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世阿弥 言の葉いちまい

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満茶乃の独断と偏見で、ふと目にとまった言葉を呟いている「1日1葉 パラパラ読み世阿弥」2019年12月より、Twitterにてほぼ日更新しているもののまとめ用マガジン。参考文献/…
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2020年4月の記事一覧

パラパラ読み世阿弥 80 「得たる上手にて、工夫あらん為手ならば、 また目利かずの眼にも面白しと見るやうに能をすべし。」 風姿花伝 第五「奥義云」より …目利き目利かず、どんな人にも面白いと思われる演技をする演者は 努力をおしまない。 この境地の人は花を咲き続けられると。

パラパラ読み世阿弥 79 「風体・形木は面々各々(めんめんかつかく)なれども、 面白きところはいづれにもわたるべし」 風姿花伝 第五「奥義云」より …天下の許されを得た演者は、 芸風や演技の形は各々変われども、どれも面白さがある。 そこに登り詰めるまでの方向性正しき努力♡

パラパラ読み世阿弥 78 「日を重ねたる申楽、 一日のうちは申すに及ばず、風体の品々を色どるべし」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …世阿弥の時代は、今と違って連日興行があった。 その日ごと番組ごとで細かく芸を変えて、 同じ人が何度見に来ても違う楽しさがあるようにと。

パラパラ読み世阿弥 77 「大網(たいこう)よりはじめて、ちち[些細]とあることまでも、 自然ゝに心にかくれば、 一期花は失せまじきなり」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …大網は根本。 細かい所まで心にかけ精進を続けると、時々の花を生涯咲かせ続けることができると。

パラパラ読み世阿弥 76 「ただ花は、見る人の心に珍しきが花なり。」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …不思議な事に、人って興味の無いことは 目にも耳にもはいらないように出来ているという。 珍しいと思わせるところに持っていく,その手前の技術というのもある気がするな。

パラパラ読み世阿弥 75 「人の悪きところを見るだにも、わが手本なり。いはんやよきところをや」 風姿花伝 第三「問答条々」より …言葉ではわかってる。 うん、わかってる。 でも、これほど実践の難しいことはあるやろか。 なかなか、そうはいかんな~人は鏡やと思うのが関の山😂

パラパラ読み世阿弥 74 「時の間の二神にましませば、両方への移り替り移り替りて」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …73葉続き。 解説などで男時女時が良し悪しで片付けられる事に私はずっと違和感がある。 陰に陽、朔に望月どれも敬われている。 優劣でも差別でもない。

パラパラ読み世阿弥 73 「男時・女時とは、一切の勝負に、さだめて、一方色めきて、よき時分になることあり。これを男時と心得べし」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …男時女時は勝ち負けの表現。 でも善悪ではなく、移り変わりを強調してる。潮の満ち引きの感覚。

パラパラ読み世阿弥 72 「人に知らせぬをもて、生涯の主になる花とす」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …有名な「秘すれば花」の前部分。 なぜこの心理にたどり着くかというと70葉にも書いた、良し悪しが「珍しさ」と直結しているから。 「肝要の花」とも言える深い部分。

パラパラ読み世阿弥 71 「能に、強き・弱き・麁(あら)きを知ること」 風姿花伝 第六「花修云」より …舞台上でパッと見にわかり、容易。 でも、現実は気付かない人が多いポイント。 能に限らずやけど、そんな単純なことに限って、見過ごしがちなんやな~(゜-゜)

パラパラ読み世阿弥 70 「因果とて、よき・あしき時のあるも、公案を尽くしてみるに、ただ珍しき・珍しからぬの二つなり」 風姿花伝 第七「別紙口伝」より …目新しさの有無。 昨今の流行りの波の大きさもまた同じやな。 やがて、まるで捨てるように飽きられる(゜-゜)

パラパラ読み世阿弥 69 「そもそも芸能とは、緒人の心を和らげて、上下の感をなさんこと、寿福増長の基(もとい)遐齢延年の方なるべし」 風姿花伝 第五「奥義云」より …貴賤の別なく、すべての人の心を和らげる。 世知辛い中でもせめても、この時ばかりは幸せを🍀優しい言葉や

パラパラ読み世阿弥 68 「神は、舞がかりの風情によろし。鬼は、さらに舞がかりのたよりあるまじ」 風姿花伝 第二「物学条々-神」より …神の役は、モノにより鬼のような恐ろしさも入れるが、舞の雅を入れることで神格が出る。神様への畏怖と鬼への畏怖の表現の本質的違い

パラパラ読み世阿弥 67 「和才あらば、申楽を作らんこと、やすかるべし。」 風姿花伝 第三「問答条々」より …なんということでしょう! 和文や和歌を作る技能があるなら能を作るのはやすかるべしとな! =文化的素養があれば、何でもできるよ! という荒訳してもいいですか♡♡♡