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突き抜けられないあなたへのメッセージ - ジェネラリストという道

突出した強みを持て、軸を立てろ、エッジを効かせろ

時代は常にそう煽ってくる。


そんな「何か」を見つけられないのは自分だけじゃないかと思うと、焦るばかり。

「何か、自分なりの強みを作らないと」「得意分野を作らねば」「早く、ひとつでもスキルを極めなければ」と思いがちだ。

でも、そう簡単に「自分が突き詰めたいこと」なんて見つかるもんじゃない。

そんな人には、ジェネラリストという道もあるよ、と言いたい。

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自分の専門分野を決める。

私にはこれができなかった。

よく問われたものだ。

「強みはなに?」「お前は、何で勝負するの?」

よく言えば、バランス型、悪く言えばただの器用貧乏。なんでもできるようで、何にもできない。

多くのことに興味はあるが、とことんハマるほどではない。ひとつのことにどっぷりハマれる人を見ると、今でもうらやましく感じる。


あるとき、もういっそ究極のジェネラリストを目指してみよう、と思った。ビジネスの世界で究極のジェネラリストって何だ、と考えていたら、MBA留学したり、経営コンサルタントをやったりしていた(今ならそんな遠回りしなくても、巨人の肩に乗る方法はたくさんある)。

それとて一瞬のことで、気づけば、社会人経験25年で15個以上の職種・役割を経験している。

そんな生き方をしていたら、40歳を過ぎてから、これ最高だな!と思える仕事に出会えた。

そういうこともあるのだ。

若いあなたが「これだ!」と思うものに出会ってなくても、ちっとも不思議じゃない。

じゃあ、それが見つかるまで、どう生きればいいのか。

あなたのバランス感覚を活かして、ジェネラリストとして歩んでみればいい。

何かに出会うそのタイミングで、適切な場所にいるために、あなたの幅広さやバランス感覚が役に立つことがあるから。

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フォロワー5.7万人、泣く子も黙るインフルエンサーの枌谷さんだって、こう言っている。


私にも、スキルをつけて専門性を高めるんだ!と息巻いていた時期があった。

社会人2年目くらいのとき、当時30歳前後のとても優秀で頼りがいがある先輩がいた。彼は、ある技術についての知見とスキルについて、会社の中でも随一とされていた。

そんな先輩に「自分もそのスキルを身につけたい。その世界ですごくなりたい」と言うと、

「んー、こんなスキル、しょせん一時的なもんだよ。数年後にはなくなってるかもしれないからね」

と言われ、そんなことあり得るのか?と思うと同時に、この人にそう言われたら、いったいどうすればいいんだ?と途方に暮れた。

その技術は、先輩の予言どおり、数年でコモディティ化した。


気づけば、その後もフラフラとその場その場で求められる役割をこなしていくうちに、自分の強みはバランス感覚なのかもしれないと気づいた。

バランス感覚なんていうフワッとしたスキルに果たして価値があるのか、はっきり言ってわからない。

ただ、バランス感覚というのは、けっして誰にでも備わっているモノではない、とは言えると思う。


希少なモノには価値がある。価値を感じてくれる人がいる限りは。

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何でも売ってるジェネラルストアは、都会では生き残れないが、周りに何もない荒野ではめちゃくちゃ重宝される。

つまり、問うべきは、価値を感じてくれる人がどこにいるのか、どういうシチュエーションだと価値を感じてくれるのか、だ。


著名な方の講演で、とても印象的だった言葉がある。

「論理的な筋道が通っていることを『頭がいい』と表現することがあるが、それは違う。ひとつの論理を作るのなんて誰だってできることだ。子どもの主張だって、筋道は通っている。
本当の『頭の良さ』とは、2軸、3軸、4軸、5軸と、複数の軸・視点で物事を捉え、異なる立場があり利害が反する中で、その状況での最適な解を導くという、難しい判断ができる力のことだ」

これがまさに「高次元のバランス感覚」だと思う。

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しかし、ここで残念なお知らせがある。

この「高次元のバランス感覚」に価値を感じてもらえるのは、実はかなり限定的なシチュエーションだけかもしれない。

平たくいうと「経営」に携わっている状況、もう少し正確に言うと「難しい意思決定」を求められる状況だ。

人はそれほど意思決定をしたくはないものだ。

残酷な事実として、自分で決めたい、自由にやらせてと言いながら、いざ意思決定を迫られると、そこに向き合えない人が大半だ。

あなたの周りにもいるでしょ、「どうすればいいですか?」「どっちなんですか?」と聞いてくる人。


突き抜けられないあなたがバランス感覚を持っていて、それを強みにしていきたいと思うなら、究極のジェネラリストとして「経営」という職業・役割を目指すのがひとつの道になる。

そんなに簡単に経営はできない?

そのとおり。

でも実は、経営者でないあなたにも、あなたの強みであるバランス感覚を活かす方法がある。経営という役割を仮想的に果たす方法がある。

それが「意思決定」だ。

自分が意思決定者になったつもりで、自分が意思決定の権限を持っているつもりで、仕事をすればいい。

たしかに今のあなたに権限はないかもしれない。でも、そのつもりで自分が決めて、それを持っていけばいい。

あなたが考えた複数の論理にしたがって、あなたの案がそのまま通ったなら、それは実質的にはあなたが意思決定したのと同じだ。


逆に自分で結論を出す気もないくせに、「こういう観点ではこうじゃないか」「こっちの視点も考えないと」という発言を繰り返していると、価値を感じてもらうどころか、下手すると「何言っても、いろんな角度で難癖つけてくる人」と見られかねない。ありがちだから気をつけたい。

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今まさに多様性の時代。

幅広い視点で物事を見て、違う軸で論理を立てられる、あなたのバランス感覚は、実はとても価値があるのかもしれない。

そんな風に考えて、このスペシャリスト全盛の時代に、あえてジェネラリストとして生きてみるのも、ひとつの道。


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https://twitter.com/Masa_Hagiwara


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萩原 雅裕|Prodotto代表
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