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【訪問看護の人材育成】結果を出したい管理者は365日会社に”コミット”しましょう。

本記事は、管理者が結果を出すための”コミット力”についてお伝えしてまいります。

最初に申し上げておきますが、この記事は若干「閲覧注意」となっております。

特に訪問看護ステーション(えん訪問看護ステーショングループ)の経営者である私がこのような内容を発信すると、「ブラック企業だ!」と感じる人もいるかもしれません。

そのため、この記事を日々の業務に活用するかしないかは個人に委ねますが、管理者で一定の成果を出したい人にとっては、絶対に押さえておいて損はない内容だと思っております。

どのように会社と向き合ったら良いか分からない、いまいち真剣に業務に向き合うことができないという人は、ぜひ参考にしてみてください。

(*本記事は管理者で統一表記していますが、管理職に属する人(所長・主任・リーダーなど)も含んだ内容となっております。)


訪問看護における管理者のコミット力とは

まず本題に入る前に、訪問看護における管理者のコミット力の定義をハッキリとしておきましょう。

訪問看護の管理者として成功するためには、単に業務時間内でのパフォーマンスを向上させるだけでは不十分です。

訪問看護という分野は、その特性上、24時間365日のケアが必要とされる現場です。

したがって、管理者は常に現場の状況を把握し、必要なときには迅速に対応できる状態にあることが求められます。

訪問看護におけるコミット力とは、人生全体を通じてその役割にどれだけの時間とエネルギーを注げるかです。

本記事ではコミット力を上記のように定義して話を進めてまいります。


【質問】週3日勤務の管理者と週5日管理者、成長できる組織はどっち?

いきなりですが、1つ質問です。

以下の2つのうち、どちらの組織の方が成長する可能性が高いと思いますか?

  1. 管理者が週3日勤務の組織

  2. 管理者が週5日勤務(フルタイム)の組織


おそらく、多くの人が「2」と答えるのではないかと推察します。

確かに、スタッフから「管理者が事務所にいると安心する」という声もよく聞くので、勤務日数が多ければ多いほど成長する組織になりそうです。


ではここで、先ほどの質問に少し条件を付け加えます。

以下の条件を付け加えた場合、どちらの組織の方が成長すると思いますか?

  1. 管理者が週3日勤務の組織
    【条件】残りの時間はフリーランスで働いており時間の融通は効く。そのため何かあった場合はいつでもかけつけられる状況にある。自身は休み関係なく結果を出していきたいと考えている。

  2. 管理者が週5日勤務(フルタイム)の組織
    【条件】出勤時間はフルパワーで働くがプライベートも大事と考えているため、ライフワークバランスは保っていきたい。訪問看護の管理者として結果は出していきたいが、まずはバランスが大事と考えている。


人それぞれ解釈は異なるかと思いますが、私は間違いなく条件「1」にあたる管理者がいる組織が成長すると考えています(過去、条件「1」で伸びていた事業所を、フルタイムの人じゃないとという理由で条件「2」に変更したら事業所が空中分解したという実体験からもきています)。


なぜ、週3勤務の管理者の方が成長するのか?

確かに、条件「1」の「休み関係なく」だけを切り抜いてしまうと、なんとブラックな!と言われるかもしれません。一方、条件「2」はライフワークバランスなど、魅力的な言葉が並んでいます。

私が言いたいのは、決して「ずっと休まずに働け!」という訳ではなく、人生という大きな単位で会社にコミットした方が、管理者自身も働きやすくなるということです。

条件「2」の人は、月160時間(1日8時間、20日出勤)が一般的な勤務時間となります。この時間は強制的に出勤する必要はありますが、その他はプライベートに注げます。

一方、条件「1」の人は月720時間(30日×24時間)ある中で、勤務時間とプライベートをセルフマネジメントします。


訪問看護では子供がいるからという理由で管理者を諦めている人も多く、その原因の一つに条件「1」のような強制的な出勤が挙げられます。

個人的には、子育てしながらでも管理者に挑戦すれば良いし、自身がやりたいと思っているなら、もっともっと会社と方法を模索すれば良いと思っています。

確かに、0〜1歳でいきなりママ管理者は厳しい部分もあると思いますが、2歳くらいになればママさんでも家族の協力や保育園などの社会的リソースを上手く活用すればいくらでもやれると思っています。

