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将来性の高いNFT3選


2022年上半期の熱狂的なNFTブームから2年以上が経過しました。

当時は、小学生の作成したデジタル絵のNFTに数百万円の値がついたり、Xの元CEOジャック・ドーシーの初ツイートが290万ドル(約3億6600万円)で購入されるなど

NFTバブル

が発生しました。

そして、それらの出来事はメディアでも大きく取り上げられ、NFTは次世代のデジタルアートとして特集されました。

しかし2024年現在、NFTバブルは完全に弾け「NFT」の単語をメディアから聞くことはなくなっています。

今この記事を読んでいる皆さんも

暗号通貨価格の動きは追っていても、NFTの動きを追っている人は少数

ではないでしょうか。

では、NFTは完全にオワコンになってしまったのでしょうか。

今後はNFTを持っていても何の価値も生まないのでしょうか。

結論から言うと

NFTは本質的な価値を提供するサービスが構築されていくというフェーズにようやく足を踏み入れはじめた

ところです。

現在のNFT市場は、画像や映像をブロックチェーンと紐づけたデジタルアートのNFTの売買が中心です。

しかし、いずれは

現物資産をトークン化したNFTの売買が中心になっていく

はずです。

そして将来的には、トークン化したNFTを所持・取引することは、当たり前になっていくでしょう。

というわけで今回は

将来性の高いNFT3選

について記載します。

具体的には

  • Naming Service

  • カーボンクレジット

  • 不動産

について取り上げます。

今回取り上げるNFTは、将来的にマーケットが大きく成長し、売買も活性化し、NFTのメジャーなユースケースとなっていく可能性が高いです。

是非、これらNFTの仕組みと背景を理解し、玉石混交が集まるNFTの目利きができるように知識を鍛えてください。

きっとあなたの資産ポートフォリオの管理に大きく役立つはずです。

では、始めましょう。

Naming Service


まず将来有望なNFTとして

Naming Service

を外すことはできません。

具体的なNaming Serviceとしては

  • ENS

  • SNS

などのサービスが当てはまります。

ENSはEthereum Name Service(イーサリアム・ネーム・サービス)の略称で、イーサリアムのアドレスを人間が読みやすくするためのサービスです。

具体的には

0xBd89481B60aVa6191BB2C6888ee0e1c999W858Dc

のようなイーサリアムアドレスを

shouwano-ossan.eth

のような「人でも直感的に理解しやすいフォーマット」でアドレスを利用することを可能にします。

ENSの仕組み

上記の場合であれば、shouwano-ossan(昭和のおっさん)のEthereumアドレスだろうなということが、直感でわかると思います。

もう一つのSNSは、Solana Name Service(ソラナネームサービス)の略称で、ENSのsolana版です。

こちらもENSと同等の機能をブロックチェーンsolanaで提供しています。

これらブロックチェーンチェーンNaming Serviceの特徴は

NFT

としてサービスが作成されていることです。

つまり、ENSやSNSは

OpenSeaやtensorなどのNFT Market placeで売買が可能

になります。

NFT Market Place OpenSeaで取引されているENS

これは

将来有望なNaming Serviceの名称がNFTマーケットで高額で取引できる

ということです。

例えば現在のwebでは、ドメイン名が高額で取引されています。

ドメイン名とは

のような、人が読める形式のwebアドレスのことです。

webアドレスは

120.12.1.3

のようなIPアドレスと呼ばれる数値を並べたアドレスでwebサイトにアクセスする必要があります。

IPアドレスでwebサイトにアクセス

しかし、これでは人が使うのは難しいので、IPアドレスの数値を名前に変換したドメイン名を利用するのが一般的です。

ドメインを使ってIPアドレスに変換してからwebサイトにアクセス

普段皆さんがネットを使う時は、IPアドレスを意識することなく、このドメイン(URL)を使っているはずです。

このドメインはwebサービスを提供する個人・会社が、お名前.comなどのドメイン公式登録サービスから購入することができます。

例えば、これまでに最も高額で買収されたドメインは「sex.com」で、1300万ドル(2010年10月当時の日本円換算:約10億6,600万円)という金額で取引されました。

