今の自分は選択の積み重ねの結果。これから訪れる選択にはどう挑む?
”人生は選択の連続”
この言葉を耳にするのは初めてではないだろう。そして、多くの人に共感を呼び起こす言葉でもあるに違いない。
私自身も、これまでの人生で数え切れないほどの選択を重ねてきた。その結果として大学生となり、大学院への進学を選んだ。
日常生活における些細な選択(例えば、朝食にご飯を食べるかパンを食べるか)から、今後の人生を大きく左右する重大な選択(例えば、転職するか現在の仕事を続けるか)に至るまで、私たちは日々さまざまな選択に直面している。
ときには、人生を決定づけるような重要な選択を迫られることもある。そのような場面で、漠然とした気持ちで選択をするのは非常にもったいないことである。
さらに、選択という行為は「決断」と「条件」という二つの要素から成り立っていると考える。たとえ魅力的な選択肢があったとしても、それに必要な条件を満たしていなければ決断には至らない。
そこでまず、選択肢があるときに何を基準に決断すればよいのか、私なりの考えを述べていきたい。
最終決断は必ず自分ですること
まず、何かを選択する際に心がけたいのは、自分自身で決断することだ。
子どもの頃、親の指示に従った結果、失敗した経験はないだろうか。また、先輩や先生、友人のアドバイスをそのまま鵜吞みにして選択し、それが失敗に繋がったことはないだろうか。
これらの場合、見逃せない問題が生じることがある。それは、失敗の原因を親や先輩、先生、友人のせいにしてしまう可能性だ。
「あなたが勧めたせいで失敗した!」「その選択肢が自分に合うと言ってたのに!」といった不満が生じるかもしれない。たとえ内心では、自分の行動が招いた結果だと分かっていても、決断を自分で行わなかったために責任転嫁や八つ当たりのような行動をしてしまい、自己嫌悪に陥ることがある。
だからこそ、自分に関わる選択は自分自身で決断するべきだ。自分で決めた選択なら、失敗したときに他人を責める必要はなくなる。失敗の原因が完全に自分の力不足だと受け入れられるからだ。それでも他人のせいにするなら、器が小さいと言わざるを得ない(笑)。
一方で、成功した場合でも、自分で決断した選択の方が得られる恩恵は大きい。他人の指示に従った成功では、その要因に他人の判断が含まれるため、素直に自信に繋がりにくい。「やっぱり先生が言った通り成功しただろう」と言われたら、少しムッとするかもしれない(笑)。
しかし、自分で選び決断した結果の成功なら、それは純粋に自分の努力の賜物だ。その成功から得られる自信は、次の成長へと繋がる。
もちろん、成功することは素晴らしいが、失敗が必ずしも悪いわけではない。むしろ、自分で選び、何度も失敗を重ねた先に得られる成功こそ、大きな財産になる。それを繰り返すことで、選択への責任感が高まり、強い人間へと成長できるだろう。
ただし、他人のアドバイスを完全に無視しろと言っているわけではない。アドバイスをしてくれる人たちは基本的に善意で助言してくれており、中には有益で的確な情報を提供してくれる人もいる。そのため、参考にする価値は十分にある。しかし、アドバイスを受ける際は、最終的な責任を取るのは自分自身だという意識を忘れないことが大切だ。
感謝の気持ちを持ちながら、最終的な決断は自分で下す――それが最良の選択をするための第一歩だと考える。
他人の選択を強制する場合は覚悟を持て!
