見出し画像

年始のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
年末年始は、皆様いかがお過ごしになりましたでしょうか。
私は家族で雪山に籠ってスキーを楽しみ、また昔からの友人と集まって食事をするなど、落ち着いた年末と新年を過ごしていました。

新オフィスの稼働開始、同じ空間で繋がる社員

さて、一昨年の秋に新しいMeta東京オフィスがソフトオープンしてから、新型コロナウイルス感染症の対策を万全にとった上で、昨年は多くの社員が徐々にオフィスに出社するようになりました。

新オフィスには、社員同士がコミュニケーションを取りやすいように工夫されたスペースがいくつかあるのですが、そこで社員同士がカジュアルに交流したり、活発にディスカッションをしている様子をあちこちで見ることができました。

私自身も、週4日のペースでオフィスに出社し、業務やミーティングの合間に社員とカジュアルに雑談をすることで、より相手のことを知ることができたり、新しく生まれるアイディアやコラボレーションも多くあり、リモートワークだけでは得られない繋がりを感じることができる一年でした。

また、当社が提供するバーチャル会議アプリ「Meta Horizon Workrooms」を活用した、VR空間での会議やイベントも昨年は多数実施しました。物理的には離れていてもお互いの存在を感じられることで生まれる繋がりや生産性がとても重要で、それはオンラインのビデオ会議や対面とはまた違う効果を実感しています。今年も、引き続き進化する新しいハイブリッド型のワークスタイルを取り入れたいと考えています。

日本から盛り上げるメタバースの共創

昨年は、当社がFacebookからMetaへと社名変更をしメタバースの構築に向けた事業への注力に方向転換したことに伴い、日本でもさまざまな取り組みを始めた一年でした。

メタバースビジネスを牽引する日本の約30の企業や団体、専門家、官公庁が集結し共創によるメタバースの構築を促すイベント「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」を、昨年日本で初めて開催しました。 7月にはメディアの皆様と一部関係者向けに限定して先行開催し、約2,000人が来場しました。官民学が基調講演やパネルディスカッション、エキシビションを通して、一体となってメタバースの現在・将来像を発信しました。

10月には場所を移して、日本最大級のテクノロジーカンファレンスであるCEATEC 2022内で開催し、METAVERSE EXPO JAPAN 2022を初めて一般公開しました。多くの方々にとってVRはまだ新しい概念であるかと思いますが、EXPOではオールインワンVRヘッドセット Meta Quest 2とMeta Horizon Workroomsや、AR技術を多くの方に体験いただきました。

また、12月には福祉の現場でXR活用の研究を行う登嶋健太氏と自治体と共に、福祉領域におけるVRやARテクノロジー活用の可能性を発信することを目的とした「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」を発表しました。登嶋氏と自治体と連携し、VR空間で疑似旅行を行う「VR旅行」の体験およびVRコンテンツ撮影のワークショップを通じて、シニアの地域社会とのつながりの強化と、コミュニティづくりをサポートします。まずは盛岡市・神戸市の2都市において、2023年1月以降にワークショップを実施していく予定です。
メタバース、そしてその構築に不可欠なテクノロジーにはゲームやエンターテイメントだけではない、幅広い可能性があると考えています。世界に先駆けて高齢化に直面する日本において、パートナーの皆様と共に、その可能性について模索・発信していけることを楽しみにしています。

一人でも多くの方にVR体験を – Meta Quest 2で人気ゲームを体験できるイベントを日本で初実施

さらに、VRならではの没入感の魅力をより多くの方に実際に体験いただくため、昨年の夏は数多くのMeta Quest 2とその人気ゲームタイトルの体験の場を提供させていただきました。

8月から9月の頭にかけては渋谷でポップアップイベント「Meta Quest 夏のVR没入体験」を9日間開催し、Beat SaberやEleven Table Tennisなどの人気のタイトルを体験いただきました。「暑さはない。熱さだけがある。」をテーマに、たくさんの方々に、異次元のリゾートのようなクールな会場で、暑さを忘れて熱いVR体験を楽しんでいただきました。

9月に開催された東京ゲームショウ2022 にも、Meta Quest 2として念願の初出展を果たし、Metaのブースには連日長蛇の列ができるほどの大盛況で、皆さんのVRへの期待を感じることができるイベントとなりました。
2020年10月にMeta Quest 2を発売してから、コロナ禍でなかなか対面のイベントを開催できずにいましたが、昨年はようやくそれが叶い、体験された方からも大変好評いただきました。昨年10月には、ハイエンドVRデバイスMeta Quest Proも発売し、MR(複合現実)の可能性をさらに感じています。

プラットフォームで活躍するクリエイターの支援

Metaはこれまでも、クリエイターの皆さんがInstagramをはじめとするプラットフォーム上で自由に自己表現し持続的な活動ができるよう、また新しいキャリアの可能性を切り拓けるよう、さまざまな支援をして参りましたが、昨年はメタバース空間にも活動を広げていただけるよう、XRクリエイター向けの教育プログラム Immersive Learning Academy を日本でもローンチすることを発表しました。

