見出し画像

東京日記2024/9/30-10/6


9月30日(月)曇りのち小雨

有休休暇を取得したので、会社は休み。ゆっくりとお昼に起きる。ゴミ出し、シャワー、洗濯、植物の水やりをする。12時、武蔵小山の業務スーパーへ買い出しに行く。途中のベーカリーに入り、お昼を買う。

昼 ピロシキ 唐揚げロール 天使のクリーム

路地を抜け、業務スーパーへ続く大通りに出る。その大通りを左に曲がるとスーパーがあるが、先にパンを食べようと思い、大通りを横切って路地に入る。少し進むと、右手に緑色の防球ネットが見え、その奥が丸いグラウンド、その手前が小さな公園になっている。公園側には、グラウンドに入るための道がまっすぐに延び、その道の脇に手すりが伸びている。手すりを境にして、左が草原、右が砂場、と空間が分かれており、砂場の方には屋根のついたベンチが置いてある。グラウンドの隅には、エナメルのバッグを置いた2人の男性がいる。公園のベンチにはお弁当を食べる女性がいたので、手すりを背にして腰をかける。

ピロシキの味をどんなものか忘れていたけれど、一口食べて、これだ!と思い出す。肉まんの両面をプレスして、よく焼きした感じ。唐揚げロールは甘ダレを塗った唐揚げが4個と、タレが染みた千切りキャベツ。天使のクリームは、ホイップクリームとカスタードが入っている。以前アルバイトしていたパン屋では、エンゼルクリームという名前だった。「エンゼル」という時もあるし、「天使」という時もあるのか。ホイップが天使なのかな。食べている間、お母さんが自転車を押す音や、向かい側の一軒家からは近所同士の世間話が聞こえる。隣のグラウンドに立つ男性2人は、立ちながらスマホゲームをしているのか、「これは強い」「これは弱い」と盛り上がっている。スマホを見ると、画面に反射した上唇にホイップが付いていた。舌で唇を舐め、公園を出た。

業務スーパーにて。
冷凍パイナップル 冷凍ブルーベリー 冷凍みかん ハム カレールー 蜂蜜 ひじき アクエリアス。

そのまま武蔵小山商店街を駅の方に向けて東に進む。DAISOで計量器を見る。ひとつ千円もするから、今回は買わないでおく。

無印良品500にて、ボウル中、プレート大を購入。プレートにボウルを重ねてレジへ進むと、セルフレジが壁の角に沿って並べられている。その真ん中あたりに女性店員がいて、カードを持っているか持っていないかで、有人レジかセルフレジを振り分けているらしい。片手に業務スーパーの袋があったから、セルフレジかあ……と思いつつ、自分でバーコードをスキャンする。紙袋にプレートをそのまま入れるのかなと思ったら、スキャン終わりのタイミングで女性店員が来て、プレートを紙で包んでくれた。

いちど家に戻り、食品を冷蔵庫に詰める。溜まっていた食器を洗い、新しく買った皿も洗う。プロテインを飲む。ヨーグルトも食べる。クッションに座り、少し休憩する。

16時、山手通りを北東に進み、目黒のトレジャーファクトリーへ。茶色のレッドウィングのブーツを見る。大鳥神社で道を引き返し、傘を差しながら帰る。103分、7.73km、10,235歩を歩いた。

夜 チーズオムレツ 温野菜 トマト キウイ 納豆 ひじき ご飯 パイナップル ブルーベリー みかん

夕ご飯を食べる前、デスクの上とキッチンの上を掃除する。枕カバーと布団カバーも新しいものに入れ替え、シーリングライトのシェードを雑巾で拭く。クッションカバーにリセッシュを吹き、玄関までの廊下を掃除機にかける。

