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スタジアムを夢を与える場所へ#7【川崎ブレイブサンダース】

noteの投稿途切れていたので、今年最初の投稿となります。
久しぶりに作るということで、まだ投稿をしたことがなかったBリーグで記事を作ろうと思いました。
ということで第7回目の今回は、川崎ブレイブサンダースの川崎市とどろきアリーナに行きました。

DeNAが参画し、リーグNo.1の動員数を達成・チケットやグッズ販売といったチーム関連の売り上げも約2倍に拡大した基礎となるデジタル戦略は、他のクラブからも一目が置かれる存在だと思います。
そんな川崎ブレイブサンダースを現地から見たときに、どのようなクラブなのかを知りたいと思い、来場しました。

今回来場して感じたことは、
「クラブが目指す世界をどのようにお客様・ファンサポーターに伝えていくかを設計し、落とし込むことの大切さ」を学びました。
ではここから、その理由を紐解いて行きたいと思います。

1.川崎ブレイブサンダースのこれまでのデータ

①来場者の推移

まずは、2017シーズン以降の来場者の推移。

参照:https://stats.basketballnavi.com/

コロナ前までは平均来場者数が急激な右肩上がりということで2018年にDeNAが参入していることから、影響の大きさが伺えるデータとなっている。
2019-20シーズンのホーム戦1試合平均がB1全体で2位。ホームゲームを毎試合ほぼ満員にしたような状態だった。
しかしコロナの影響により、来場者が減少。
データとしては減少しているが2020-2021シーズンの2353人の平均来場者数は、B1で1位ということで苦しい状況でも安定した集客が行えていることが読み取れる。

②収支データとコア層

売上推移としては、以下の通りとなっている。

このデータで注目すべき箇所は、物販収入の伸びと安定性だと思います。各年度の物販収入のデータから分かる通り、物販収入の伸びが2017-2018シーズンと2021-2022シーズンを比較すると約75倍ととんでもない数字を叩き出している。

また2021-2022シーズンの物販収入は、B1リーグ2位という位置にまで登っており、ここまで顕著に物販収入が伸びているクラブは他の競技でもないのではないかというデータとなっている。
入場料収入もリーグ5番以内を維持していることから、伸びながらも着実にお客様の来場を促進することができているとデータから感じました。

では、なぜ来場者と物販収入が特に伸びたかを考えたときに、徹底したターゲット層へのアプローチが要因だと思いました。
以下の画像のように、メインとなるターゲットを顧客データから属性を分析し、どういった方々が来場しているかを把握する。

引用:https://kawasaki-bravethunders.com/lp/sponsorship/
引用:https://kawasaki-bravethunders.com/lp/sponsorship/

このデータから、若い女性や主婦層を重要なターゲットとして置いているのではないかと思います。
そういった方々に向けて、何が来場することの壁となるかを分析し、必要な情報を初めて観戦する人用に記事として掲載しているのは、初めて来場する方のハードルを大きく下げる要因だと思いました。

このようにデータに紐づいた施策を打ち続けることで、来場者と物販収入に大きな影響を与えていると感じさせられたデータとアクションでした。

2.アリーナホスピタリティ

①座席配置

座席は2階まであり、各エリアごとに色を設けていることで初めて来場された人にとってもわかりやすいのではないかと思いました。

座席配置図と各エリアごとの表記

また座席を見ると川崎ブレイブサンダースカラーのカバーが各座席につけられており、川崎ブレイブサンダースのホームの雰囲気を高めるための取り組みだと思いました。
(座席の7割ほどについているので、毎試合取り付けることは非常に大変だろうなと感じさせられました。)

座席カバー

また、1階部分の座席には各席に座席番号が取り付けられており、自分がどの座席なのかを確認しやすいようにされていました。
小さなことですが、初めて来場される方を想定した導線づくりを行っているあたり、チケット購入から、来場までのお客様をイメージした設計をされているんだと感じさせられました。

座席番号が貼られた座席

②アリーナが目指す世界観

川崎ブレイブサンダースが目指すミッションは、以下の通りです。

ここから、川崎ブレイブサンダースは「地域の誇り、憧れ」となるクラブを目指しているんだと私は感じました。
それを踏まえたときに、川崎ブレイブサンダースがアリーナで作ろうとしている雰囲気が非常にマッチしていると感じました。

アリーナ内の様子

アリーナ内には、いたるところに選手写真やチームエンブレムがありました。金網に選手写真を貼り付けるなどは、他のアリーナでは見たことがない活用方法だったので、選手・チームのかっこよさから「地域の誇り・憧れ」へとつなげていくためのブランディングにつながっていると思いました。

そして、アリーナだけではなく地域の社会課題向き合い解決に向けて尽力しているクラブでもあります。
「&ONE」という取り組みを行っています。

「&ONE」はSDGsに、クラブとして取り組んでいくプロジェクトであり、フードドライブや子ども食堂への寄付活動、再生可能エネルギー関連の取り組みなど川崎市をよりよくするための活動を行っています。
これは、クラブミッション実現のためにスポーツができる可能性をより広げていくための活動だと思います。

地域に必要とされるクラブは何かを考え、クラブに関わる全ての方々がミッション実現のために行っている素晴らしいプロジェクトだと思いました。

3.来場して感じたこと

今回来場して感じたことは、「クラブが目指す世界をどのようにお客様・ファンサポーターに伝えていくかを設計し、落とし込むことの大切さ」を学ぶことができました。

ターゲット層の設定からアプローチ、そしてアリーナでのお客様を楽しませるための運営など入口から出口、そしてそれを継続的に楽しんでもらうための設計が今の川崎ブレイブサンダースを作っているのだと感じさせられました。

今回は、アリーナでの取り組みが中心でしたが、その入口となる戦略がSNSでのデジタル戦略。
SNSを活用し、多くのお客様との接点を作り、そこからコア層になっていただくための戦略が細かく分かれている。
スタジアム内でもLINEを使ったアンケートを促すことで、どのお客様が積極的にイベントに参加しているのか、何に興味があるのかを把握し、お客様に合わせたアプローチを行っていく。

その体制がしっかり整っているからこそ、今の川崎ブレイブサンダースがあるのだと感じました。

4.まとめ

「川崎ブレイブサンダース・川崎市とどろきアリーナ」に来場して、人気が高まる要因には、理由があり、再現性があるからこそどんな状況でも安定した成果を出し続けることができていると思いました。

ただデジタルだけ突出するのではなく、来場した人にどのような悩みがあり、どうやってアリーナを楽しんでもらいたいかまでをクラブとして、落とし込むことができているからこそ満足度が高く・またアリーナに行きたいと思える場所なんだと感じた1日でした。

これからの川崎ブレイブサンダースの活動をチェックしていきたいと思います!
ありがとうございました!!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
このnoteでは、今後も定期的にスタジアムホスピタリティ、クラブの取り組みについての投稿を行います。

スポーツ業界がより、多くの方に夢を与える場所であり続けるために今後もその力添えになれるよう、取り組んでいきたいと思います🔥


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