初心者からプロまで、誰でも最先端のAR(拡張現実)およびVR(仮想現実)スキルを身につけることができるプログラムで、日本では、オンラインカリキュラムの公開に加え、パートナーである学校法人 角川ドワンゴ学園と連携し、ARやVRに関するイベントやワークショップも実施します。プログラムのローンチイベントには、N高等学校・S高等学校の生徒の皆さんに参加いただき、パイロットワークショップで作成したVR空間を披露していただいたのですが、自分達を自由に表現し創作した世界を生き生きと紹介する姿に、私自身も、VRがもつ無限の可能性を改めて感じることができました。

InstagramやFacebookといった既存のプラットフォームを活用しているクリエイターに向けても、新しいツールを含む機能拡充や、様々なプログラムを引き続き実施しています。

このような取り組みの一環で、11月にはアジア太平洋地域のCreator Weekをインドネシアで開催し、計10の国・地域から総勢116名のクリエイターを招待、他国のクリエイターと会って親交を深めたり、コラボレーションできるイベントを実施しました。日本からも、Instagramのリールを積極的に活用してクリエイターとして活躍されている5名のクリエイターの方々に参加いただきました。国やジャンルを超えてコミュニティを作る場を提供することで、クリエイターとして似たような悩みや課題を抱えている人たちが互いに共感したり、モチベーションを高めるきっかけになったのではないかと手応えを感じることができました。

利用者の皆さんの安心安全が最重要

近年、特に注力している取り組みは、若年層(主に10代)の安全なオンライン体験を実現するための取り組みです。6月には、Instagramと全てのMeta Questヘッドセットでファミリーセンターを導入しました。ファミリーセンターは、Metaが提供するプラットフォームにおける10代の利用者のオンライン体験を保護者が見守り、サポートしやすくなるようなツールやリソースを提供する場で、専門家や保護者、若年層の利用者の協力のもと開発したものです。

またInstagramとMeta Quest製品では、13歳(InstagramおよびMeta Questを開設できる最低年齢)以上の子どもの利用体験を管理しやすくなるペアレンタルコントロールツールも導入しています。

9月には、安心安全にSNSを利用するために、10代の子どもと保護者に話し合いを呼びかけるキャンペーン「一緒に話そう!インスタANZENルール」を開始し、キャンペーンサイトにて10代クリエイターのインタビュー動画や、話し合いのヒントをまとめたガイドなどを公開しました。キャンペーンの開始を記念し、保護者との対話の重要性について生徒たちに考えてもらう特別授業を千葉県立千葉中学校も実施しました。参加した生徒達は、少人数のグループワークでお互いの体験を共有したり、特別ゲスト・クリエイターのぁぃぁぃさんのトークを通じてSNS利用について、保護者とどのように関わるべきかを考える機会となったようです。

メタバースにおいても、すべての利用者にとって、我々の提供するメタバース内で素晴らしい体験ができるよう、嫌がらせなどの不快な事が起きた際に、簡単に使えて役立つツールを提供したいと考えています。例えば、Meta Horizon Worlds(*日本未提供)では「セーフゾーン」と呼ばれるプライベートルームを用意したり、個人境界線(パーソナルバウンダリー)を導入したりしています。

Metaにとって、利用者の皆様の安全は最重要事項でありますが、メタバースは1社だけで実現するものではないと考えています。メタバースに関するルールもMetaのようなテクノロジー企業が築き上げるものではなく、そうあるべきではないと考えています。政府や政策立案者、業界、開発者、企業、そして何よりこれらのテクノロジーを利用する人々との協力が必要ですし、メタバースに関するルールづくりはテクノロジー企業ではなく、人々や社会の利益を優先すべきであると考えます。人権や市民権の保護を支援するコミュニティを早期に巻き込み、あらゆる人々の権利が保護されるよう、テクノロジーを構築していく必要があります。

今後もMetaは、専門家と協力を重ね、保護者や若年層の利用者のフィードバックを得ながら、機能の開発や改善、啓発プログラムなどに継続して取り組んでいきます。

プラットフォームのさらなる価値創造へ

昨年は新しいVRデバイス「Meta Quest Pro」の発表もあり、より多くの方にメタバースを知っていただき、次世代のソーシャルプラットフォームを実際に体験していただけたかと思います。

一方で、Instagramのグローバル月間アクティブアカウント数は20億以上で、日本でもますますたくさんの方にご利用いただいています。投稿を行って表現をする場、また投稿を見て興味のある物を発見し、出会える場としてこれまで以上に多くの利用者に愛されるコミュニティとして発展しています。

ソーシャルメディアの普及によって個人からの発信が盛んになり、組織から個人へとパワーがシフトしています。企業やビジネスも、消費行動に大きな影響を持つクリエイターと協業することで、より効果的なマーケティングをInstagramを通じて可能にしています。多くの利用者が様々なコンテンツを楽しんでいるInstagramは、ビジネスにおいてもこれまで以上に消費者との繋がりを深められる場として活用されるようになってきています。
 
2023年はメタバースの構築に向けて、より多くのステークホルダーと協業していくこと、さらには幅広い分野での活用例・ユースケースをご紹介することでメタバースが社会や経済にもたらす価値と可能性をより多くの方に実感いただくことなど、メタバースに引き続き注力していきます。加えて、Instagram にもより一層の注力をしていきます。安全に友人や共通の興味・関心を持つコミュニティーと繋がる場所として、クリエイターの活躍の場として、そしてビジネスを成長させる最適のプラットフォームとして、皆様に愛されるInstagramへと成長させるべく、さらなる価値を提供していきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。