そういえば、業務スーパーから武蔵小山駅まで商店街を歩いているとき、どこからか口笛が聞こえだした。私はヘッドホンでラジオを聴いていて、こんなに音が入り込むなんてあるのかなと思った。ノイズキャンセリングもしていて、雑音はほどよく遮断されていた。ラジオの背景に流れているわけでもないから、商店街にかかっているBGMかとも思った。ヘッドホンを外す。商店街のBGMではない。口笛はまだ聞こえているので、どこかの店前にスピーカーがあり、呼び込みや店の音楽として流していると思えた。辺りを見回すため、その場で一回転をする。すると、私のちょうど後ろ側から、唇を前に突き出した女性が歩いている。この人だ!女性は水色のワンピースを着て、ワイン色の眼鏡をかけている。肩幅が横に広く、左右のバランスは均整だ。私が見たのも数秒だろう、女性は私の左をすり抜け、駅の方へと歩いていった。ヘッドホンをかけても聞こえたということは、口笛は相当大きかったのか。それでも、口笛ははっきりと聞こえるわけでもなく、耳の内側から聞こえるような、まるで位置の掴めない音だった。私はそのままDAISOに入り、エスカレーターで階上に上がった。上りながら、なんで口笛をしていたのかなぁと考えた。

10月1日(火)曇り

6時起床。南西と南東に面した窓ガラスのカーテンを開ける。ベランダ側の窓を開け、その前方に扇風機を置く。風量を弱にしてつける。換気扇も開け、部屋の空気を入れ替える。
天気予報では、関東に秋雨前線が近づいており、天気は不安定という。ただ、ところによってはまだ暑く、大阪の方は今週30度を超えるらしい。シャワーを浴び、朝ご飯を食べる。

朝 バナナサンド フルーツヨーグルト プロテイン

9時、仕事を開始する。

昼 ハンバーグ定食(ご飯 ハンバーグ レタス スパゲティ くるみとちりめんじゃこ)

私が店内に入ったことをおばさんがおじさんに伝え忘れたそうで、おばさんが「まだ作らないの?」と言うと、おじさんは「えっ、作ってないよ」と驚く。それから小声で何かごちゃごちゃと揉め、おじさんが「5分かかる!」と呟き、おばさんが重ねて「5分ね」と確認する。私がスマートフォンを触っていると、左脇からおばさんが顔を覗かせ、「すいませんね、あと5分かかりますよ」と言うと、30秒しないうちにキッチンから「あと、2、3分かかる。ごめんねぇ!」と聞こえる。私はどちらとも、「大丈夫です」と返事をする。ハンバーグはそれから3分後に届いた。一口食べると噛めないほどに熱く、急いで水を飲む。

LEVI'S 501のリジッドジーンズが届く。直方体の段ボールで届くと思ったら、平面で薄いレターパックみたいな箱。下げタグとフラッシャーの留め具を外し、ティアオフタグをはさみで切り取る。ジーンズを広げるとごわごわとした生地感で、暗いインディゴブルーがノンウォッシュを証明している。履いてみるとウエストは適度に締まっており、レングスもL34にしたものの、生地は足首に溜まるほどだ。足首を二度ロールアップし、その場で何回か屈伸をする。膝裏にできたシワを、手で折ってはっきりさせる。糊が効いて動きづらいと思っていたが、日常で動く分には問題はない。久しぶりのボタンフライも、上からボタンを外す感覚が指にしっくりときた。

18時40分、退勤。

夜 温野菜 チーズオムレツ トマト ひじき 納豆 キウイ ご飯 ブルーベリーヨーグルト

20時、目黒川を沿って、目黒駅から五反田駅までを一周する。目黒駅西口の坂を下ったところにある天下一品は、お店の前に30人ほど人が並んでおり、道行く人が「すげぇ並んでるなぁ」と言っている。あとで調べたら、今日10月1日は天下一品の日らしく、並ラーメンの無料クーポンがもらえるそう。帰りにプチマルエツに寄り、ウインナー、白湯の鍋キューブ、キッチンペーパーを買う。

7.75km、96分、10,421歩を歩いた。

散歩中、鈴虫が鳴いているのを聞いた。吹いている風もしんしんと冷たくなり、どこか物寂しいような、ポケットに手を入れたくなる気温。

10月2日(水)晴れ

8時起床。6時の目覚ましが聞こえなかった。洗面台で顔を洗っていると、窓枠の左角に蜘蛛の糸が張ってある。角を繋ぐように張ってある。その後キッチンでパンをトーストしていると、冷蔵庫の横に小さな蜘蛛を見つける。さっきの糸はこの蜘蛛かしら。捕まえようとしたら、体全体を運動にのせ、冷蔵庫の裏へ逃げてしまった。

