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Backlogをどんな方に使っていただきたいのか?

Backlog、もうすぐ20周年

2005年6月20日、Backlogは「ASP型の課題管理・バグ管理無料サービス」としてリリースした。当時のBacklogは、プロジェクトにおける課題やバグ、TODOリストなどをWeb上で一元管理し、関係者間の情報共有を円滑にして、仕事の進捗管理にかかるコストを下げることを目的としていた。


当時、似たようなソフトウェアが他にもあったが、それらのユーザーインターフェースには課題があると感じていた。暗い配色で堅苦しく、どこか「仕事をやらさられている」という感覚を与えるものが多かった。

そこで僕らは、明るい配色、バリエーション豊かなユーザーアイコン、コミュニケーションを楽しくする絵文字などをソフトウェアに導入した。もっと遊び心のあるデザインにすると、楽しく仕事ができて効率も上がるはずだと考えたからだ。それがBacklog開発の背景にある。

ゴールデンカラーの「20」を中心に、未来的でお祝いムードたっぷりのシーンが広がり、チームが楽しそうに協力している様子を生成AIによって描いたイメージ

リリース当初、Backlogは次のような特徴を持つサービスとして説明していた。

  • プロジェクトにおける課題を一元管理する、課題管理サイト。

  • ASP型サービスのため、インストールやサーバ設置の手間が不要。

  • 無料で使用可能。

  • シンプルで遊び心のあるインターフェイスにより、簡単かつ楽しく課題管理が可能。

  • プロジェクトの進捗状況を可視化することで、課題をクリアする喜びを味わうことができる。

  • マイルストーン機能により目標となるゴールを設定することができる。

「SaaS」の先駆け

当時は「SaaS」や「クラウド」という言葉はまだ存在しておらず、Backlogは「ASP(Application Service Provider)型のサービス」と呼んでいた。今では当たり前に聞こえるかもしれないが、当時は「インターネットを通じてサービスを提供する仕組み」として革新的なもので、他の多くのソフトウェアとは異なり、インストールやサーバー準備などが不要だった。

リリース当時は、Backlogのようなソフトウェアを利用するには、まずサーバーを調達し、データベースなどの基盤を構築し、その上にソフトウェアをインストールする必要があった。これには1日以上かかることがあり、専門知識がないと手に負えない作業だった。それに対して、Backlogはオンラインでアカウントを作成すれば、数分で使い始めることができた。この手軽さは非常に画期的だった。

エネルギッシュなポーズとスピード感ある演出で、バックログの楽しさとチームワークを視覚的に表現している、生成AIによって描かれたイメージ

遊び心と手軽さが生んだ革新

振り返ってみると、Backlogがリリース当時に革新的だった点は、「遊び心のあるデザイン」と「手軽に使える仕組み」の2つだと思う。今もこれらを評価してくれるお客さまが多いことは、とても嬉しい。

そんなBacklogも、来年(2025年)の6月でリリースから20周年を迎える。この20年間、多くのユーザーに支えられながら進化を続けてきた。

このブログを書いているのは誰?

このブログを書いているのは橋本正徳。Backlogを開発・提供している株式会社ヌーラボの代表取締役だ。会社設立当初は、受託業務を獲得するために営業のように動き回っていたので、初期のBacklogの開発にはあまり関われていない。ただし、リリース時にはユーザー向けのFAQやマニュアルを書いた記憶がある。

若い頃(10代)は演劇をしていて、即興で生まれたアイデアを再現可能なオリジナル台本に落とし込み、公演のために練習を重ねる劇団を、僕ともう1人で主宰していた。

僕は、役者、照明、大道具、台本作家、舞台監督、当日のスタッフなど、さまざまな役割を持つ人たちがチームワークを発揮して一つの作品を作り上げることに魅力を感じていた。この経験は、今のチーム作りやコラボレーションへの姿勢に酷似している。

この度、Backlogのアドベントカレンダーの開催を知り、居ても立っても居られず、書き慣れないブログを懸命に書いてみている。

Backlogをどんな方に使っていただきたいのか?

