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クリプトソーシャルFarcasterとLensの比較
2024年も中盤を迎えた現在、クリプトソーシャルの社会実装が進んできています。
クリプトソーシャルとは
暗号通貨を利用したソーシャルネットワーク
のことです。
具体的には
Xのような企業が運営する中央主権型のSNSではなく、バックエンドにブロックチェーンを利用した分散型のSNS
のことです。
2024年5月時点の主な分散型ソーシャルネットワークには
Farcaster
Lens
が挙げられます。
両者とも、2023年後半から2024年前半にパーミッションレス(一般利解放)が展開されたばかりで、今後の発展が期待されています。
なお、去年2023年にいち早く分散型ソーシャルネットワークを展開したFarcasterは、ユニコーン企業(評価額10億ドル以上)に早くも到着するようです。
ユーザー数も日々増加していて、新しい時代の到来を感じます。
私はソーシャルメディアという媒体をあまり利用する方ではないのですが
何事も実際に自分で経験して判断するべき
いう考えを持っているので、FarcasterかLensのどちらを使ってみようと思い、この両者を調査しました。
というわけで、今回の記事では
Farcaster
Lens
FarcasteとLensのどちらを選択するべきか
について記載します。
分散型ソーシャルネットワークの導入を考えている人は非常に役立つ記事になっていると思います。
是非、参考にしてみてください。
Farcasterとは
Farcasterは
イーサリアムとレイヤー2ネットワークOptimismの上に構築されていて、イーサリアムのウォレットを持っている人なら誰でもサインアップできるソーシャルプロトコル
です。
Forcasterはあくまでプロコトルであり、実際のSNSアプリケーションは
warpcast
を利用します。
Forcasterは、2023年10月にパーミッションレス(一般解放)を展開し、暗号ソーシャルプラットフォームの中で、王者的な地位になりました。
公開以来Farcasterは爆発的な成長をしていて、新機能のFarcaster Framesがリリースされた後は、さらに成長力を高めています。
Farcaster Framesとは
Facebookが最初に開発したコンテンツ標準であるOpen Graphプロトコルの拡張機能として構築されたFarcasterの新機能です。
ソーシャルメディアの埋め込みと同様に、静止画像またはアニメーション画像をコンテンツとして表示することができ、さらにボタンによってインタラクティブな要素を促進し、ユーザーの動的な反応を可能にします。
また、DEGENタグをコメント欄に追加することで、コミュニティメンバーが高品質なコンテンツに報酬を与えることができます。
DEGENは
warpcast内のコミュニティから生まれたトークン(暗号通貨)
です。
DEGENタグの報酬メカニズムを使ってユーザーにコンテンツを投稿するインセンティブを与えることで、多くのユーザーと収益を集め、驚異的な暗号ソーシャルメディア・プラットフォームに急成長しています。
DEGENシステムは、ユーザーのFarcaster上での活動や参加状況に基づいて毎日の報酬額を決定し、ユーザーがFarcaster上で価値あるコンテンツを公開することを奨励しています。
1日の報酬額の合計は、数千ドルに達することさえあります。
web3ダッシュボードを展開しているDuneのデータによると、2024年4月8日時点で分散型ソーシャル・プロトコルFarcasterの総収入は100万ドルを超え、ユーザー数は30万人を超えようとしています。
過去30日間で、ユーザーは毎日平均40万7000以上のキャストを投稿しています。
イーサリアム創業者のヴィタリック・ブテリンは、頻繁に使用するソーシャルプラットフォームをXからFarcasterに移行しました。
このように利用者が急上昇中のFarcasterですが、中央集権型のX等のSNSとは異なり、利用には支払いが必要です。
クライアントソフトウェアwarpcastの利用料金は年間5ドルです。
クリプトのプラットフォームでありながら、ドルでの支払いが可能になっていて、クレジットカードの利用も可能です。
また、米国の電話番号を持っている人であれば、無料でFarcasterにサインアップすることができます。(私は持っていないので確認できていません)
残念なのは、warpcastのアプリが不安定で、私のAndroidでは画面を立ち上げることすらできませんでした。(アプリ評価を見ると5ドル支払ったのに、アプリを使えないという人がいるようです)
