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ビジョンと日々の行動を結びつける習慣のチカラ

ビジョン(夢や目標と言い換えてもいいです)を持つことの大切さを説く人や書籍は世の中にたくさんあります。

で、それを実現するには、日付を入れるとか、手帳に書くとか、いろんなやり方がこれまた世の中にはたくさん溢れています。

人生のビジョンを持つことの大事さは、私も最近ことあるごとにお伝えしています。#40歳からのキャリアデザイン講座の「ライフビジョン」はもちろんのこと、先日も Cybozu Days でそんな話をさせてもらったり、いくつかnoteを書いたりもしました。


でも、ビジョンをつくるだけでは、あまり効果はありません。

つくったビジョンを使う必要があります。

最近、私のなかで、「これはなかなか良いのでは」と効果を実感できるやり方が確立できたので、ご紹介したいと思います。


なぜビジョンを持つのが大切なのか(特にオッさんにとって)


人生のビジョン(仕事やキャリア上の目標ではなく)を持つのが大事という話は先のnoteなどでお伝えしていますが、前提になる話なので、本題に入る前にザっとおさらいしておきましょう。

ビジョン1

ビジョンがあると、現状とのギャップが生まれます。

ギャップを認識すると、ヒトの脳は勝手にそれを埋めようとするので、主体的に行動できるようになる。

だれかからの承認・評価や報酬といった外的な要因ではなく、「内発的動機づけ」=自分自身の中にある意欲を生み出すことにつながります。

そして、行動すると、やる気が生まれます(ここポイントです。やる気があるから行動するんじゃないですよ。行動するからやる気が出るんですよ)

大人の階段を登るにつれ、「世の中、だいたいこういうもんだよね」と思うことが増えます。期待や理想を下げたり調整したりすることになり、現状とのギャップが生まれません。だから、埋めようという気が起きない。活力が失われていく。

こうして「冴えないオッさん化」がスパイラル上に加速していきます。

若いときはだれしも、世の中に対する不満とか反抗心があったはずだし、逆に年齢を重ねても、こうだと心地良い/楽しい、こうだと嫌だ/ストレスを感じるということはあるはず。

それを「まあ、仕方ないよね」「そういうもんだよね」と思わずに、丁寧に向き合うと、本当はこれが理想という思いや大事にしたい価値観があることに気づきます。それを「こうありたい」と表現していくと、ビジョンになります(人生にはいろんな要素があるので、1行、1つの文章にまとまらなくても全然OK)。

ビジョンが言語化できると、現状とのギャップが生まれ、主体的に思考・行動できるようになり、やる気が出てきます

ビジョン2

はい、ここまでザっとおさらいでした。

というわけで、ビジョンを持つのはとても大事なんですが、でも、ビジョンはつくっただけでは、効果をフルに発揮してくれないのです。

これは、企業理念とか組織のビジョンと同じですね。つくっただけでは意味がない。壁に掲げていても、実際にはだれの目にも入ってないのでは、効果はありません(まあ、フォルダの奥底に眠ってるよりはマシですが)。


どうすればビジョンが効果を発揮するのか

ポイントは、ビジョンと日々の行動を結びつけることです。

先ほど「脳は勝手にギャップを埋めようとする」と書きました。ということは、脳にギャップを感じさせるのが大事なわけですね。

であれば、自分の脳にしょっちゅうギャップを見せつけましょう
というわけで、私は毎朝のモーニングルーティーンで、ビジョンを確認することにしています。

実際には、毎日ビジョンを確認するようにしたら、やる気が維持できてるので、お?コレ効果あるのでは、と気づいたわけです。

なので、毎朝毎日でなくてもいいかもしれませんが、とにかくしょっちゅうビジョンを確認するのはおススメです。

これをやると何がいいかというと、日々のタスクを進める上で「これは『あのビジョン』につながってるな」と実感できたり、「こっちはビジョンにつながらないから一旦置いておこう」と優先順位づけがスムーズにできたりします。

日々のタスクが長期的ビジョンにつながっている感覚を持つことは、想像以上に効果があるようです。

『やり抜く力 GRIT』によれば、「やり抜く力」が強い人は、目先の目標が最上位の目標(ビジョン)としっかりつながっているそうです。

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逆に、「やり抜く力」が弱くなる人にありがちなのが、中位と下位の目標ばかりで「最上位の目標」がない場合だそうです。目先のタスクや短期的な目標はあっても、長期的なビジョンがない状態は、まさにこれです。