次に、どうしても相手に特定の選択をさせたい場合、どのようにすれば良いのだろうか。
これまで述べてきた内容から考えると、相手の選択をこちらが勝手に決定するのは避けるべきだ。しかし、どうしても口出しせざるを得ない状況もあるだろう。
例えば、相手が非行に走りそうなときや、明らかに能力に見合わない進路を選ぼうとしているときなどだ。このような場合、相手が将来苦労する可能性が高く、それを避けるために別の選択肢を勧めたいと感じることもあるだろう。
ただし、他人の選択を強制することは相手の反感を招き、後々攻撃される可能性があることを考慮しなければならない。相手の選択に干渉する際は、このリスクを十分理解した上で接するべきだ。
また、自分が相手から批判や責任を問われる覚悟がないのであれば、最初から介入しない方が良い。中途半端に口出しをすることは、かえって双方にとって悪影響を及ぼす可能性がある。
結論として、他人の選択に干渉する場合は、相手の未来に対する真剣な責任感を持ち、必要であれば最後までその選択に伴う責任を共に背負う覚悟が求められると考える。
条件を満たすために
何かを選択するとき、その選択肢を実現するための条件が必要となる。
進学、就職、旅行、趣味、スポーツなどには多様な選択肢があり、迷うこともあるが、全てを選べるわけではない。今、あなたが「やるか、やらないか」や「AかBかCか」で迷っているなら、ある意味で幸せな状況と言えるだろう。
勉強をしてこなかった人が難関大学を進学先に選ぶことはできないし、お金がなければ海外旅行には行けない。腕を骨折している人はバスケットボールをプレーすることができないからだ。
このように、選択肢を得るためには一定の条件を満たしていなければならない。
その条件は、 能力 お金 健康 の3つに分類できる。
先ほどの例で考えてみよう。
難関大学に進学するには、学費を払うお金や健康があっても、十分な学力がなければ不可能だ。
健康で外国語を話せても、お金がなければ海外旅行に行くことはできない。
バスケットボールの試合に出るためには、選抜経験やシューズを買うお金があっても、腕が使えなければ試合に出られない。
このように、選択肢によって必要な「能力」「お金」「健康」の条件は異なるが、1つでも欠けていればその選択肢を選ぶことはできない。
現在あなたが決断できない選択肢についても、この3つの条件のどれかが満たされていないからではないだろうか。
追加しておくと、「仕事が忙しくて時間がないから選べない!」「介護が必要な親や小さな子供がいるから選べない!」と、ある選択をあきらめている人がいるかもしれない。これらの場合、お金が条件を満たしていないことになる。
潤沢なお金があれば、仕事を辞めたり、介護や育児をプロに任せたりすることで、時間やサービスを得ることができる。お金は時間や労力を等価交換できる強力な手段だ。
もし、選びたい選択肢に対して自分が条件を満たしていないと感じたなら、そこからは努力を重ねる以外に道はない。目標を達成するために、自分に足りない要素を見極め、補っていくことが必要である。
これから訪れる選択にはどう挑むべきか?
これまで、何かを選択する際は自分で最終決断を下すこと、そして選択権を得るためには条件を満たす必要があることを説明した。
ここからは、条件を満たしている場合に何を基準に選択すれば良いかを考える。
進学、就職、転職といった進路や、スポーツ、趣味、旅行といった娯楽には多くの選択肢があり、選ぶのに労力を費やすこともある。そこで提案したいのは、人生のテーマに沿った選択をすることだ。
人生のテーマを持とう
人生のテーマはあるだろうか?もしなければ、ぜひ作ってみてほしい。
「人生のテーマ」とは何かと疑問に思う場合は、「目標」と捉えても良い。具体的には、「作家になって人々に自分のアイデアや小説を届けること」「世界中を旅して多様な文化や景色を体験すること」「推し活を全力で楽しむこと」など、自分が心から満足できることであれば何でも良い。
テーマに沿った選択の方法
自分の場合、人生のテーマは「自由」だ。このテーマを基に選択肢を絞る過程を以下の4ステップで説明する。
テーマを十分に解釈する
そもそも「自由」とは何か?
→ 旅行したり、事業を立ち上げたり、好きな場所に住んだりと、自分が興味を持つことに挑戦できる状態を指す。仮に実現できた場合の満足感を考える
→ なぜ満足できるのか?旅行が好きだから、経営者の立場を経験したいから、札幌の環境が気に入っているから、など具体的な理由を考える。それを実現させるために必要なものを明確にする
→ 潤沢なお金やスキル、札幌で暮らし続けるための進路選択、など。必要なものを手に入れるために今できることを行う
→ お金やスキルを得られる仕事を探し、リサーチを重ねる。札幌を拠点とする仕事に積極的に取り組む。
このようにテーマを基準に選択肢を絞れば、後悔のない決断ができる。そして選んだ選択肢を実現するために必要な行動を取ることが、成功への道筋となる。自分の場合は、就職活動を積極的に行うことがそれに該当する。
テーマに沿った努力は辛いだけではない
1~4のステップを実行するのは労力を要する。しかし、テーマに沿って尽力することは単なる苦労ではない。それは、満足している未来の自分を想像できるからだ。自分のテーマに基づいた選択と行動が、将来の自分に確かな喜びをもたらすと信じることが、選択に迷わない秘訣だ。
最後に
これまでに、訪れる数々の選択について、人生のテーマに沿って考えれば自ずと選ぶべきものが決まることを説明した。他人の意見を聞くことは構わないが、選択を決断するのは必ず自分自身で行うべきである。また、選択肢によっては一定の条件を満たす必要があることにも触れた。
これまでに出会った「かっこいい」と感じた人々は、人生のテーマ、あるいはそれに近いものをしっかりと持っていた。そうした人々は、本当に輝いて見えるものだ。
だからこそ、自分の人生のテーマを決め、それに向かって選択を重ねていくことが、自分自身をより輝かせる道になるのではないだろうか。