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【50歳の転職】アラフィフ転職・その後の話⑲★チームリーダーが常に優しくあるべき理由★
【今は昔】その人がいるだけでピリッとなる”怖いリーダー”が良い論
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団塊ジュニア世代の私たちが社会に出た頃、社内で評価されていた上司像は”異論を許さない厳格な上司”でした。
そんな人が出世をしていましたし、そうでない人は”生ぬるい上司”ということであまり評価されていなかったように思い出されます。
当時、スーパーマーケット業界も”部長”と言えばヤクザのような人ばかりで、店内でお客様がいるところでも「売場が出来てない!どうなっとるんだ!チーフと店長を呼べ」といった具合で大きな声で怒鳴りちらし、お客様から本社にクレームが入ったこともありました。
その人が居れば、とにかく場がシーンとして、どんなに理不尽なことであっても「ハイ!」と言わなければならない軍隊のような空気だったのを覚えています。
そしてそのような上司は”パワハラ上司”という言葉の登場と共に姿を消していきました。
思い返せば高度成長時代の会社は、とにかくモノやサービスを量産すれば売れる時代において、悪い言い方をすれば、いかに”部下をコキ使って生産するか”という目的のために厳しい上司を評価し量産してきたのだと思います。
その上司も「会社のために鬼になる」ということで演じていた部分が多分にあったはずです。
しかし近年、私の見てきた現場では、そのような昔気質のパワハラ上司の下にZ世代の若者が赴任した場合、特に女性は心の不調を起こし辞めていくパターンか、内部告発者となりパワハラ上司を徹底的に糾弾し降格や異動によって排除するパターンが多いです。
男性は若者も含めて生存本能として上下関係の中で上手に生きていくプログラムが入っており、面従腹背で表面だけ調子よく合わせることができる人が多いと思います。
裏では「またアイツ、アホなこと言っとった、アハハ!」といった具合に(笑)
今や"怖い厳格な上司"は絶滅しつつあります。
”怖いリーダー”が時代に合わない理由
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もう一つ”怖いリーダー”が時代に合わない理由をお話します。
例えば、スーパーマーケット業界でお弁当を作っている時に間違いを犯し、何かしらの損害を出してしまいそうな場合、
作業中に「すいません間違えました」と気軽に言える職場の空気であれば、大惨事は食い止めることができますが、販売してしまった後に誰が間違いを犯したか突き止めたとしても”後の祭り”です。
そして、お客様に健康被害が複数発生すると会社の存続に関わる問題に発展する大惨事に発展します。
以前あった駅弁の食中毒事件や老舗鰻重の食中毒事件はその最たる例ではないでしょうか。
何かしらの間違い(原料の汚染や異物混入など)は、作業した人が気づいていた可能性が高いです。
気づいた時点で上司に報告が上がり、不良品なので出荷しないという判断ができれば会社は存続できます。台風が来たり大雪が降ったり駅弁が納品できないことなんてよくあることなのですから。
しかし作業した人が「間違いを上司に報告したら怒られる」と恐怖を感じて黙ってしまったら大惨事に発展してしまいます。最悪、自分の間違いを突き止められたとしても「そんな記憶はないのですが・・」と言えば、それ以上は追及することもできません。
それを起こさないためには、日ごろから何か不審な点に気づいたら「間違ってしまいました」と気軽に言える職場環境作りをリーダーがしているかどうかに掛かっています。
間違えた・・と正直に言ってくれた方に「言ってくれてありがとう、また何か気づいたことがあったら少しのことでも言ってね、ありがとう」と特別な感謝を常に言えているかどうかです。
そうしていれば、周りでそれを見聞きしている人も「何か間違えたとしても気軽に言えばいいんだな」と思ってくれます。これが大切なのです。
「どうしてくれるんだ、会社に損害を与えて!本来だったら弁償もんだよ。今回はいいけど次から絶対に同じことを起こすなよ」と不機嫌に言ったらアウトです。大惨事が待っています。
頭の良いリーダーは楽しく仕事ができる
計算ができるリーダーは、心に余裕をもって仕事ができます。
例えば、先ほどのスーパーマーケットの例でお話すると、
月間売上高1,000万円・荒利益高300万円(荒利率30%)の惣菜部門があったとします。
(標準的なモデルです)
作業でミスが発生し、500円のお弁当を”100個廃棄”(捨てる)することになった場合、
500円で販売するお弁当の原価は半分の250円くらい(原価率50%)なので
2万5千円の損失、でも実際に全部定価で売れることはないので15%の値引きを加味して計算すると、実質1万7500円の利益損失。
それを月間にならすと、売上1,000万円に対し最終的な荒利高は298万2千円(荒利率29.82%)となり、仮に100個という大量廃棄を出したとしても”誤差”の範囲で収まります。
振り返ってみても、異常気象などで夕方の来店がかなり少なく、100パックの商品が廃棄になってしまった、という事例はいつ起きてもおかしくないのてす。
きちんと冷静に考えてみると、お弁当100個の廃棄は、実は恐れるに足らない誤差なのです。
変な商品を出すくらいなら、キッパリ捨てた方が明らかに、圧倒的にメリットの方が高いです。
そのような知見があれば、間違いが発生しても焦ることなく、間違えた部下にも優しく接することができ、適切な対応が取れます。
結論、いつも明るく優しいリーダーが良い
私が心掛けていることは、朝の挨拶を明るくすることです。
朝から不機嫌なリーダーが居たりしますが、職場を自分のものであると勘違いしている人だと思います。
職場は皆のもの、働きやすい職場の雰囲気を作るのがリーダーの役目だと思っています。
何かしらの間違いをメンバーに注意する時は、特に大切な注意の場合は人が居ないところで話したり(見せしめにならないように)、軽い注意でも正確な情報をきっちり伝えながら丁寧に説明することを心掛けています。
間違えようと思って間違える人はいないからです。
そして仕事時間が終わったら、感謝を感じさせるくらいの感情を込めて「お疲れ様でした」と見送っています。子どもと同じ位の学生アルバイトに対しても同様です。
実は、メンバーが働きやすい職場はリーダーも働きやすいです。
殺伐とした働きにくい職場は、皆が疑心暗鬼となり、強者にすり寄り胡麻をすったり、誰かを敵にして結束を高めたりと入れ替わりが激しく愚痴の多い職場となっているのではないでしょうか?
昔の様に仕事はつらいもの、給料は我慢代という時代は終わりました。
「リーダーは偉くない、働きやすい職場環境を作る役割の人である」というのが、アラフィフ転職を果たし、これまでの社会人人生を振り返り、再度、現場で働く中で至ったリーダー像です。
何かご意見などあれば、是非ともお聞かせください!
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