見出し画像

【訪問看護の人材育成】若手管理者(職)が結果を出すための5つのポイント【数字管理】

訪問看護業界において、若手の管理者(職)は年々増加しています。

私はえん訪問看護ステーショングループという訪問看護ステーションを経営していますが、弊社にも26歳で管理者をしているメンバーや、30歳前後の管理職が数名います。

実際、私も26歳くらいから立ち上げにジョインして、27歳からは管理職として数十人のマネジメントをしていました。

このように、20代後半から30代前半という若い年齢で管理者に就くことは、業界の活性化に大きく寄与する一方で、独自の課題やストレスに直面することも少なくありません。

本記事では、訪問看護業界で若くして管理者に就くことに関して、結果を出すために必要な5つのポイントをお伝えしてまいります(当時の自分に伝えたいことでもあります笑)。

管理業務に興味がある人、若くして結果を出したい人はぜひ参考にしてみてください。

(*本記事は管理者で統一表記していますが、管理職に属する人(所長・主任・リーダーなど)も含んだ内容となっております。)


【心得】若くして管理者(職)になることは超オススメ!ただし…

訪問看護に限らず、管理業務を担う人はある程度経験を重ねた人=年配者という認識があるかもしれませんが、私は若くして管理者になることをオススメしています。

先日もある経営者の方から若手管理者に関する相談がありましたが、若手の活躍は企業における事業発展のキーポイントでもあるという結論に至りました。

ただし、若くして管理者になるということは、さまざまな弊害があるということも心得ておく必要があります。

私は今まで多くの訪問看護ステーションに携わってきましたが、ただ若いというだけで足元を掬われやすく、突き上げを喰らうことも事実としてあります。

ぶっちゃけた話、周りでも潰れて脱落していったメンバーは多いです(管理者という業務自体に潰れたパターンもあるので、若いという理由だけではありませんが…)。

若手が突き上げを喰らう理由はだいたい以下の通りです。

  • 若い(臨床判断が甘い)

  • 現場をわかってない

  • 癇に障る

  • あなたに言われたくないなど

見ていただいてわかる通り、どちらかというと感情的な理由が多いです。

感情的な理由から始まって、現場での臨床力や対応力といった、課題がある点を突かれることも多々あります。


若手管理者(職)として結果を出すための5つのポイント

このように、当たり前のことではありますが、若手で管理者に就くことは容易いことではありません。

正直、この点は現場で学ぶしかないと思っておりますが、その中でも意識をするだけで結果を出せるポイントがあります。

私が思う、若手管理者として結果を出すためのポイントは以下の5つです。

  1. 地道なことをコツコツやる

  2. 社会人として抜けた行為はしない

  3. 面倒な先輩部下とも逃げずに向き合う

  4. 圧倒的な成果を出す

  5. 圧倒的な行動力を持つ


地道なことをコツコツやる

管理者になると色々なチャンスが舞い込んできます。

中には派手でカッコ良さそうなこともあるかもしれません。

特に若い時はキラキラ光っているように見えますが、一番信頼が積み上がることは地道なことにあります。

例えば、みんなが嫌がる仕事や苦手とする仕事に真っ先に向き合うことや、朝早く起きてみんなのために準備出来てるかなどです。

このような泥臭いことが大事だなと改めて思っております。

この点は若手管理者に限ったことではありませんが、スタッフが成長し、気持ち良く働き、そして成果を出してくれる環境をどう作るかが重要になってきます。


社会人として抜けた行為はしない

次は社会人として抜けた行為はしないです。

遅刻やスケジュール抜けなど、当たり前のことを当たり前に出来るようにするのが重要です。

確かに訪問の影響もあるかと思いますが、この点は是が非でも抑えておいた方が良いです。

偉くなると遅れて良い(?)みたいな文化があるのかもしれませんが、ミーティングなどで途中参加をすると全体像を把握しにくくなり、結論が破綻してしまうことが多々あります。