しかしその分、365日現場は回っているので、常に意識は向けるようにしてねという結論です。


実際、私も2歳→5歳(現在)まで主夫業も並行して経営をしていますが、正直しんどいと感じる部分は多々あります。

しかし、 子供は親のことを察してくれていますし、時間が取れる時にいっぱい甘やかしています。

子供には誇りを持って訪問看護の管理者や経営者をやっている姿を見てもらった方が、成長の観点では絶対良いとも思っています。

結果が残れば当然手取りは増えるため、子供にかけられる予算も増えるはずですからね。

子供の将来の選択肢を増やせるのも親の役割だからこそ、子育てしながら働く世代のキャリアアップは応援したいと強く思っています。

若干話が逸れましたが、訪問看護の管理者のコミット力は事務所にいる時間だけではありません。

24時間365日現場が動いているからこそ、人生をいう大きい単位の中で意識をどれだけ向けれるかが大事になってきます。

時にはオフ時間を意図的に作り、携帯もオフにして旅行や好きなことに使えば良いと思います。

オフや割り切れない管理者はプレッシャーなどで潰れる人も多いため、セルフマネジメントはしっかりと行うようにしましょう。

もちろん、管理者の意向だけでは叶えられない部分もあるため、経営者にも十分に意識をして欲しい部分だと思っています。


訪問看護における管理者の価値と対価

とは言いつつも、「なかなか全力でコミットする覚悟が持てない…」という人もいることでしょう。

そのような方のために、訪問看護における管理者の価値と対価をお伝えしようと思います。

結論、今のうちに、できるだけ早く「キャリアの伸び代」は伸ばしておきましょうという話です。

なぜなら、未来にはものすごく大きな対価が待っている可能性があるからです。


訪問看護業界は、大きな制度改定で方向展開がなければ、あと10〜20年は売り上げが右肩上がりに上がっていく業種と予想しています(もちろん群雄割拠してるから廃業する会社も多い)。

売り上げが上がる=事業所数が増えるという図式も成り立つため、当然管理者(職)のポジションも増えます。

そのため、このようなポジションに巡り会えるチャンスは、他の医療業界と比較しても圧倒的に高いといえます。


では具体的に、管理者(職)になった場合の年収を想定してみましょう。

例えば管理者(職)に3年コミットして結果を出すと、年収450万円→700万円に上がります。

引く手が多い業界のため、引き抜きや次のステージのオファー金額も700万円前後(650〜750万円)からのスタートになるケースが多くなります。

上記は年収が250万円上がっているため、15年業界でやっていくとなれば生涯年収は3,750万円上がる計算です。

3年コミットして3,750万円上がるなら、費用対効果は抜群だと思いませんか?

特にエリアマネージャーや多店舗を統括(執行役員〜役員)出来る人材はかなり希少なので、1,000万円を超える報酬もチラホラ見かけます。

ちなみに、異業種の大手が参入して訪問看護事業に乗り出す場合の事業統括ポジションなどは、オファー金額もそれなりのスタートになる傾向が高いです。

もちろん、レイヤーが上がれば求められるものは増えますが、属人的であるが故にA社もB社もC社もマネジメントの原理原則は変わりません。

そのため、前職のマネジメント経験がそのまま使えるという特徴があります。

年収400万円台が多い業界なので、夢物語のように感じる人もいるかもしれませんが、これは私自身が関わってきたすべての訪問看護ステーションで実証している事実です。


このような未来を手に入れたい人にとって、一番再現性が高いのは、やはりどれだけコミットできるかにかかっているかと思います。


先ほど「生涯年収は3,750万円上がる計算になる」とお伝えしましたが、3,750万円のアタッシュケースが目の前あったとして、コミットだけでこれが手に入ると言われたら、あなたのチャレンジ意欲も湧いてくるのではないでしょうか。

もちろんお金だけではないのは重々承知してはいますが、このチャレンジの価値を知ったら目の色が変わる人間も一定数いると思っています。

弊社も1,000万円プレイヤーが出てくるのはあと2〜3年はかかりそうですが、そんな訪問看護業界のシンデレラストーリーがたくさん出てきて、関わる人(スタッフや利用者様)の人生が良くなっていく業界になって欲しいと願っています。


このような業界に可能性を感じ、「よし!やろう!全力でコミットしよう!!」と思ってくれる管理者(職)が増えてくれれば幸いです。

*最後に注意点:残念ながらこの業界は自分だけという利己的な判断をした瞬間にキャリア(信頼)が落ちていく業界なので注意が必要です。常にペイフォワードの精神が大事だと感じる今日この頃でございます。


エリアマネジャーはリハビリ職でも可能?

最後に、Xで「エリアマネジャーはリハビリ職でも可能ですか?」という質問をいただいたので、私なりの回答を示しておきたいと思います。

結論、アリと考えています。

ただし、オンコール問題や訪問看護からのリハビリという構造などから、マネジメントの課題感はあります。

「上記の課題を凌駕する能力があれば」という前提はつけておきたいと思います。

具体的には以下のような能力です。

  • ヒアリング能力→課題解決

  • 共感能力(特に女性が多い環境)

  • 経営、運営能力

  • その他強み(採用、営業、制度理解、レセプト等)

リハビリ職ではない一般職がエリアマネジャーをしている法人もありますが、そのような方は上記のような能力が突出している印象です。


まとめ

訪問看護の管理者としてのキャリアは、単なる役職ではなく、人生をかけた挑戦です。

その挑戦に対してどれだけコミットできるかが、個人の成長だけでなく、組織全体の成長にも大きく影響を与えるでしょう。

また、訪問看護業界は今後も成長が期待されており、管理者としてのキャリアアップの機会も多いです。

管理者としての経験を積み、成果を上げることで、より高い収入とキャリアアップのチャンスを得られる可能性もあります。

本記事が、少しでもあなたらしい働き方の実現に繋がってくれれば嬉しいです!


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記事編集・監修:和田祥平
理学療法士。作家。Webライター。病院・訪問看護ステーションで勤務をする傍ら、介護・リハビリに関する記事の執筆・監修、書籍の出版等を行なっている。最新著書:介護のお世話にならない リハビリの専門家が教える 足腰の教科書(メディカルパブリッシャー)

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