バリデーターが新時代の資産運用になるのか見積もりしてみた
「ステーキングは世代を超えた富を創造するツール」
とイーサリアムコミュニティの開発者が発言したようです。
2024年現在、個人が富を増やす方法としては
株式投資
不動産投資
が一般的ですが、将来はここに
ブロックチェーンのバリデーター
という項目が加わるのかもしれません。
暗号資産に詳しくない人のために説明すると、ステーキングとは
トークンをロックすることで配当を受け取る
仕組みのことです。
具体的には
銀行の利子
のようなものです。
バリデーターとは
POS(プルーフ・オブ・ステーク)ブロックチェーンサービスを維持するために、暗号資産をステーキングすることでトランザクションの検証に参加して報酬を得ること
です。
ステーキングの利回りは暗号通貨の種類によって異なりますが、概ね
3% - 20%
になります。
利回りは人気のある暗号通貨ほど低くなる傾向があります。
暗号通貨を所持していてステーキングをやっている人は、少しだけ存在しますが、バリデーターとなるとほとんどいません。
なぜなら
バリデーターをするにはIT技術の知識とスキルが求められる
からです。
とはいえ、ITエンジニアに要求されるような知識と技術が必要かというとそんなことはなくて、ステーキングとバリデーターの動画を見て勉強すれば、多くの人がバリデーターを行うことができます。
バリデーターは
イーサリアム
ソラナ
等のPOSブロックチェーンで行うことができます。
そして、バリデーターを行うには
ブロックチェーン技術の理解
ネットワーク技術の理解
暗号通貨における税金の理解
運用で発生する費用の見積もり
について学習しておくと、よりスムーズに作業を進めることができます。
中でも
暗号通貨における税金の理解
運用で発生する費用の見積もり
については
バリデーターをする前に準備をしておく必要があります。
なぜなら、無計画にバリデーターを始めても
利益より運営費の方が高くついて赤字になる
税金の計算と管理に多くの時間を取られる
可能性があるからです。
特に
技術に詳しい人に限って、税金や運営費用などのお金の流れに関して無知なことが多く、勢いで始めたものの赤字になって後悔する人がいるので、そうならないよう注意が必要です。
バリデーターになるということは、
ネットワークの運営事業を行う
ことなので、事前の見積もりは必ずやるべきです。
というわけで今回の記事では
バリデーターが新時代の資産運用になるのか見積もりしてみた
というテーマでお話します。
この記事では、バリデーターを行う具体的なブロックチェーンとして
イーサリアムを例として取り上げます。
他のブロックチェーンでバリデーターを行う場合も考え方はほぼ同じなので、他のブロックチェーンでバリデーターになることを考えている人にも役立つはずです。
では、はじめましょう
バリデーター
まずは、ブロックチェーンイーサリアムの全体像から理解していきましょう。
イーサリアムは、「ノード」と呼ばれるコンピュータの分散型ネットワークです。
ノードは、イーサリアム・ネットワークに接続された各種のコンピュータを指します。
ノードにはクライアントと呼ばれる、各コンピュータがノードとして機能するために実行されるソフトウェアがあります。
このクライアントには
実行クライアント
コンセンサス・クライアント
の2種類があり、ノードとして機能するためにはソフトウェアが両方必要になります。
バリデーターは
コンセンサス・クライアントがオプションで搭載できるアドオン(追加)機能であり、この機能を持つノードは、POS(プルーフ・オブ・ステーク)によるコンセンサス作業に参加できるようになります。
具体的には
バリデーターに選定された場合にブロックを作成、提案でき、ネットワーク上で情報を得たブロックに対するアテステーションを実行できるようになります。
バリデーターは、このアテステーションを提出することで報酬を得ることができます。
報酬額は、アテステーションを行うバリデーターの数と、有効なステーク済みイーサ残高により計算されます。
つまり、イーサリアムのバリデーターとは
ETHをステーキングすることで、ブロック生成とトランザクション(取引)の検証に参加して、その報酬を得る
ということです。
これは
サーバー運営の一部の仕事を担うことで報酬を得る
とも言い換えることもできます。
なので、
バリデーターになることは、企業に属してサーバー運営の仕事をしてお金をもらうことと本質的には同じです。
異なるのは
中央集権の企業に属して報酬を得るのではなく、分散型のサービスに参画して報酬を得る
部分です。
仕組みさえ理解してしまえば、非常にシンプルな構造です。