朝 ハムチーズトースト フルーツヨーグルト プロテイン

昼 ホワイトソースのチキンソティ(店の看板には、ソテーではなくソティと書いてあった) 揚げ焼売 レタス スライストマト なめこと大根の味噌汁

純喫茶でランチを食べる。前のカウンターチェアにまたがっている人が、靴につま先だけを入れ、かかとは外に出している。その靴下のかかとが私の視点の先にある。白色のロングソックスがぴったりとしたジーンズから伸び、かかとに行くにつれて、星型が崩れたような、紺色のペンキがついている。その人の両隣にも、がたいのいい作業服を着た人、アンダーアーマーみたいな服の人がいる。近くの工事現場の人かな。ランチは普通500円だけど、その三人は一人600円だった。ご飯を大盛りにしたのだろう(そんなオプションがあると、以前聞いたことがある)。一人がまとめて会計をしたときに、おばさんは「さぶろくじゅうはち」と計算していた。

Amazonからスパニッシュモスが届く。箱を開くと、敷き詰めた梱包材のようにぎっしりと葉が詰まっている。葉の隙間から灰色のフックをつまみ出す。海から引き上げられた藻のようだ。縦にも横にもボリュームがあり、薄い芝生のようなものが絡んで縺れあっている。その場で形を整えようと上下に振ってみる。下の段ボールとチェアの座面に、紙の切れ端のような茎がぽろぽろと落ちてくる。水をあげようと調べると、水を吸収するのは夕方から明け方らしい。水やりは霧吹きを使うみたいだけど、シャワーだと水圧が強いのかしら。

夜 白湯鍋 トマト キウイ 〆にうどん

20時、山手通りのDAISOへ。電源の延長コードとルイボスティーを買う。延長コードは電源タップの蓋が閉じられた火事対策のものにした。700円もした。帰宅後、部屋の真ん中を仕切るクローゼット側の壁に延長コードを伸ばす。本棚の前に置いてあるキーボードピアノを、無水エタノールを染み込ませたティッシュで拭き上げ、クローゼットに入れてあった譜面立てを取り付ける。キーボードピアノに、サスティンペダルと電源コードを差し込み、電源コードは延長コードに差す。ベルトが乗っていたスツールもティッシュで拭き上げ、キーボードの前に置く。ヘッドホンのコードを伸ばし、鍵盤側の左の穴へ繋ぐ。電源ボタンを押す。ボタンが赤く光る。鍵盤を押すと、音が流れ出す。指の練習でメジャースケールの各音階を確かめ、それから何曲か弾いた。

ALESISのピアノ・キーボード

寝る前に、スパニッシュモスにシャワーを浴びせる。なるべく勢いは弱く、上から横からと水を当てる。針金をシャワーヘッドフックにかけると、曲線を描いたスパニッシュモスの茎を、水滴が滑るように伝う。一滴が流れると、同じようなスピードで次々と水滴は続く。

10月3日(木)曇りのち小雨

8時起床。ゴミを捨て、掃除機をかけ、シャワーを浴びる。9時、仕事を始める。朝からあわただしい。

朝 フルーツヨーグルト プロテイン

昼 ペペロンチーノ牛めし

ペペロンチーノ牛めしは、キャベツとベーコンにペペロンチーノソース(唐辛子とにんにくとオリーブオイルかな)をかけ、牛丼に乗せたもの。松屋の新発売。

松屋で食事を終え、そのまま品川通りにあるDAISOまで歩く。店に入ってすぐ左に曲がると、窓際に植物コーナーがある。パキラ、サボテン、パセリの水耕栽培があり、その中にサンスベリアを見つける。サンスベリアといってもいろいろな種類が存在するらしく、ローレンティー、ハニー、ゼラニカ…など、スマートフォンを見ながら調べる。今回は、サンスベリア・ムーンシャインというのを買う。分厚い葉っぱがとうもろこしの葉のように重なり、葉の外縁には濃い緑のラインが入っている。
他の植物を見たら、葉が切れていたり、土が足りていなかったりした。手入れできてるのかなぁと思い、サンスベリアの土を触ってみると、ついさっき水をあげたようでじっとりと湿っている。袋に入れると崩れそうだったから、サンスベリアの苗をコーヒーカップを持つように持ち帰る。