これまでのBacklogと僕の歴史を振り返ると、どんな方にBacklogを使っていただきたいのかが見えてくる。僕は「遊び心を大切にし、チームワークやコラボレーションのためにすぐ行動できるリーダー」――そんな方々に利用してほしいと思っている。

ヌーラボでは、複数のチームや組織が共通の目標に向かって効率的かつ効果的に作業を進めるためのスキルや方法を「チームワークマネジメント」と名付け、この考え方を社内外に広めている。

僕自身は若い頃に演劇の舞台をチームで作り上げることに熱中していた。この経験は、チームで目標を達成する楽しさや充実感を教えてくれた。そして今では、その舞台を「会社経営」に移し、同じ価値観のもとで仕事に取り組んでいる。「チームワークマネジメント」は、まさに10代の頃に演劇を通じて得た僕自身の経験の中にも原体験として存在している。

「遊び心を大切にし、チームワークやコラボレーションのためにすぐ行動できるリーダー」をテーマに、カリスマリーダー、創造的な思考家、几帳面なオーガナイザー、ダイナミックな問題解決者が活気ある未来的な職場で協力している様子を生成AIが描いたイメージ

次は、「ブランド」という観点から、「誰にBacklogやヌーラボのサービスを使っていただきたいのか」を別の角度で考えてみたいと思う。

ブランドプラットフォームとサイコグラフィック

2020年の夏頃、ヌーラボは「ブランドプラットフォーム」を策定した。これは、国内外のヌーラボサービス利用者、ヌーラバー(社員)、そして創業者へのヒアリングをもとに、ヌーラボのブランドとして目指すべき姿を形式知としてまとめたものだ。サービスに関わる人々がブランドの全体像を統一して理解できるようにするための基礎となる部分を構築している。また、グローバル対応を考慮して、全てのドキュメントを英語で作成した。

ブランドプラットフォームには主に次の要素が含まれている。

  • ミッション(使命)

  • ポジショニング(市場での位置づけ)

  • ピラー(柱となる価値観)

  • ブランドメッセージ

  • サイコグラフィック(心理的属性)

現在は一部を和訳し、このブランドプラットフォームを活用したワークショップをヌーラバー向けに実施。新入社員のオンボーディングでもワークショップを取り入れ、全社にブランドの考え方を浸透させる活動を進めている。

このようにブランドプラットフォームを構築することで、ヌーラボのサービスを利用している皆さまへ一貫した体験をお届けできるように取り組んでい

サイコグラフィックとイーガークリエイター

ブランド構築の中で特に重要な要素が「サイコグラフィック(心理的属性)」だ。これは、僕たちが特にコミュニケーション取らせていただきたい相手の価値観や興味を抽象化したものだ。BacklogやCacooの利用者、またそれらの導入を決めた方々にヒアリングを行い、その結果得られたサイコグラフィックを「イーガークリエイター(熱心な創造者)」と名付けた

さらに、「イーガークリエイター」がどんなキャラクター(性格)を持つのかを具体化した。その定義は以下のような要素を含む。

  • チームメンバーを巻き込んで目標やタスクを効率よく最善の方法で完了させます

  • 状況に応じて自らの立場を変え、チームがひとつになれるように務めます

  • 前向きな言葉でチームの成功をサポートし、素早く目標達成を目指します

  • 経験豊富で柔軟に対応し、チームに影響を与えるような模範的な行動を取ります

  • 他者の意見を重んじ、様々な要素を含めて価値ある製品を判断します

ヌーラボのブランドプラットフォームで定義しているサイコグラフィック「イーガークリエイター」のスライド
ヌーラボのブランドプラットフォームで定義しているサイコグラフィック「イーガークリエイター」