また、管理者が遅刻をしてしまうと、スタッフも遅刻していいんだという文化が醸成されてしまうため、士気低下に繋がってしまいます。


面倒な先輩部下とも逃げずに向き合う

【心得】の部分でも触れましたが、管理者経験が浅いうちは、必ず臨床知識でマウントをとってきたり、足を引っ張ってくる先輩部下が出てきます。

事実、私も男性の先輩PTが足を引っ張ってきた経験があります。

特に看護師で女性の若手管理職は、同姓の先輩看護師から足を引っ張られやすい印象があります。

この点、医療職において臨床経験の差は絶対という風潮があるため、突き上げられると逃げたくなったり、逆に管理者が媚び諂ったりする現象もよく目にします。

しかし、これはその場凌ぎの対応であり、マネジメント視点からみると逆行していることを理解しましょう。

臨床経験はお互いその仕事に就いてる限り、差は一生埋まりません。

差があるのは事実と捉え、知識を教えてもらったり、力を借りるという思考にシフトしたほうが良いでしょう。

あくまでも管理者の仕事は、マネージャーとして向き合い、組織課題の解決することです。

先輩に媚びを売るだけでは絶対に誰かに足元を掬われます。

管理者として、年上でも上司でも部下であっても、必要な時には適切に叱る必要があります。

これを履き違えるとマネジメントの序列が変わり相当な苦労をするので注意が必要です(私も経験談あり)。


圧倒的な成果を出す

マネジメントは『結果』がすべてです。

もちろん、頑張ってるという事実はスタッフも見てくれていると思いますが、いつまでも頑張ってるだけでは通用しません。

また、結果が出なければ自分の処遇だけでなく、マネジメントしてるスタッフの評価・処遇(昇給や賞与、その他)も上がらなくなってしまいます。

このような事実がある以上、結果の出せる管理者のもとで働きたいというのが当然の心理です。求心力が落ちてしまうとも言い換えられます。


若手管理者は管理者経験も浅い、臨床経験も低いとなると、スタッフからリスペクトの目線で扱ってもらえません。

この点、若手管理者に意識してもらいたいのは、圧倒的な成果を出すことです。

圧倒的な成果があると周りの扱いも変わり、自分にも自信が持てるようになります。

例えば、私の場合はリクルートでした。

管理職になった時から考えると、年間5人以上は採用しており、トータル100名程度はリファーラル採用に寄与していました。

正直、これだけでも企業から見ると圧倒的な成果だと自負をしています。

私の場合はリクルートでしたが、営業や見やすい資料作り、ネット関係に強いなど、あなたの強みを活かして圧倒的な成果を出すことを意識すると良いでしょう。


圧倒的な行動力を持つ

最後は圧倒的な行動力を持つです。

今までお伝えしたことも、圧倒的な行動力があってこそです。

特に若手管理者は、誰よりも意識しておくことが大事です。

私もここ7-8年は、朝5時くらいに起きて行動力を維持するよう心がけています(飲み過ぎた次の日以外は除く…笑)。

レスポンスも一番早くするよう意識しています。

「圧倒的」は、中途半端な行動では生まれないことを覚えておきましょう。


若手管理者(職)にオススメの数字管理方法

最後に数字管理について触れておきます。

「圧倒的な成果を出す」にも通じますが、管理者においては数字管理に強くなる必要があります。

なぜなら、管理者にとって絶対に避けられない部分だからです。

しかし、若手管理者や新米経営者においては、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。

このような方にオススメなのが 、*KPIを「利用者人数」 にするという方法です。

*KPIとは:企業や組織の目標達成度を評価するための指標


なぜ利用者人数なのか?

では、なぜKPIを利用者人数にするのがオススメなのかをお伝えしていきます。

結論、利用者人数さえ把握をしておけば、ある程度の売り上げの概算を出すことができるからです(下記式参照)。


1利用者×月平均の訪問件数/人×平均単価=売上の概算
*1利用者辺りの月の平均訪問回数は6-8回程度(看護師:リハ6:4で介護:医療は7:3くらいの事業所) →リハビリ主体のところだと月の平均訪問回数は少なめとなり、看護中心で医療依存度が高くなれば月の平均訪問回数は多くなることが多い



このように、自社の特性を知っていれば、利用者人数である程度の数値を掴むことができます。

「利用者人数は月のブレが多い!」 という批判を受けそうですが、母数が多くなれば平均化されるため、KPIの導入に関しては利用者人数で十分だと感じています。


また、スタッフへの説明の際にも、利用者人数なら伝わりやすいというメリットもあります。

管理者に就けば月の売上目標にも携わるかと思いますが、それをスタッフに伝えるのも役割です。

その際、売上を60万円増やしましょう!と言っても、ピンと来る人は少ないでしょう。

実は、以下の3つはすべて同義です。

「売上を60万円/月増加」
「訪問件数を75件/月増加」
「利用者人数を10人/月増加」
※例:1人利用者×月7.5回訪問× 平均単価8,000円の事業所


このようにみると、利用者人数で伝えるのが一番分かりやすい気がしませんか?

もちろん売上というKPIで伝われば良いのですが、制度理解をしていないと難易度は高いです。

肌感ではありますが、管理者の半数以上は数字管理の部分で拒否反応を起こします。

最初から数字に抵抗がなく、スムーズに理解出来る人は全体の1-2割程度で、大半が1-2年間売上や数字に触ることでやっと理解できるという印象です。

ぜひ、数字に拒否反応がある人は、分かりやすくするためにはどうすれば良いか?という思考を持って欲しいと思います。

その中の一つとして、利用者人数の考え方が助けになれば嬉しい限りです。


まとめ

若手で訪問看護の管理者に就くことは、多くの課題と直面することになりますが、その分だけ成長のチャンスでもあります。

地道な努力を続けること、臨床経験の差を埋めるために逃げずに向き合うこと、そして結果を出すための戦略的な思考と行動力を持つことが成功へのカギとなります。

また、KPIを利用者人数で考えるなどの工夫をして、数字管理に強くなることも重要です。

訪問看護業界において、若手管理者の存在は超貴重です。

ぜひ、本記事を参考にして、一緒に訪問看護業界を盛り上げてくれると嬉しいです!


えん訪問看護ステーションでは、一緒に働いてくれる仲間を随時応募しています!(会社HP:えん訪問看護ステーショングループ

「訪問看護に興味がある」「初めてでも大丈夫かな?」という方は、ご相談だけでも構いませんので、ぜひご連絡ください!
えん訪問看護ステーションの採用情報はコチラ


記事編集・監修:和田祥平
理学療法士。作家。Webライター。病院・訪問看護ステーションで勤務をする傍ら、介護・リハビリに関する記事の執筆・監修、書籍の出版等を行なっている。最新著書:介護のお世話にならない リハビリの専門家が教える 足腰の教科書(メディカルパブリッシャー)

いいなと思ったら応援しよう!