コーヒーカップを持つように、サンスベリア

家に戻り、鉢を覆ったビニールを外す。鉢植えカバーに入れる。デスク隣のテーブルの、モンステラの隣に配置する。

夜 温野菜 チーズオムレツ ご飯 納豆 トマト キウイ ヨーグルト

山手通りを南東に進み、大崎駅まで散歩。途中、五反田のBOOKOFFに入り、古着のシャツとブーツを見る。ベージュ色のハイカットコンバースが800円で売られている。なんでこんなに安いのだろうと思ったら、履き口のところがジッパーで開閉するものだ。内側にシミもある。

帰り。本屋の前を通ると、膝丈ほどの誰でも書き込める黒板に、白いチョークで塗りつぶされた二つの雲があり、雲から飛び出るように虹がかかっている。虹は外側から紫、水色、黄、黄緑、赤、橙、白だ。七色になるように、一番内側には白色を使っている。チョークの色が足りなかったのだろう。その下には、メガホンの吹き出しに入りそうなフォントで「おとおさん おかあさん かぞくみんなだいすき」とひらがなで書かれている。ひとつひとつの文字が大きい。「かぞくみんなだいすき」のところからは、横いっぱいに文字が広がっているから、「い」のところで黒板の端にたどり着く。そのため、「す」をその右下に小さく書き、「き」を同じくらいの大きさで、「す」の上に乗せている。「おとおさん」の右横には、雲と同じくらいに塗りつぶした赤いハートが書いてある。私はその前にしゃがみ込む。2枚、写真を撮る。

マイバスケットにて、ヨーグルト、キウイ、卵、ヤクルト1000、納豆を購入する。1,117円。

今日は6.58km、107分、10,247歩を歩いた。

帰ってクッションに座っていると、ぽつぽつと雨が降り始め、急に土砂降りになる。30分ほどすると弱まり、雲の中からか、「ごおおおおお」と飛行機のこもったエンジン音が聞こえる。

10月4日(金)曇り

へんな夢を見た。私の手元の布巾には、緑と白の蛙が2匹入っている。それを私は愛していて、とても大事に持っている。私は自分の部屋に移動すると、布巾を床に置き、布巾の結び目をほどく。さっきまでいたはずの蛙がいなくなっている。代わりに、ゴキブリやムカデ、生ゴミや黒カビが地面のあちこちから湧き上がり、私の周りを取り囲んでいく。私は「蛙がいない! 蛙がいない!」と叫ぶ。窓ガラスの外も、ヘドロのような泥がベランダいっぱいに流れてくる。きっとどこかに隠れちゃったんだ! と、平泳ぎをするように周りをかき分けていく。顔中はもうぐちゃぐちゃだ。しばらくすると、急にふぅと呼吸を整え「もうこのゴミ屋敷じゃ駄目だね。助けを呼ばなくちゃ。清掃業者を呼ばなくちゃ」と冷静になる。それから、目が覚める。
昨日、ヤクルト1000を飲んだからかな。ネットのコメントで、飲んだあとは悪夢を見るぞって書いてあったのだ。

7時55分、出社する。

朝 バナナ プロテイン
昼 鶏そぼろ丼

18時、退社。帰りにマルエツプチに寄り、担々麺、野菜ジュース、ゆで卵2つ、チョコレートアイスを買う。

夜 担々麺 ゆで卵 焼きおにぎり フルーツヨーグルト 野菜ジュース

夕ご飯を食べた後からとても眠い。クッションに座っていると寝てしまいそうで、歯磨きとシャワーをして、すぐに寝る。

10月5日(土)雨

6時起床。カーテンを開け、扇風機を回す。シャワーを浴びる。外はどんよりとした雲が広がり、小雨が降っている。秋雨前線が近づいているので、今週の天気は雨マーク。

朝 ブルーベリーヨーグルト プロテイン

10時30分まで詩集を読む。吉本隆明を読んだ。

昼 牛皿定食

ブーツを履いて外に出る。不動前商店街の松屋に入る。時間は10時45分でも、11時まで朝食が食べられる。390円の朝食を注文する。食後、不動前駅から南西の坂を登り、長慶寺の裏路地に入る。道なりにしばらく進み、武蔵小山の業務スーパーへ。