Farcasterは、従来のWeb2プラットフォームとは対照的に、データに対するユーザーのコントロールを重視しており、エコシステム内の異なるアプリ間でソーシャルデータのポータビリティを可能にしています。
データのポータビリティは分散型SNSでは当然の機能ですが、Farcasterでも備わっています。
これらの現状を総合的に考えると
Farcasterは、2024年現在のNo.1暗号ソーシャルプラットフォームである
と評価することができるでしょう。
Lensとは
Lensは2024年2月にパーミッションレス(一般解放)を展開した分散型ソーシャルネットワークです。
それまでは招待制で、利用するためには第三者からの招待が必要だったのですが、現在では招待なしで誰もがLensのプロフィールを作成できるようになりました。
Farcasterが2023年10月にパーミッションレスを展開したので、lensはFarcasterから遅れること半年で分散型ソーシャルネットワークに参入したことになります。
利用料金は8maticで、LensのスマートコントラクトはPolygon上に展開されています。
Lensは常にコミュニティやユーザーからFarcasterと比較されていますが、議論の度合いやコミュニティの熱量という点では、Farcasterに遠く及びません。
そこでLensは、BONSAIトークンを立ち上げ、Farcasterの成功を模倣しようとしています。
BONSAIトークンはERC20とERC721の特徴を兼ね備えていて、Lensプラットフォームでの使用と受け入れが徐々に増加しています。
また、トランザクション処理能力を向上させるために、Momokaと呼ばれるL3拡張ソリューションを開始しました。
L3とはレイヤー3ブロックチェーンのことです。
L3を知らない人はこちらの記事も読んでみてください。
このようなlens関係者の努力により、BONSAIはFarcasterのDEGENになりつつあります。
今日、ユーザーがLensプラットフォーム上でクリエイターにチップやインセンティブを与える際、ほとんどの人がBONSAIを支払い方法として使用するようになってきました。
Lensはユーザー活動やコミュニティ規模ではまだFarcasterの後塵を拝していますが、BonsaiトークンとMomokaを通じてその差を縮めようと努力しています。
また、LensにはFarcasterのwarpcastのような直接的に開発しているアプリケーションは存在せず、すべての利用はLens上に構築されたサードパーティのアプリケーションを通じて行われています。
このことは、FarcasterよりLensのほうが開発者にとってチャンスがあるということができます。
FarcasteとLensのどちらを選択するべきか
FarcasteとLensのどちらを選択するべきか迷っている人は
Farcasterが利用できる環境であればFarcasterを選択するのが良い
と思います。
理由はシンプルで
snsはユーザーが多いほうが利用価値を感じられるから
です。
しかし、私の個人的な意見ではLensが好みになります。
なぜならFarcasterは、XやBlueskyを利用しているのとあまり変わりないように思えるからです。
Lensはより細かくカスタマイズできる環境が用意されています。
これは私がエンジニアでもあるので、エンジニア目線からの意見になります。
普通にイチユーザーとしてSNSを利用するのであれば
Farcasterのwarpcastが無難
なのではないでしょうか。
まとめ
今回は
クリプトソーシャルFarcasterとLensの比較
というテーマの記事を書きました。
まとめると
分散型のソーシャルメディアが成長し始めている
FarcasterとLensを比較すると、現在はFarcasterの方が人気
Lensは直接的に開発しているアプリケーションがなく、より分散が効いていて透明性も高い
ということです。
FarcasterとLensはどちらも分散型ソーシャルグラフプロジェクトで、ソーシャルネットワーキングの状況を再定義することを目的としています。
FarcasterのスマートコントラクトはOptimismL2上に展開され、LensのスマートコントラクトはPolygon上に展開されています。
両者ともデータポータビリティの機能を持ち、独自トークンでインセンティブを与え、L3を展開してネットワークを広げています。
このようにFarcasterとLensは基本的な設計が同じです。
今後登場する分散型SNSも、この設計がデファクトとなっていくのではないでしょうか。
分散型ソーシャルが中央集権型のソーシャルより支持されるかはまだわかりませんが、数ある選択肢の中の一つとしてユーザーに受け入れられていくことは間違いないでしょう。
この記事が皆さんの役に立てば幸いです。