中央集権型の企業への参画と異なり、イーサリアムのバリデーターになるのに面接は必要ありませんが、ノードの運用者がバリデータを実行するには、入金コントラクトに32イーサを預け入れる必要があります。
これは、2024年2月下旬現在の日本円にすると1300万円ほどになります。
この金額を聞くと
あまりに高額すぎる
と思う人も多いでしょうが、これは
バリデーターが悪意の行為を行った場合にペナルティを課すため
に必要になります。
このような高額な額が必要になると
「結局すでに資金が豊富なユーザーがさらに富を得るのか」
とがっかりしてしまう人もいるでしょう。
しかし
イーサリアムのようなPOSのブロックチェーンの方が、ビットコインのようなPOWのブロックチェーンより公平
です。
というのは
ビットコインのようなPOWのブロックチェーンは、資金が豊富なユーザーはその資金力を活かして高価なハードウェアを購入し、規模の経済による恩恵を得られる
からです。
一方のイーサリアムでは
ステーキング可能なイーサ資金が多ければ多いほど、より多くのバリデーターを実行でき、より多くの報酬を得ることができますが、報酬額はステーキングしたイーサの量と比例するため、どのユーザーも同一の割合の報酬を得る
ことになります。
つまり
どんなにハードウェアにお金をかけても、ハードウェアの性能によって報酬は変わりません。
イーサリアムではあくまでイーサをステーキングするだけなので、資金力と報酬の関係が比例しません。
収益と税金
バリデーターとなりステーキングで暗号通貨を取得したら、税金を支払う必要があります。
ステーキング報酬は、受け取ったタイミングで、その時点の時価がそのまま収入として認識されます。
なので、
ステーキング報酬が入るたびに記録・計算する必要があります。
計算方法には
総平均法
移動平均法
の2種類があります。
「総平均法」の方が手間がかかりませんが、常に最新の損益や平均原価を正確に知りたい方は「移動平均法」を選んだほうが良いです。
副業ではなくビジネスとしてやる場合も「移動平均法」をオススメします。
計算方法を具体的に説明すると、記事が長くなりすぎてしまうのでここでは割愛します。(いずれまとめて公開する予定です)
しかし、毎回自分で記録を取って計算するのは手間がかかるので
クリプタクトのような暗号利益計算サービスを使う
べきです。
経費削減のために自分で計算してもよいですが、ステーキング報酬は数日ごとに発生するので、毎回記録・計算するのは現実的ではありません。
なので
暗号利益計算サービスを利用する費用は、バリデーター運営費用として発生する
ことを認識しておく必要があります。
暗号利益計算サービスは、クリプタクト以外にも色々あります。
なので、無料で一通り使ってみて、自分に合ったサービスを使うのが一番良いです。
ただし、注意しておいて欲しいのは
暗号利益計算サービスは便利ですが
自分でも税金計算をできるようにしておくべき
ということです。
というのは
暗号利益計算サービスには、対応していない暗号通貨がたくさんあるからです。
イーサリアムのようなメジャーなブロックチェーンバリデーターをやるなら良いのですが、他のマイナーなブロックチェーンバリデーターをやる場合には、結局自分で収益計算を行う必要があります。
また、「総平均法」と「移動平均法」の計算方法を理解しておくと、米ドルから日本円に変換する為替計算でも役立ちます。
通貨大量発行時代には必須の知識なので、少しづつでいいので習得しておきましょう。
サーバー運用で発生する費用
バリデーターを行うにはサーバーを用意する必要があります。
バリデーターに最低限必要なサーバーは
Ethereum Node用サーバー
監視ノード用サーバー
の2種類になります。
サーバーはクラウドを利用しても、ハードウェアを購入してもどちらでも良いのですが、お試しの短期であればクラウド、長期でやるつもりならハードウェアの購入をオススメします。
なので費用としては
パソコンの購入 or クラウドサーバー
サーバー運用の電気料金
ネット接続料金
が発生します。
基本的にはこれだけです。
他には
書籍代
学習サービス利用の料金
なども考慮しておくとよいでしょう。
見積もり
上記までの内容をまとめると、イーサリアムのバリデーターを行うには
32イーサ
クリプタクトのような暗号利益計算サービス利用料
パソコンの購入 or クラウドサーバーレンタル費用
サーバーの電気料金
ネット接続料金
学習費用
が必要なことがわかります。
これらのことから詳細に金額を見積もると
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