業務スーパーにて。
冷凍パイナップル 冷凍みかん 焼き鳥のたれ ピザソース スイートコーン パイの実を購入。

帰り道、喫茶店を取り囲む生垣に、紫陽花が咲いている。そういえば、今日の朝に聞いたウェザーニュースでも、「紫陽花がまだ咲いてるんですね!」と、女性アナウンサーが驚いていた。家に帰ってカメラを持つ。喫茶店の生垣に戻り、紫色と白色の紫陽花、ランタナ、ヤブラン、ヒメジョオンを撮る。撮影中、おばあさんが駅の方向から歩いてきて、「斎場に行きたいのですが、どこにありますか?」と質問される。こちらが説明する前に、「そこを左ね?」と言われる。

紫陽花
ランタナ
ヤブラン
ヒメジョオン

14時、目黒駅へ。目黒川を通り、目黒駅の西口でFと合流する。そのまま目黒シネマへ行き、大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を見る。

映画館の座席に座り、ドリンクホルダーにペットボトルを入れようとすると、右のホルダーにスタバのカップが入っている。「これ、カップ入れるところ間違ってない?」とFに呟くと、「でも、座席番号が付いてるよ」と言う。右奥の座席を見ると、一番奥の席の右側にドリンクホルダーが付いている。「奥の座席は、右にドリンクホルダーがあるから、右じゃないの?」と質問する。「でも、左奥の座席は、左にドリンクホルダーがあるよ」とF。「本当だ」「右左どっちでもいいんじゃない?」「そういうもの?」「じゃない?」結局、私は左のドリンクホルダーを使う。でも、右に座った人が左利き、左に座った人が右利きだったらどうするんだろう。そうしたらドリンク置けなくなるなぁ、困るなぁと、予告映像を見ながら考えていた。

映画を見終わった後、目黒駅から南北線に乗って溜池山王駅、銀座線に乗り換えて銀座駅へ行く。松屋通りを左に曲がり、並木通りに入る。しばらく直進すると、右手に無印良品銀座店が見える。店内に入る。6階までエレベーターで上がる。エレベーターで上がった正面に、白色の横看板があり、「MOTHER—空想と現実のあいだにあるもの—」と書いてある。横看板の右下にはかまぼこ型の入り口があり、中に入ると長方形の空間だ。外の壁は白い壁紙で覆われ、左手に衣装ダンスが置いてある。その扉の取っ手をつかむと、ぎぎぎと音を立てながら外へ開いていく。タンスが展覧会への入り口なんて、秘密の扉みたいだ。

展覧会は、木彫りと灯りを使ったアート作品が、いくつか壁に沿って並ぶ。奥には鹿の置物がある。鹿の置物には二つの卓上ライトが当たり、外の白壁に鹿の影が映る。ライトはそれぞれ別の角度から当てられているため、大きさの異なった影が二つ、横に連なって出来ている。右側の影はお母さんの鹿、左側の影は子どもの鹿のように見える。その影を正面から見ていると、切り立った渓谷の奥を、親子がゆっくり歩いているみたいだ。でも実際の鹿は一匹だから、影との違いが不思議だなあ。

真ん中の光源の右側に、もう一つ光源がある

それぞれ作品の前に立ちながら、1時間ほど、これはどういうものなのかをFと話し合った。
見終わった後、Fと一緒にパンフレットも買った。2,000円。

銀座駅は人混みだったので、また目黒駅に戻る。不動前駅へ向かい、途中にある中華料理店「味一」に入る。背脂チャーハンを注文する。餃子も頼もうと思ったけれど現金がなく、今回はチャーハンだけにする。1,050円。

家に帰って靴を脱ぐと、ソックスのつま先のが茶色く変色している。ブーツのつま先が色移りしたのだ。それと、雨に多少濡れたからか生乾きの匂いもした。

10月6日(日)曇り

7時起床。
朝 ピザトースト フルーツヨーグルト プロテイン

シャワーを浴び、読書会の本をKindleで読む。2時間ほどで読み終わる。
10時、DiscordでNと読書会。13時まで話した。
お腹が空いたので、カメラを持って外へ出る。

