価値 ─── 。おいしいコーヒーというのは店のコアの価値に据えていますが、コアの価値だけで事業を継

          事を興すにも、続けるにも、根拠たるビジョンがほしい

          売上データ分析の話

          こんにちは。今回は売上データ分析の話を書きました。レジのジャーナルデータから「時間帯別・曜日別売上データ」なる表題のデータを作ります。 この記事の後半は有料としました。 無料の前半部分には、ぼくが作った完成版のデータを載せて、その読み方を書きました。 後半の有料部分には、データ作成の手順を書きました。Excelのピボットテーブルを使います。データの読み方などはインターネットを探せば出てくると思いますが、作成手順はコンテンツ化するのに手数がかかってけっこう大変ですから、こ

          ¥432

          売上データ分析の話

          ¥432

          エバーピュア漏水対応

          ─── は? ぽた? え?なんだ?どこから?エッエッエッ・・・エーーーーッッッ?! 気がついたのは2018年10月15日(月)のこと。浄軟水器エバーピュア社のハイフローシステムから・・・まさかの漏水。 白いシーリング剤が施された継ぎ目から、じわりしみ出ていました。水というのは漏れると本当に厄介で素人ではまず止め切れません。驚きましたし、最悪は数日休業しなければならないので、即刻メーカー殿に連絡をとって対応をお願いしました。 写真(⤴︎)に写っている白くかすれて下に伸びた

          エバーピュア漏水対応

          LINEA-MINIの抽出圧力低下とスチーム系不具合の対応

          この記事は、エスプレッソマシンを使った経験があって、ぼくと同じお悩みがある人を想定読者として書いていますからベーシックな部分の説明はあまり入れませんが、とはいっても皆さんに公開しているものですので簡単に前提情報も書きます。 エスプレッソマシンはボイラー(=boiler、水を加熱して蒸気を発生させる装置)が生み出す蒸気(=スチーム)によって圧力を得るための機械です。圧力発生マシンともいえます。コーヒーのおいしさが全然感じられない表現ですが(笑)、コアの機能はこういうことです。

          LINEA-MINIの抽出圧力低下とスチーム系不具合の対応

          エスプレッソマシンの漏電対応

          それは、2018年12月24日の朝のことでした。 毎朝、店に着いてシャッターを開けて、店内に入って荷物を置いて照明をつけて手を洗って、それから最初にすることはホットウォーターディスペンサー(=HWD、給湯器)とエスプレッソマシンLINEA-MINI(リニア・ミニ)の電源を投入することです。両マシンともお湯を沸かす機械で、沸くまでに時間がかかりますから電源投入は最初にやることにしています。 ですが、この日の朝は勝手が違いました。いつものように電源を投入すると店内全部が停電し

          エスプレッソマシンの漏電対応

          店をオープンするまで / (16)資金調達

          (序文) 「店をオープンするまで」シリーズの(15)で店をオープンしたのですが、今回の記事はオープン前に遡って資金調達のことをまとめて書きました。有料記事とした後半は金融機関とのやりとりなど、資金調達のために準備したことと実際に金融機関と相対して経験したことを綴りました。 記事の価格「¥432」は当店のブレンドコーヒー1杯の税込価格です。当店にコーヒーを飲みにいらして、ぼくがカウンターでお話し差し上げているような気分で読んでいただけるとうれしいです。具体的な内容ですので参

          ¥432

          店をオープンするまで / (16)資金調達

          ¥432

          店をオープンするまで / (15)オープン

          そして2017年9月29日。あさ7時30分ごろに店に到着するとアレレ? お祝いのお花が届いていました! ならびにある商店の皆さんには8月中にごあいさつをしていて、造作作業中も様子を見にきてくれたりなどしていたのですが、予想外のことにホントに驚きました。うれしかったです・・・! プレオープン最初のお客様は、お祝い花の納品に来てくださったお花屋さんの女性とその旦那さんで、お花屋さんのほうはぼくの友人の同僚でした。そこから正午前までがピークで、終了の13時前にはお客様のご来店はだ

          店をオープンするまで / (15)オープン

          店をオープンするまで / (14)造り込み(内装造作の現場)

          アタマで考えるのも好きですが、やっぱり物理的に形になっていくさまは見ていて高揚します。ましてや自分でプランニングした自分の店。創作物やプロダクトが出来上がっていくプロセスを見るのもドキドキするのでぼくは好きです。 次の6枚は、2017年5月25日に初めて訪れた不動産屋さんに、初めて物件を案内してもらったときの写真です。 床材、シンク(+なぜか洗濯パン)、便器、手洗い器+鏡が前に賃借されていた方の残置物で、これらの所有権はその時点で大家さんにあることは物件の契約をする前に確

          店をオープンするまで / (14)造り込み(内装造作の現場)

          店をオープンするまで / (13)造り込み(内装造作のプランニング)

          内装造作の完成図は、物件を見てから具体的なイメージが湧いてきました。水道蛇口の位置が決まっていて、変更すると工事費が高くつく水回りに手を入れるつもりはありませんでしたから、半自動的に現況で蛇口のある一角を厨房に決めました。そこから厨房を基点にお客様の導線を考えて座席を決めていきました。 お客様が椅子を引いて着席して、くつろいで、また椅子を引いてお帰りになるという一連の動作を行うのに必要な実質の空間を確保したら、テーブル席は3席6脚が適切に思えました。標準規格の車いすとベビー

          店をオープンするまで / (13)造り込み(内装造作のプランニング)

          店をオープンするまで / (12)造り込み(厨房と水回りのプランニング)

          物件の賃貸借契約をして、鍵の引き渡しが済んで、いよいよ店舗の造り込みです。2017年8月に入っていました。 全体のスケジュールは6月の時点で一度引いていましたが、物件の契約を済ませたということは家賃が発生し始めたということです。いままで浪費していたのは自分の時間コストだけでしたが、これからは現実にキャッシュアウトが始まりますのであらためて開店日までのスケジュールをキッチリ引いてシビアに進めます。 店舗の造り込みから開店日まで待ったなしのスケジュールです。内装造作を誰にお願

          店をオープンするまで / (12)造り込み(厨房と水回りのプランニング)