これは特段驚くことではなく、会社が成長したサービスのドメインを手に入れるために、数百万円から数千万円のお金を支払うのは普通のことです。

web開発会社に勤めている方であれば、高額なドメインを購入するということを見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。

今後、web3が世の中に浸透していくと

このドメイン売買と同じようなことがENSやSNSのようなNaming Serviceでも発生します。

具体的には

  • google.eth

  • google.sol

  • meta.eth

  • meta.sol

のようなENSやSNSのNFTが高額で取引される可能性があるということです。

ただ、気をつけて欲しいのは

GoogleやMetaのような中央集権型で成功した大企業が、分散型のwebに移行する可能性は今は低い

ということです。

なので、実際に将来高額で取引されるENSやSNSのNFTは

  • 未来に誕生する分散型サービスの名称と同じNaming ServiceのNFT

  • 有名な個人が利用する個人の名称を使ったNaming ServiceのNFT

になるでしょう。

みなさんが使う場合も

自分に関連のない適当な名称のNaming ServiceのNFTより、自分の名前やハンドルネームを使ったNaming ServiceのNFTの方を使いたいと思うはずです。

それは企業も同じです。

例えば、株式会社日本の「太郎」という分散型サービスが有名になれば

  • jptaro.eth

  • jptaro.sol

などのNaming ServiceのNFTを、株式会社日本は高額で購入するでしょう。

先程「sex.com」のドメイン買収で説明したように

ドメイン転売は既存のビジネスとして成立しています。

なので当然web3でも

Naming ServiceのNFTはビジネスとして成り立つ

ということになります。

もしかしたら、今みなさんが個人でENS名やSNS名を所持しているのなら、そのENS名やSNS名を将来高額で売ることができるかもしれません。

このようにName ServiceのNFTは

買って良し、売って良しの、非常に使い勝手が良く、将来性もあるNFTということができます。

カーボンクレジット


次の将来有望なNFTとして

カーボンクレジット

を紹介します。

カーボンクレジットとは

CO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジット(排出権)として発行し、他の企業などとの間で取引できるようにする仕組み

のことです。

とはいえ、この説明では投資や環境問題に詳しくない人には理解が難しいでしょう。なので、もっと具体的に説明します。

例えば、ある大企業Aが、地球温暖化対策として、CO2の1000トン削減を株式総会で宣言したとします。

CO2の1000トン削減を宣言する大企業A

しかし、事業を進めた結果、その年は目標の数値まであと100トン削減が不足しました。

大企業Aは焦りました。

このままでは世間の評価が下がり、株価が下落するかもしれません。

CO2の削減があと100トン未達成で焦る大企業A

色々な解決方法を考慮した大企業Aは、ある中小企業Bの取り組みに目をつけました。

中小企業Bは地球温暖化対策として、業務でCO2を100トン削減していて、その削減量をカーボンクレジットNFTとして発行していました。

CO2の削減100トン分をカーボンクレジットNFTとして販売

大企業Aは、中小企業BからこのカーボンクレジットNFTを購入することを決めます。

カーボンクレジットNFTの購入

これにより、大企業AはCO2の1000トン削減という目標を達成できました。

NFTの購入でCO2削減の公約を実現

このNFTの売買は

大企業Aが中小企業Bに依頼してCO2を100トン削減してもらった

と言い換えることもできます。

一方の中小企業Bは、カーボンクレジットを売却した利益で、さらにCO2削減のための設備投資ができるようになります。

これがカーボンクレジットの仕組みです。

今後、世界中でエコビジネスが加速していくことを考えると、カーボンクレジットは株式や不動産と同様、一般人でも取引できるようになっていくでしょう。

その中でも、企業でなく個人が行うカーボンクレジット取引で今後考えられるのが

住宅に関するカーボンクレジット取引

です。

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