昼 ペペロンチーノ牛めし

不動前商店街を南へ進むと、左手にパン屋がある。その戸口の前に、キャップをかぶった女性が立っており、金髪を揺らしながら、ちょうど自転車にまたがろうとしている。ヨーロッパ系の女性だ。自転車のリアキャリアには、横幅が50cmほどあるフラップ式のバッグが付いており、縦に細長い紙袋が6本飛び出ている。また、リアキャリアの両側面にはフックがかけられ、エナメル素材のミニバッグが連結されている。そのミニバッグはどちらも閉じられているものの、バッグの上部の隙間から細長い紙袋が飛び出ている。
女性は自転車のサドルにまたがる。同時に地面から浮かんだ右足をペダルに乗せ、またがった勢いのまま踏み出そうとする。サドルは前へ傾く。ただ、勢いが足りなかったのだろう、自転車はバランスを崩してしまう。両方のつま先は地面に下ろされ、自転車は停止する。すぐに女性は、ペダルに右足を乗せ直す。さっきよりも右足に力を込め、ペダルを前方へ押し込む。車輪はゆっくりと回転を始める。前後輪のタイヤが速度に乗ると、全体が安定したバランスをとる。自転車は滑らかに進み、前へ進みだす。しばらく直線に進むと、目の前のT字路で、女性は右にハンドルを傾ける。自転車は右方向へゆるやかにカーブする。私の視界に、自転車を漕ぐ女性の側面が映る。オレンジ色のタンクトップと、膝下までのステテコパンツ。前方の上り坂を見上げる女性の高い鼻。そして、視界か女性はいなくなる。
あのたくさんの紙袋はなんだったのだろう?パン屋の前だから、フランスパンを買ったのかな。その時、左手のパン屋から「いやぁ、よかったねぇ、すごいねぇ」と、店員同士の会話が聞こえる。もしかしたら、このパン屋さんに事前に予約をして、今日は受け取りに来たのかもしれない。だけど、予約だけだとあんなに「よかったねぇ」とは言わないから、予約した時間よりも遅く着いたのかもしれない。それで店員さんたちは、たくさん作ったフランスパンを眺めながら、このまま売れなかったらどうしようと心配していたのかもしれない。
首都高速道路の手前まで歩く。すると、向こうの曲がり角から、子どもたちが自転車に乗って走ってきた。

五反田駅から目黒川沿いを通って大崎駅まで行き、O美術館の次の展示を調べる。近くのハンバーガー屋では、外のテラス席に鉢巻きを巻いたヨーロッパ系のおじさんがいて、大きな口でハンバーガーにぱくついている。それを、前の席に座ったアジア系の男の子が、手元のカメラで撮影している。それを、近くの柱に背中をもたせ、女性が静かに眺めている。帰り、LAWSONで昨日撮影した花の写真を印刷する。印刷するときには写真の上下に空白を設け、写真の右下には日付を入れた。家に帰り、玄関横に広がる壁に一枚ずつ写真を貼る。壁はキッチンに向かうまでL字に広がっており、その壁伝いに写真を貼るのもいい。月ごとに貼っていって、1年間の写真が貯まれば、壁に年間の花図鑑が出来る。それも、実際に見た花図鑑だ。
6.97km、116分、10,796歩を歩いた。

夜 カレーライス

トマト2個を細かく刻み、水と一緒にゆっくり煮込む。野菜とウインナーは温野菜調理器で加熱し、スプーンで鍋に移した。あとはにんにくとスイートコーンを入れ、火を消したあと、カレールーを投入。ゴールデンカレーのルーは初めて使ったけど、バーモントカレーよりも辛くて美味しい。

LEVI'S 501を脱ぎ、ハンガーに吊るす。クローゼットの取っ手にかけてあるリセッシュを取る。ハンガーに吊るされたままジーンズを空中に持ち上げ、表から裏までリセッシュを吹きかける。ジーンズを乾燥させるため、カーテンレールにハンガーを吊るす。離れてジーンズを眺めると太ももと膝の裏側に、ごつごつとしたシワが入っている。1週間前にはなかったシワだ。これがジーンズでいう、ヒゲとハチノスなのか! 私はジーンズを、立派な彫刻を見るように眺める。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?