ブランドの届け先を明確にする活動

サイコグラフィックでは、紹介したイーガークリエイターのキャラクター以外にも、興味や、ニーズも定義している。

このように、ブランドプラットフォームを通じて「誰に、どのようにブランド(サービス)を届けたいのか」を定義し、それを軸にさまざまな活動を展開している。

また、「イーガークリエイター」と、僕が思う「遊び心を大切にし、チームワークやコラボレーションのためにすぐ行動できるリーダー」には、「チームを巻き込みながら効率よく課題に取り組み、前向きな姿勢で新しい価値を生み出す人」という共通点があり、おおよそ同一視できると考えている。

自信あふれる男性バックログスイーパーと、集中している女性バックログスイーパーが、カラフルなカンバンボードを前に協力するダイナミックなシーンを生成AIが描いたイメージ

イーガークリエイターとバックログスイーパー

組織やチーム内のタスクを整理し、進捗を促すサポート役を「バックログスイーパー」と呼んでいる

イーガークリエイターはチームワークを通じて価値を創造する存在であり、バックログスイーパーはその中でもBacklog管理に特化した役割を担う。同じ特性を持ち、チームが重要なタスクに集中できる環境を整える点で、本質的に同じ目標を共有している。

以下に、イーガークリエイターとバックログスイーパーの共通点を挙げる。

チームへの貢献

イーガークリエイター

チームメンバーを巻き込みながら、目標達成や課題解決に向けて積極的に貢献する。

バックログスイーパー

バックログの整理を通じて、チーム全体が効率的に作業を進められるようサポートする。

効率性の追求

イーガークリエイター

効率よくタスクを進め、迅速な目標達成を目指す。

バックログスイーパー

バックログの優先順位付けや不要なタスクの削除により、チームの作業を効率化する。

柔軟性と適応力

イーガークリエイター

状況に応じて役割を調整し、チームの団結を促す。

バックログスイーパー

チームの変化に応じてバックログを整理し、必要な調整を行う。

前向きな姿勢

イーガークリエイター

前向きな言葉や態度でチームを支え、士気を高める。

バックログスイーパー

課題解決やチームの成功を目指し、整理や改善に積極的に取り組む。

価値の最大化

イーガークリエイター

有意義な貢献を重視し、チームに新しい価値を生み出す方法を探る。

バックログスイーパー

バックログを最適化することで、チームにとって最大限の価値を引き出す。

あなたの行動がチームを動かす

Backlogを使っている皆さんには、ぜひ『遊び心を大切にし、チームワークやコラボレーションのためにすぐ行動できるリーダー』として、このツールをさらに活用してほしいと思う。僕たちは、Backlogを、単なるタスク管理ツールではなく、チームを巻き込み、目標を達成するための頼もしいパートナーにしていきたい。

特に、バックログスイーパーやイーガークリエイターの特性を持つ人には、その力を存分に発揮してほしい。バックログスイーパーとして、タスクの整理や優先順位付けを通じてチームがスムーズに作業を進められる環境を整えるだけでなく、イーガークリエイターとして、前向きな姿勢でチームを鼓舞し、新しい価値を生み出すリーダーシップを発揮してみて欲しい。

リーダーシップを発揮することで、チームにポジティブな影響を与え、チームワークを効率的かつ楽しく進める原動力になる。『遊び心』は、仕事を楽しむため、前進させるための大切なエッセンスだ。自分がその楽しさを体現することで、周囲を巻き込み、チーム全体の士気と生産性を高めることができる。

今一度、Backlogを使って、チームと一緒に新しい価値を創造し、成功に向かうプロセスを楽しんでほしい。あなたの行動が、チーム全体を大きく前進させ、次のステージへ導くきっかけになる。

未来的なクリエイティブな環境で、自信に満ちたリーダーシップを発揮し、チームと協力してプロジェクトに取り組む様子を生成AIが描いたイメージ

※ 当noteの画像は生成AIにて描画しております(一部を除く)


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