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これでは「やり抜く力」が弱いので、達成に向けた努力が続きません。目標達成のためには、継続的な努力が不可欠ですから、「やり抜く力」を高めるためにも長期的なビジョン(最上位の目標)を持つことに加えて、日々のタスクや短期的な目標(下位の目標)が最上位の目標につながっていることが大事です。これによって、努力が継続できるようになり、達成に近づくことができるのです。

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見える化のピラミッド(Pyramid of Clarity)」というフレームワークでも、このGRIT理論が応用されているように思います。

「見える化のピラミッド」とは、Asanaが提唱する日々の業務と大きな目標とつなげるためのフレームワークで、これによって組織やチームに属する多くの人の力を、大きな目標に結集させることができるし、個々人も仕事の意義を実感できるとされています。

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俗にいう「レンガ職人の寓話」と同じですね。

ある旅人が道を歩いていると、ひとりのレンガ職人がレンガを積んでいるところに出会った。
旅人が「あなたは、何をしているのですか?」と尋ねると、
レンガ職人は、「見ればわかるだろう。親方の指示で、レンガを積んでいるのだ」と答えた。

旅人が歩いていくと、別のレンガ職人に出会った。
また、「何をしているのですか?」と尋ねると、
2人めのレンガ職人は、「レンガで壁を作っているのさ。家族を養わないといけないからな」と答えた。

旅人がさらに歩いていくと、また別のレンガ職人に出会った。
また、「何をしているのですか?」と尋ねると、
3人めのレンガ職人は、「みんなが集まれる大聖堂(教会)を建てているんです」と、目を輝かせながら答えた。

どうやら私は無意識のうちに、こういった「組織で、業務上の目標を達成するためのノウハウ」を、仕事だけでなく個人の生活にも当てはめていたようです。

ビジョンをしょっちゅう確認すると、ギャップを感じるので、これを埋めようと新しい行動を起こす。

今やっていること(やらなければいけないこと)がビジョンにつながるよう、工夫したり取捨選択したりする。

毎朝ビジョンを確認する習慣によって、この2つの効果を実感しています。
仕事の目標と違って、人生のビジョンは決まった期間で「達成」できるものではないですが、ビジョンに近づくための行動をしていると実感できることで、日々の充実感があります。

関連動画

解説動画をつくりました。


イベントのお知らせ

私は、日々の行動やタスクをAsanaで管理しているので、ルーティーンにAsanaを使っています。「見える化のピラミッド」のフレームワークが埋め込まれたAsanaを使うことで、ビジョンへ近づくための習慣が確立できたのは偶然ではないのかもしれません。(おかげですっかりハマってしまい、アンバサダー/認定プロにまでなってしまいました)

そこで、12月にAsanaコミュニティイベントとして、「ビジョンと日々の行動を結びつける習慣づくり」に関するイベントを開催します

この記事でご紹介した手法をさらに詳しくお伝えするとともに、ほかの方からも「なりたい自分になるためのルーティーン」をご紹介いただく予定です。

Asanaを使っていない方にとっても考え方のヒントが得られるイベントになると思います。
もちろん無料ですし、今年を振り返り来年の目標を考え始める季節でもありますので、ぜひご参加ください!

【開催概要】
日程:12月14日(火) 17:00〜18:45ごろ
場所:オンライン(Zoom)
対象:目標達成のための習慣づくりに興味のある方であればどなたでも
費用:無料

17:00〜17:30 オープニング
Asanaを使った「ビジョンと日々の行動を結びつける習慣」のご紹介(萩原雅裕)
17:30〜17:40 「私の習慣・ルーティーン」活用例紹介①(西井愛さん)
17:45〜17:55 「私の習慣・ルーティーン」活用例紹介②(矢野裕紀さん)
18:00〜18:10 「私の習慣・ルーティーン」活用例紹介③(佐野健さん)
18:10〜18:20  AsanaおよびAsanaユーザーコミュニティAsanaTogetherのご紹介(Asana Japan 長橋明子さん)
18:20〜18:45  Q&A および 懇親会

参加登録は以下のサイトから。参加者向けの素敵ギフトもご用意しましたので、ぜひご参加ください!


(追記)イベントの模様と、私の講演スライドは以下の記事に掲載しましたので、ご参照ください。


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